触ると葉が閉じる?不思議な植物、含羞草のご紹介!
2022.09.06
夏から秋にかけて咲く含羞草をご存じでしょうか。たくさんの細い花びらが花火のように丸い形で外側に向かって開く、ピンク色の花です。葉はとても敏感で少しでも触ると閉じてしまうので、つついて遊んだことがある方もいるのではないかと思います。今回はそんなちょっと不思議な含羞草について、育て方や閉じる仕組みなどもご紹介していきます。
含羞草ってどんな花?名前の由来は?
含羞草は、マメ科オジギソウ属の多年草です。多年草と書きましたが、日本では一年草として扱われています。理由は寒さに弱く冬越しができないからです。寒さ以外にはとても強い植物で、日本でも温かい沖縄などでは自生して何年も繰り返し咲いています。原産は温かい南米です。なお、含羞草には毒性アルカロイドのミモシンという成分が含まれています。これは薬効もありますが、毒にもなります。触れる程度ではなにも問題はありませんが、子供やペットが誤って口にしないように気をつけましょう。
含羞草の名前の由来
含羞草という名前は、刺激を加えると葉が閉じて垂れ下がる様子がお辞儀をした時のようにみえることから名付けられました。そのため含羞草の他に、「御辞儀草」と書くこともあります。なお、含羞草の「含羞」という漢字には、「恥ずかしいと思う気持ち、はじらい」と言った意味があります。葉を閉じる様子が頭をさげて恥ずかしがっているようにみえることも、この漢字を使った名前になった由来になっています。また、夜になると葉が閉じて、翌朝になると葉を広げることから「眠り草」という別名でも呼ばれることがあります。
似てる?含羞草とミモザ
含羞草は、英語名をミモザと言います。ところが今、ミモザと呼ばれるのは、実際はギンヨウアカシアやフサアカシアという樹木です。どれもマメ科の植物のため、葉の形が似ています。そのため、ギンヨウアカシアが日本に入ってきた時に含羞草の英語名で呼ばれたのをきっかけにミモザという呼び方になりました。少しややこしいですが、まったく違う植物です。
含羞草の育て方。冬越しできるの?
含羞草は寒さ以外にはとても強く丈夫な植物です。種からも苗からも育てることはできますが、自分で採取した種を植えるということを楽しみに取っておくため、初めは苗から育てるのがおすすめです。
種まき
含羞草の種は表面がとても固いため、そのまま植えても発芽しにくいです。そのため、種まきをする前には一晩、水かぬるま湯につけておくようにしましょう。もともと温かい地域の植物なので、種の発芽適温は25~30度と高めです。そのような環境ではない場合、春に直まきをすると急に寒さが戻ることもあるので、ポットなどに種まきをして室内で管理するのがおすすめです。
植え付け
含羞草はできるだけ日当たりと水はけの良い場所であることと、なるべく温かい場所が適しています。腐葉土を多めにいれて水はけの良い土壌を作るか、よく分からないようであれば市販の草花用の培養土を使うのがもっともわかりやすい方法です。含羞草の本葉が3~4枚になった5~6月が植え付けの適期です。根を傷めないように気をつけて植え付けをしましょう。1株ずつ、葉が広がるので株間は20~25cmと少し広めに取っておきます。
肥料・水やり
含羞草は肥料をあまり必要としません。生育期間の最初に液体肥料を1~2回施せば十分に育ちます。逆に肥料が多いと、葉ばかりが繁り、花付きが悪くなります。水やりは土の表面が乾いたらたっぷりと与えるようにします。
剪定・手入れなど
含羞草は、地植えでは冬越しができないため、特に剪定を必要としません。ただ、室内で育てる場合は枯れた花はこまめに取ると株の体力を消耗することなく育てることができます。また、室内で栽培し、冬越しもするような場合は枯れた枝があれば切り落とすようにしましょう。冬越しをした場合、含羞草は草丈が年々大きくなり、50cmほどにもなります。見た目が初めの印象とだいぶ変わることになるのも、冬越しをさせない理由の1つではあります。含羞草は丈夫な植物です。これといった病虫害もあまり心配はありませんので、必ず行わなければならない手入れはありません。ただハダニの被害にはあうこともあるので、その点は注意しましょう。ハダニは葉について、葉の汁を吸います。ハダニに吸われた部分からは葉緑素が抜け光合成が出来なくなるため、発育不良になります。葉緑素が抜けた部分は白い点になるのでわかりやすいでしょう。ハダニの被害を見つけたら、ハダニ専用の殺虫剤などを使用して対策をします。
開花時期・種の採取
含羞草の開花時期は7~10月です。開花時期になるとピンク色のボールのようなふわふわした花が咲きます。花が終わると種が出来るので、種の入ったサヤが茶色になったらサヤごと採取します。なお、サヤにはとげがありますので、採取する際には気をつけましょう。採取したサヤは日陰で乾燥させ、乾燥しきったら中の種を取り出し翌年に備えます。
含羞草がおじぎをする仕組み
含羞草の葉はとても敏感で何かが触れたり震動したり、気温や水分、その他でも少しの刺激で葉が閉じてしまいます。含羞草の葉の付け根には空気枕のような細胞があり、普段はそこに水分が入っています。しかし何らかの刺激を受けることで、細胞の中の水分が片方だけ抜けて縮みます。すると水分が抜けた方を内側にして葉が閉じてしまいます。抜けてしまった水分は時間と共に元に戻るので、また葉が開くという仕組みになっています。ただ元に戻るのは非常にゆっくりで、閉じる時のようには早くは開きません。含羞草がお辞儀をする理由については、実のところはまだ解明されていません。鳥や虫から身を守るため、とか風や雨で弱るのを避けるため、とか夏の暑さに耐えるため、とかいろいろな説があります。おそらく、含羞草が自分自身の身を守るための進化だろうと言われています。また、地震を予知する草とも言われていて、地震の前に葉を閉じるという例が報告されていますが、こちらも真偽は分かっていません。
含羞草の花言葉
含羞草の花言葉は「繊細な感情」「感受性」「感じやすい心」「敏感」「謙虚」などです。葉に軽く触れるだけで葉が閉じてしまう様子から、「敏感」や「感じやすい心」などの花言葉になったのは、想像するのにも難しくはないですよね。そしてお辞儀をする姿が「謙虚」という花言葉がついた理由になっているようです。こちらも納得の花言葉です。
含羞草の愛らしい花の栄養に!HB-101
含羞草は比較的肥料がなくても育つ植物です。それでも生育期間初期に液肥を1~2回与えることで、その後の花付きに影響します。肥料は与えすぎても花付きが悪くなりますので、少ない量で株が活性化するような肥料であることが大切です。そこで、HB-101をおすすめします。1000倍~10万倍に薄めたHB-101を生育期間の初期に2回程度、土にかけます。それだけで土壌が活性化し、開花時期の間、愛らしい花を、より多く楽しむことができる株へと強化することができるのです。
まとめ
今回は不思議な特徴を持つ含羞草についてご紹介しました。含羞草という名前からも、葉を閉じて少し恥じらっているような姿からも、また愛らしい丸いピンクの花からも、なんとなく愛おしいような気持ちがわいてくる植物だと思います。見かけによらず丈夫で育てやすいところもありますので、ぜひお庭に取り入れてみてはいかがでしょうか。