ハーブと野菜を一緒に育てる!家庭菜園の害虫対策をご紹介
2020.08.04
家庭菜園で美味しい野菜を育てたい時に一番悩まされるのが害虫対策です。特に葉物野菜は葉が穴だらけにされてしまって、見た目も悪く、収穫しても食べるのも憚る始末ですね。殺虫剤などを使用しない無農薬で野菜を栽培したいということでしたら、コンパニオンプランツのハーブを用いて野菜と一緒に育てると、害虫対策に効果があることが実証されています。家庭菜園の様な小規模面積で野菜などの害虫対策には最良の方法のひとつです。
家庭菜園の害虫対策・コンパニオンプランツとは
家庭菜園で作物を作る際に最も気を使うことは、如何にして病害虫の発生を抑えられるかの害虫対策ですね。家庭菜園で作った野菜が害虫に食害されて、見る影もなくなってしまったなんて事があるでしょう。そして、害虫はその排出物によって病害も招いてしまいます。家庭菜園での害虫対策といっても農薬や殺虫剤などは使わないで、無農薬で野菜類を作りたいというのであれば、コンパニオンプランツを利用する害虫対策があるのです。
家庭菜園とコンパニオンプランツ
家庭菜園でコンパニオンプランツを利用しての害虫対策とは、野菜と一緒に相性の良い植物を一緒に植えることによって、お互いに良い影響を及ぼし合う植物のことをいいます。要するに、お互いの植物の植生による、土壌中の微生物やその植物の必要とする栄養分の違いによって、お互いにサポートしあって影響力を強め、病害虫の予防や活発な生育を促すことに繋がる害虫対策効果が得られるということです。ハーブは特に家庭菜園などでの害虫対策には有効性があるとされています。
家庭菜園でのコンパニオンプランツの使用方法
家庭菜園での害虫対策としてコンパニオンプランツの使用方法としては二通りの方法があります。ひとつは、「混植」といって、作る野菜と野菜の間に交互に違う植物を植えてゆく方法と、「間作」といって、1列になっている畝(うね)毎に違う植物を植える方法とがあります。また、バンカープランツといって、野菜に発生する害虫を捕食する天敵の虫を呼び寄せる植物を植える害虫対策の方法もあります。
家庭菜園の害虫対策・ハーブとは
一般に日本ではハーブと呼んでいますが、元々はラテン語で草を意味する“herba(ヘルバ)”が語源であって、これが変移して英語の“herb”になり日本でもそのままの言葉として使われているものです。古代エジプトやメソポタミヤではすでに薬用として栽培されていたという記録があります。
害虫対策のひとつとしても利用されていますが、元々は有用植物としてのハーブは薬用として利用されていて、芳香があるのでアロマテラピー(芳香療法)として鎮静作用があり、防臭、防腐、防虫効果が期待できるものが主にハーブと呼ばれました。
風味を楽しむ料理などの香味野菜やお茶として用いられたりもします。繁殖力が旺盛な植物としても特徴的で、家庭菜園での栽培もおおくされています。
家庭菜園の害虫対策・ハーブで害虫予防
特徴的な香りを放つことから防虫にも効果があるとされ、特に家庭菜園などで作物などを食害する害虫などを寄せ付けないようにと一緒に混植して、害虫対策のコンパニオンプランツとして利用されています。
家庭菜園などで植物などに発生する害虫は、多くの場合、柔らかい新芽の部分を食害したり、葉や茎から栄養分を吸汁して植物を弱らせてしまい、最悪枯らしてしまう厄介な代物です。
害虫が植物に取り付く時は、大抵の場合匂いによることが多いのです。そこで、家庭菜園などの害虫対策に役立つのが、強い香りを放つハーブです。家庭菜園などにコンパニオンプランツとして野菜と一緒に植え付けることによって、その匂いを嫌う害虫は寄り付かなくなり、近くで育てる野菜類も守られるという害虫対策になるのです。
家庭菜園の害虫対策・ハーブの種類と野菜との相性
家庭菜園などでハーブは害虫対策に役立つとされていますが、ハーブの個々の種類と育てたい野菜との相性については多種多様となっています。ここでは、家庭菜園の害虫対策に効果がありとされた組み合わせのみを特化して列挙してみます。また、育てる野菜とハーブがお互いの生育環境の違いによって、混植すると却ってどちらかが弱る可能性がある組み合わせも記しておきます。
ハーブ名 | 相性の良い 野菜 |
期待できる効果 | 避けたい野菜 |
カモミール | アブラナ科野菜、玉ねぎの生育促進。 [害虫対策]バンカープランツの役割。 テントウ虫などを呼び寄せ、アブラムシや蝶などの捕食効果があります。 |
ネギ類 | |
セージ | アブラナ科野菜、人参、豆類 | [害虫対策]昆虫が嫌がる香りがある。蝶などを寄せ付けない。 ・品種が多く、害虫の忌避効果のほかに防臭効果もあります。 |
キュウリ |
タイム | アブラナ科野菜(キャベツなど)、玉ネギ、ニンジン | [害虫対策]アオムシやハエなどを寄せ付けず、益虫を呼ぶ ・香りは昆虫類が苦手とする強い防腐性物質を含んでいるため、害虫防除に期待できます。 |
ベリー類 |
タンジー | マメ類、果樹など | [害虫対策]蝶類、テントウ虫、アリなどの防虫 | |
ディル | キャベツ、トウモロコシ、キュウリ | バンカープランツの役割。 ハナアブやクサカゲロウを呼び寄せてアブラムシなどを捕食させる。 |
セージ ニンジン |
チャィブ | トマト、レタス、ニンジン、バラ科の果樹類 | [害虫対策]病害を防ぎ、バラ科の果樹類につくアリマキの防除するほか、根からの分泌物により、土壌中の微生物を活発化させて土壌改良に役立つ。 | 豆類 |
バジル | トマト、バラ科の果樹類 | [害虫対策]アブラムシ、コナジラミ、小バエや蚊の防除 | |
イタリアンパセリ | トマト、アスパラガス、ニンジン | [害虫対策]生育促進、コガネムシの忌避効果 ・香味野菜として料理の付け合わせにも利用されます。 |
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ポリジ | トマト、キュウリ、イチゴ、果樹類 | [害虫対策]蛾の幼虫の防除、ミツ鉢など益虫を呼び寄せる。 特にイチゴの生育促進に効果。 |
アブラナ科野菜 |
マリーゴールド | トマト、豆類、芋類 | [害虫対策]葉から放つ独特の匂いによって多種の害虫防除に効果。 また、土中のセンチュウ防除にも効果。 |
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ミント | トマト、キャベツなどのアブラナ科野菜の生育促進。 [害虫対策]アブラムシ、毛虫、蝶類の忌避効果。 ・殺菌作用もあり、清涼感のある香りはリラックス効果もあります。 |
キュウリ | |
ラベンダー | アブラナ科野菜、イチゴ、バラ科の果樹類 | [害虫対策]芳香を放つことによる害虫の忌避効果。 バンカープランツとしてミツ蜂を呼び寄せ、果樹などの受粉を助ける。 |
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レモンバーム | トマト、果樹類 | [害虫対策] ・ミツ蜂など益虫を呼び寄せ、カメムシなどの防除 ・トマトの生育促進。 |
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ローズマリー | アブラナ科野菜、ニンジン、マメ類 | [害虫対策]蝶類やヨトウガ、アブラムシ、テントウムシ、小ハエの忌避効果。 ・防臭剤や医薬品にも利用されます。 |
キュウリ 玉ネギ |
家庭菜園の害虫対策・ハーブ混植の注意点
家庭菜園の害虫対策でコンパニオンプランツとしてハーブを利用する時は、ハーブや一緒に植え付ける野菜とは生育環境が違う場合がありますので、それぞれの特性を確認して扱う様にします。例えば野菜の中にはキュウリの様に頻繁に水やりをする必要性があるものもあります。逆にハーブのなかには多湿を嫌う種類(例:セージ、ローズマリー)があります。また、ディル、フェンネル、キャラウェイ、コリアンダーは同種のセリ科ですので混雑しやすいので、近くに植えない様にします。
バンカープランツとしての注意
家庭菜園などで利用されるコンパニオンプランツとしてのハーブのなかには、バンカープランツとして益虫を呼び寄せて受粉を助けたり、害虫を捕食してくれたりします。その様な場合には、害虫を見つけたからといってむやみに殺虫剤などの噴霧はしない事が大切です。何故ならば一緒に益虫まで駆除してしまう事になりかねません。家庭菜園でせっかく無農薬で育てている訳ですから、特に野菜類の収穫時は薬剤が付着した状態になるのは避けることが望ましいでしょう。
家庭菜園の害虫対策・まとめ
家庭菜園で野菜などを育てるには無農薬で美味しい野菜を収穫したいものです。その点、ハーブは強い香りを放つ利点から有効性のある防虫効果が期待できます。また、土中の微生物を活発化させて土壌の改良にも役立つ品種もあります。料理にも使えたり、病害虫を防げたり、植物の生長促進にも役立つことから、家庭菜園の害虫対策としては大変有効的に活用できる植物といえるでしょう。