もぎたてよりも追熟が美味しい!スモモのご紹介
2022.09.27
野菜も果物も、新鮮な状態のものが一番美味しいと思っていませんか?実は、今回ご紹介するスモモはもぎたての新鮮な状態ですと酸味の方が強く、美味しいと感じられない方が多い果物です。1週間程度、追熟することで、驚くほど甘い果実に変化するスモモ。この記事ではそんなスモモの特徴や種類、育て方などをご紹介します。
スモモの基本情報。スモモはこんな木
スモモはバラ科スモモ属の果樹です。2~4mになる中高木で原産値は中国です。梅と同様に日本の気候にとてもあっており、家庭でも栽培しやすい木です。とても丈夫な果樹でかなりの長い寿命を持っている上、枝葉を広げ広い面積を使うので地植えの場合は、植え付けの場所に注意が必要です。一般的には2本植えて受粉をさせないと実がなりにくい「自家不和合性」ですが、1本でも実をならせる品種も存在します。
スモモの代表的な品種
・ビューティー:6~7月上旬が収穫時期。1本でも実がなる品種です。
・大石早生:収穫時期は6月。栽培には一番ポピュラーな早生種。1本では実がならないですが、栽培自体は比較的簡単で育てやすい品種です。後にご紹介する「ソルダム」と受粉相性が良いのが特徴です。
・メスレー:収穫時期は7月上旬。1本でも実がなる品種。ビューティーより遅れて実がなります。
・ソルダム:収穫時期は7月中旬。果肉の色が赤くなり大玉で、完熟するととても美味しいので人気の品種。大石早生と受粉相性が良いのが特徴です。。
・サンタローザ:収穫時期は7月中旬から下旬。完熟した実はとても美味しく人気。何年も育てていると自家受粉して実をつけるようになります。花粉を多くもっているため、授粉樹としても最適です。
・貴陽:収穫時期は7月中旬から8月下旬。実がとても大きく糖度も高いのが特徴です。そのため高級品として取引されている品種です。1本では実をつけません。
スモモの育て方。初心者でも栽培できる?
スモモはとても丈夫で日本の気候にもよくあった果樹です。そのため、場所を選べば初心者の方でも栽培しやすいおすすめの果樹です。
土壌・場所
日当たりの良い場所を好みます。また、大きく枝葉を広げるので、地植えの場合は広い場所が必要です。土壌は水はけが良く、保湿性のある土壌であることが重要です。
植え付け・植え替え
植え付けに適した時期は11月から遅くとも1月までに終わらせるのがベストです。スモモの根は2月から動き始めるので、植え付けが遅くなると実がつきにくくなります。鉢植えの場合、根詰まりを防ぎ、通気を良くする目的で植え替えが必要です。通常は2~3年に1度程度は植え替えをします。
水やり・肥料
水やりにはそれほど気を遣わなくても大丈夫です。土の表面が乾いたら、水をたっぷり与えます。地植えの場合は、夏に雨が降らない日が何日も続くような時以外は、特に水やりをしなくても大丈夫です。肥料は2月、10月に有機質の肥料か速効性の化成肥料を施します。
剪定・手入れ
スモモの木は夏と冬の2回、剪定の時期があります。夏の剪定は木をコンパクトにしたい場合に新芽を摘心したり切り詰めたりします。冬の剪定は12~2月の間に行います。スモモは短い枝に実をならせるので、長くなってしまった枝を30cm程度まで切り詰めるように剪定します。スモモの栽培でもっとも重要な手入れが摘果です。スモモは満開になった後、25日程度で実をつけ始めます。その時に、受粉に成功して膨らんだ実と失敗して小さいままの実が分別できるようになっています。確認できたらできるだけ早めに膨らまない小さい実を摘果します。実と実の間がこぶし一個分ぐらいあくように摘果すると良いでしょう。
スモモの病害虫について
スモモの代表的な病気は黒斑病や灰星病、ふくろみ病などがあります。黒斑病は果実、枝葉を侵す病気です。灰星病は、果実にカビが生えて腐ってしまう病気で梅雨時期に発生しやすいです。特効薬となる殺菌剤があるので、灰星病になった場合は詳しいお店でEBI系の殺菌剤を手に入れるようにしましょう。ふくろみ病は、実が小さい時に奇形になる病気です。アケビのような形になってしまうのですが、これは実がつく前に感染して越冬した菌による病気です。葉が落ちている12~2月の間に石灰硫黄合剤を散布すると、ふくろみ病になりにくくなります。
スモモの花言葉。有名な故事と関係あり?
スモモの花言葉はいくつかあり、その中に「誤解」というものがあります。これは有名な中国の故事に由来するものです。「李下に冠を正さず、瓜田に履を納れず」ということわざをご存じでしょうか?「李下」というのがそのまま、スモモの木の下ということになります。これは「スモモの木の下で冠をかぶり直すことはしない、ウリの畑で靴をはき直すことはしない」という意味です。どちらの行為も遠目から見ると実を盗んでいると誤解されてしまうので、誤解をまねくようなことはするな、という教えとして使われます。その他の花言葉としては「忠実」「貞節」「独立」「疑惑」「甘い生活」などがあります。日本の気候にもあっているスモモは品種も多く、色や味、形にまで違いがあります。その品種の分だけ特徴に応じた花言葉があるのでしょう。
生食も加工食も美味しい!スモモの食べ方
日本で一般的に食べられているスモモは中国が原産の丸い形のものになります。その他の呼び名はプラムです。名前は似ていますがプルーンは西洋スモモなので違う品種です。収穫したてのスモモは酸味が強いので1週間程度追熟をしてから完熟したものを食べるのがおすすめです。酸味抜きとも言いますが、皮にシワがよるほど完熟したスモモは甘さが強いのが特徴です。ただ完熟したスモモは常温では痛みやすくなるので、必ず冷蔵庫で保管しましょう。
ジャムの作り方
完熟させたスモモを生で食べるのもおすすめですが、新鮮な状態の酸味が残るスモモはジャムにしても美味しく食べることができます。用意するものは、収穫したスモモと同量の砂糖、保存瓶です。一般的なジャム作りより砂糖が多いようにみえますが、収穫したばかりのスモモは酸味が強いのでちょうど良い甘さに仕上がります。スモモは皮を剥いて、保存瓶は煮沸消毒をして準備します。皮を剥いたスモモと砂糖、ひたひたぐらいの水を鍋にいれ火にかけます。焦げないようにかき混ぜながら煮詰めます。途中、アクを丁寧にとることと、実からはなれた種を取り出すようにします。とろみがついたら完成です。熱いまま保存瓶にいれ、ふたを軽くしめます。1分ほどおいたら、ふたを少し緩め、中の空気が外にでたらすぐにギュッとふたを固く閉めます。
スモモが大きな実をつける原動力に!HB-101
スモモは2月と10月に追肥をします。ですが、それとは別にスモモの生長を促し、実つきをよくするために、HB-101がおすすめです。HB-101は、スギ、ヒノキ、マツの抽出エキスを使用した、植物用の活力剤です。スモモなど果樹の場合は収穫前の半年間、HB-101を1000倍~10万倍にうすめて土にかけると実つきが良くなります。また、収穫後は月に1回程度、HB-101を同じく水でうすめて土にかけることで、結実に使ったスモモの体力を回復させ、生長を促すことができます。
まとめ
この記事ではスモモの特徴についてご紹介しました。丈夫なので、あまり果樹を育てたことがない方でも比較的簡単に栽培ができる果樹です。小さく剪定をすれば鉢植えでも育てることができ、場所があれば地植えでもほとんど手入れのいらないスモモ。育てて収穫して、じっくり追熟を待ってからその甘さを堪能してみるのはいかがでしょうか。