しっかり予防して備えよう!白絹病について解説

しっかり予防して備えよう!白絹病について解説

2022.12.27

どんな植物でもかかる可能性のある病気、白絹病をご存知でしょうか。絹糸のような白い菌糸が株の根元を覆い、やがて株を枯らしてしまう病気です。一度発生すると治癒ができない病気ですが、病原菌の特徴を知り、事前の準備をしっかりすることで予防ができる病気でもあります。この記事では、白絹病の原因と特徴、予防策について解説します。

白絹病とはどんな病気?

白絹病とはどんな病気?

白絹病は、どんな作物や樹木でもかかる可能性のある病気です。分かっているだけでも160種類以上の植物で白絹病の発生が確認されています。家庭菜園においては、梅雨から夏の終わりにかけて発生しやすく、発生してしまうと治すことはできないので注意が必要です。

白絹病の原因

白絹病の原因は、主に糸状菌とよばれるカビの一種を始め、スクレロチウムやロルフシなど、さまざまな病原菌によるものとされています。白絹病は梅雨の時期から夏の終わりまでの、高温多湿な状態で発生し、発生した後は、乾燥している状態になるほど感染力が強まります。

白絹病菌の特徴

白絹病は、マメ科やナス科の植物を栽培した後の畑や、酸性土壌で発生しやすいとされています。ネギ類の他、ナス、ウリ、マメ科の植物を中心に、さまざまな野菜・花・樹木で発生が報告されています。定植時にワラを投入したり、敷き藁をひいて栽培したりすることで、土壌の温度と湿度が高くなると発生しやすいとも言われます。最近では温暖化の影響で全体的な気温が上がったことや、酸性雨の影響で発生しやすい環境になっていると言えるでしょう。菌核が形成されると、雑草を含むさまざまな植物を媒体として感染していきます。畑を耕したり、雨が降ったりすることも拡散の原因となります。白絹病菌の菌核は土壌中で5~6年は生存し、過酷な環境にも耐えるので、一度発生した場所では何年も続けて発生するリスクが高くなるでしょう。一方で、中性からアルカリ性の土壌では、白絹病の発生はほとんど見られません。また、土壌の浅いところでしか菌が生きられないため、土壌の深いところや冠水しているような環境では発生しないことも特徴となっています。

白絹病の症状について

白絹病の症状について

白絹病の症状は、作物の根元付近とその周りの土壌に白い絹状の菌糸が発生するところから始まります。発生すると、植物は葉や茎や黄色くなり最後には株そのものが腐って枯れてしまいます。白絹病の原因菌はその後、銀白色から茶褐色の小さな球形をした菌核を作ります。菌核の状態になると、土に落下し、そのまま何年も生存し続けます。対策しないままにすると、そこから何年も白絹病が発生することになるのです。

ネギの白絹病

特に、頻繁に発生が報告される作物がネギです。ネギは定植時に根元にワラや堆肥などを施して、保温と保湿をすることが多い作物で、それが白絹病の発生に大きく関係しています。施したワラの乾燥が不十分な場合、覆土されて高温多湿な状態になったワラを媒体に白絹病が発生する確率が上がってしまうのです。

顆粒HB-101植物の土づくり・土壌改良に
顆粒HB-101植物の土づくり・土壌改良に

白絹病が発生したときの対応方法

白絹病が発生したときの対応方法

それでは、白絹病の症状を確認した時にはどのように対応したら良いのでしょうか。この章では、白絹病への対応方法を解説します。

発生すると治療はできない

白絹病は、残念ながら一度発生してしまうと治癒ができない病気です。発見してから除去をしても、薬剤を使用しても効くものはないので、栽培期間中は早期発見に努めることが唯一できることになります。

白絹病にかかった植物への対応

白絹病にかかった作物を発見したら、第一にすることは株ごと取り除くことです。取り除いた作物は焼却処分をし、他の作物への感染を防ぐことが重要です。また、白絹病が発生した作物の株だけでなく、周辺の土や敷き藁にも感染が拡がっている可能性がありますので、菌糸や菌核の発生をよく確認し、発見した場合は表土や敷き藁ごと除去しましょう。除去した土は消毒します。菌核になってしまうと乾燥状態での感染力が高まるため、逆に少し湿らせた土を黒マルチで覆って日当たりの良い場所におくと、高温消毒できます。また、菌が土壌と浅いところでしか生きられない特徴を利用して、土の深いところから掘り返す「天地返し」をおこなうことも、菌の繁殖を抑える方法です。

白絹病を予防するには?

白絹病を予防するには?

白絹病は発生してしまうと治癒ができないため、発生する前の予防策が大変重要となります。白絹病の特徴を利用した予防策には以下のようなものがあります。

・土壌を良く耕すことで消毒をおこない、連作は避ける
・発生した株や周辺の敷き藁、表面の土壌などは焼却して処分する
・植え付け時に苦土石灰を使用し、酸性土壌を治す
・作物を植える際は、無病土、無病苗を使用する
・栽培中は芽かきや間引きで風通しをよくする
・冠水して使う、稲作と輪作する

白絹病は、土の浅いところで生存する病原菌です。そのため、作物を植えるごとに無病土、無病苗を使用することはもちろんですが、土壌をよく耕し、表面の土を深いところの土に入れ替えることで予防をしていきましょう。また、耕す際に腐葉土を混ぜ込むと、ほどよく空気を含んだ水はけの良い土となり、白絹病の発生しやすい高温多湿の状況を回避できます。その上で、生ワラなどの未熟有機物を大量に土壌に投入することを避け、栽培中は芽かきや間引きなどをおこなうことで風通しをよくすると、白絹病発生の有効な予防策となるでしょう。また、病原菌が酸性土壌で発生しやすいことから、耕す際は苦土石灰で中性になるよう、pH調整することも重要です。また家庭菜園では難しい方法ですが、稲作との輪作も白絹病の予防には適した方法です。白絹病の菌核は、多湿な環境を好む一方で、20日以上冠水した状態がつづくと生存ができないという特徴があるからです。稲作への転換が難しい時や鉢やプランターの土壌を消毒したい場合は、20日以上冠水処理するだけでも効果があります。

白絹病に負けない!強い土壌作りに顆粒HB-101

顆粒HB-101植物の土づくり・土壌改良に
顆粒HB-101植物の土づくり・土壌改良に

白絹病の発生を抑えて植物を健康に育てるためには、健康で強い土壌作りが何よりも重要です。強い土壌を作るために、顆粒HB-101がおすすめです。顆粒HB-101は、作物の植え付ける前に苗穴にひとつまみ混ぜ込むだけの簡単な使い方で、強い土壌が完成します。顆粒HB-101は、杉・ヒノキ・松・オオバコから抽出した天然成分を特殊な方法でゼオライトに注入した土壌活性剤です。抽出した天然成分は植物の活性化を促し、緩効性のゼオライトは土壌改善の効果があります。使用することによって、有効微生物の繁殖を助け土壌のバランスを保つことで、白絹病に負けない、ほどよく空気を含んだ強い土壌を作ることにつながるのです。

まとめ

この記事では家庭菜園を始め、草花を栽培するときに注意が必要な白絹病について解説しました。どんな種類の植物にも感染の可能性があり、一度発生すると治癒ができない白絹病。発生と拡大を抑える重要なポイントは、作付け前の土壌作りと栽培中の風通しにあると言えます。何事も準備8割と言いますので、しっかりと土壌の準備をした上で栽培を始めるようにしましょう。この記事が、白絹病の予防に一役買うことができれば幸いです。

RELATION関連記事