家庭菜園にも季節の野菜を!家でも育てやすい夏野菜10選
2019.07.09
夏野菜は、小規模な畑やプランターなどを利用して、比較的簡単に家庭菜園で栽培することの出来るものが多いですね。また、実る楽しさも味わえます。夏野菜に含まれるビタミンやミネラルなどの豊富な栄養素も夏の暑さに疲れた身体を労わってくれる効果を期待できます。家庭菜園で作れる夏野菜の種類と作り方などをご紹介します。
家庭菜園とは
庭の僅かなスペースを利用して畑を作ったり、プランターやコンテナなどを使用して野菜などを作ることを一般に「家庭菜園」と呼ばれています。近頃では、休耕している畑を幾つかに区割りして「体験農園(貸農地)」と名付けて貸し出していたりする所が各地にありますので、家庭菜園を作ってみたくても場所の確保が難しいという方たちが余暇を利用して野菜作りを楽しんでいます。
家庭菜園で野菜などを作っている方は、幅広い年代に渡っていますが、一方現役をリタイアされた年配の方が趣味と実益、また、身体の健康維持のために「家庭菜園」を始めている方達も多くなっています。
何よりも、家庭菜園は自分で土を耕し、種蒔きや苗を植えたり、水やりや肥料などの管理をして立派に育った野菜を収穫できる喜びは大きなものです。もちろん、土作りから始まり、作物の種類によっては手間を掛けなければならないもの、病害虫の防除など苦労することもありますが、取立ての新鮮な野菜を食べられることは幸福感も味わえるので家庭菜園の醍醐味です。
家庭菜園を始める準備
家庭菜園を始めるには、どの様な場所で広さはどの位か、プランターやコンテナを使いたい時は、大きさや形態が野菜によって違いがありますから確認して用意する様にしましょう。道具類は、ホームセンターでガーデニング用グッズが一通り揃っていますので、分からなければ売り場担当の方に相談することです。
家庭菜園で一番大切なことは土壌作りです。プランターなどでは、園芸用培養土を利用すれば良いでしょう。種蒔きや苗を定植させる前に、庭や畑では、土をよく耕して堆肥(1㎡当り約2~2.5kg:植物性や動物性など市販されています)と緩効性配合肥料を土と良く混ぜ合わせて7~10日ほど寝かせておきましょう。アルカリ性の土壌を好む作物を作る場合は、カルミット(苦土石灰)を混ぜ込んでおきます。
家庭菜園で作る夏の野菜
暑い夏の季節の野菜は、家庭菜園でも容易に作りやすい作物があります。「成りもの野菜」と「葉もの野菜」に大きく別けられますが、種類も多いので、ここでは家庭菜園でも簡単に栽培できるポピュラーで代表的な夏の季節野菜をピックアップしてみました。
成りもの野菜
きゅうり
ウリ科キュウリ属
水分がほとんどで、栄養素としてはカリウムやビタミンC・Kなどが若干含まれる程度ですが、夏の食卓では漬物、酢の物、サラダに利用され、取立ての瑞々しさは格別です。家庭菜園では、手間の掛かる種蒔きよりも苗植えをおすすめします。苗は出来ればカボチャを台木とした接木苗が丈夫に育ちますのでおすすめです。
・定植したら、地温と病害予防のためにマルチングをしましょう。地這いよりも栽培面積が少なくて良いツル性をおすすめします。立ち上げで本数が少ない場合は3本の支柱を苗を囲む様にして上部で組む合掌式に立てます。複数の苗ではネットを張ることが良いでしょう。
・ツルは伸張するのが比較的早いので適宜支柱やネットなどに誘引します。
・子ヅルは5節位で摘み取り、その上に出ている子ヅルは本葉2枚の上部で摘心します。親ヅルは背丈位で芯止めします。
ナス
ナス科ナス属
ナスもキュウリと同様90%以上が水分ですが、紫色の皮には色素の「ナスニン」というポリフェノールが含まれ、身体の熱を下げる効果があるとされる「カリウム」も含まれている事から夏バテ予防に良い食材とされています。夏の暑さにも強く作りやすいので、家庭菜園で生育させる夏の野菜では人気の高い作物です。
・連作を嫌いますので、接木苗以外は3~4年同じ場所では作らない様にします。また、ナスは高温を好むので、地温が高まる4月下旬~5月が定植する適期です。畑の場合、株間50cmほどで定植しマルチングをして、支柱を立てます。
・定植したら化成配合肥料を株元から少し離れた場所の土と良く混ぜて施肥します。その後15~20日間隔で追肥します。
・一番花までの脇芽は摘み取り、一番花の頃に親枝と勢いの良い枝2本を残して3本立ちとします。夏頃になって枝が混みあってきたら、細い枝を切り取り、元気な枝のみ残します。
ピーマン
ナス科トウガラシ属
ピーマンは夏の暑さや病中害にも強く、秋まで収穫の出来る家庭菜園向きの育て安い夏の野菜です。カロテンやビタミンCを豊富に含んでいて、各種の料理法も多彩に利用できるメリットの広い野菜です。ピーマンの種類も色々ありますが、完熟すると赤や黄、紫、オレンジ色となるカラーピーマンは肉厚で甘みのある種で、最近の人気夏野菜です。
・地温の上がる4月末か5月が定植の適期です。保温と雑草除け、病害予防にマルチングを施し、仮支柱を立てておき完全に活着したら太めの本支柱を立てます。
・一番花の頃に主枝と勢いのある側枝を2本残して3本立てにします。
・肥料は定植してから20日ほど経てから施肥し、その後15~20日おきに追肥します。
・一番花の下に出る脇芽は摘み取っておきます。
・生長とともに斜め支柱を立てて、枝を誘引して折れるのを防ぎましょう。
シシトウ
ナス科ピーマンと同種
家庭菜園での定番夏野菜のひとつです。漢字名は獅子唐辛子(シシトウガラシ)で唐辛子の仲間ですが辛味がないのが特徴です。丈夫で作りやすく、油で炒めてビールのおつまみに、天ぷらに揚げて食べても美味しい家庭菜園向きの夏の野菜です。
・50cm程株間を空けて定植したら、仮支柱を立てておきます。完全に活着したら1.5m程の太めの支柱に替えて主枝と8の字型に結びます。夏の乾燥を防ぐために株元にマルチングをすると良いでしょう。
・ピーマンと同様一番花の下で勢いの良い枝2本を残し、他の脇芽は全て摘み取ります。
・追肥は花が付き始めてから月に2度化成配合肥料を施肥します。
トマト
ナス科トマト属
夏野菜のトマトは豊富な栄養素を含んでいて、夏の暑さや乾燥にも強い家庭菜園で多く栽培される夏の野菜です。定植から収穫まで50~60日ほど掛かりますので早く植え付けたいと思い勝ちですが、トマトは湿気と低温を嫌いますので、定植する適期は4月末から5月上旬頃が良いでしょう。栽培手順は、同じナス科のキュウリやナスとほぼ同じです。
・定植したら仮支柱を立ててマルチングをしておきましょう。完全に活着したら1.8~2mほどの太めの支柱を株元から少し離して立て、主枝が伸びてきたら8の字型に支柱に誘引します。
・主枝の本葉の元から出る脇芽は全て摘み取ります。花房が咲きだしたら主枝の頂点を摘心します。
・肥料は過度に施肥すると葉の勢いばかり強くなってしまいますから、実の色が付く前の2回ほど化成肥料を一握り程度施肥する位にしておきましょう。
オクラ
アオイ科アオイ属
夏野菜のオクラの実は五角形(八角や丸もある)の形で、独特の粘り気があるのはご存知ですね。これはペクチンという食物繊維で、整腸作用に効果があるとされています。他にもカルシウムやカリウム、鉄分、カロテン、各種ビタミンが含まれている健康食材です。ハイビスカスに似た花もきれいで鑑賞に値します。
・4月末~6月初旬頃に株間50cmほどに定植します。
・主枝が20cmほどに生長したら150~180cmの支柱を立て、ビニール被覆鉄線か麻ヒモで8の字型に結んでおきます。
・最初の実を収穫したら、その下の葉は自然に枯れ落ちる場合がありますが、付いていたら切り取っておきます。乾燥を嫌いますので適宜水を与える様にします。
インゲン
マメ科インゲンマメ属
メロンの仲間ですが、育て方としてはメロンよりは難しくありません。メロンほど甘さや香りはさほどありませんが、ウリ科独特の爽やかな風味があります。また、ミカンと同じビタミンCを含んでいることと、塩分を排泄する役割のあるカリウムを多く含んでいますので、高血圧症に効果があります。プランター栽培にも向いている夏の果物です。
インゲンは、温暖な気候であれば年に3回ほど作ることができる野菜です。4~7月の期間花を付けたら、次に収穫する種を蒔いておくと続けて収穫できます。インゲンにはツル有り種とツル無し種が有りますが、家庭菜園では手間の掛からないツル無しをおすすめします。インゲンにはカロテンやビタミン、カルシウムの栄養素を含み食物繊維も多くふくんでいる健康食品です。爽やかな緑色は料理に彩りを添え、応用範囲も広く便利に使える野菜です。
葉もの野菜
小松菜
アブラナ科アブラナ属
夏の葉もの野菜として家庭菜園でも作れます。ビタミン、カルシウム、鉄分が豊富の栄養野菜です。ホウレンソウほどアクが少なく食べやすいので、おひたし、和え物、味噌汁などに使用され、ちょっとした食卓の彩りを添える役目も果たします。長葉系、丸葉系の2種類がありますが、家庭菜園では暑さや寒さにも強い丸葉系をおすすめします。
・種を蒔く時期によって、5~11月頃まで収穫できます。
・5月から8月に陽射しの強い時期の種蒔きでは、暑さ除けの遮光ネットなどで日除けをします。
・プランター、畑でも約指1本程度の間隔で種を蒔き、5mmほど土を被せて水やりをしておきます。
・蛾や蝶の幼虫による食害がありますから、防虫ネットで蔽っておくと良いでしょう。
・3~5日程で発芽し、本葉が1~2枚になったら約3cmの間隔に間引きし、3~4枚になったら指3本(約5~6cm)の株間にします。
・追肥は化成配合肥料を間引き後に行います。株から5~6cmほど離した場所に施肥して土と混ぜ合わせておきます。
シュンギク
キク科キク属
独特な香りを放つシュンギクは、ナベ料理には欠かせない定番野菜です。食物繊維を多く含み、カルシウム、ビタミン、リン、鉄分などの栄養も豊富です。品種には小葉、中葉、大葉とありますが、流通過程では中葉が多い様です。近頃ではサラダでも食べられる品種も出回っています。冷涼な気候を好むのですが、比較的暑さにも強いのですが、高温ではトウ立ちしやすいので、品種を選ぶ時はトウ立ちしにくい種を選ぶと良いでしょう。
・葉もの野菜用のプランターや畑に、状間15cmの間隔を空けて溝に筋蒔きします。
・本葉が1~2枚時に3cm間隔に間引き、本葉4~5枚で5~6cmの間隔にします。収穫をしながら最終的に10~15cmになる様にします。
・乾燥を嫌いますので水やりに注意しましょう。
・追肥は間引きごとに行い、株元から少し離れた場所に土と良く混ぜて施肥します。
青ジソ
シソ科シソ属
青ジソは色々な料理の薬味として使用されています。独特な爽やかな香りが食欲をそそる役目をします。ビタミン類やミネラルなども多く含まれ、更に抗菌作用、抗酸化作用の他、防腐の効果があることが証明されていますので健康食品とも言えます。家庭菜園では、プランターや鉢でも生育させることができます。畑では四隅などに植えておくと重宝に摘み取って使えますので、夏の野菜におすすめです。
・育苗箱か葉もの用プランターに種をばら撒きして薄く土を被せて水やりをします。
・発芽して本葉が2~3枚になったら細い株を間引きします。発芽して2週ほど経た頃に葉が4枚になったら、もう一度間引きをし、その後主枝の茎が10cmほどに生長したら鉢か畑に定植します。
・20cmほどに草丈が伸びたら先端を摘心しておくと、脇枝が伸びて多く葉を収穫できます。
・追肥は月に2度程度化成配合肥料を与えます。
家庭菜園の注意点
気温の高い夏の家庭菜園で注意したい点は幾つかあります。まず第一は「水やり」です。夏の野菜には葉もの野菜の様に常に水を欲しがる植物があるのと正反対に、乾燥を好む野菜もあります。家庭菜園で野菜などを作る時は、それぞれの野菜の特性を良く確認しておく事が必要です。
次に夏は病害虫が発生しやすい時期でもありますので、防除対策をそれぞれの野菜の特性に応じて施す必要があります。防除方法のひとつとして、野菜用の浸透性殺虫剤を苗を定植した時に株元にばら撒いておくと良いでしょう。病害虫とも早期の発見が必須条件です。早めに手を打つことで被害が広がることを防げます。
夏に発生しやすい病害虫対策に!植物活力剤HB-101
夏に発生しやすい病害虫…しかし、浸透性殺虫剤を蒔くのも抵抗がある、という方は多いのではないでしょうか。私も、せっかく家で育てるのだから安全においしく育てたいと思い、長い間殺虫剤なしで奮闘していました。それでもやっぱり虫はついてしまう…。そんな時に出会ったのが、植物活力剤HB-101です。
HB-101は杉、ヒノキ、オオバコ、松などより抽出した、植物栽培のための天然植物活力液です。植物にとって欠かせない栄養素がすべて含まれているため、外敵からの防御など、自然において必要なことを与え直す働きがあります。化学物質を使用していないのでより自然に近く育てられ、害虫被害もだいぶ減りました。家庭菜園に手放せないものの一つです。
まとめ
夏の野菜は家庭菜園でも比較的生育が難しくなく栽培することができます。何といっても自分で畑を耕し、土壌作りをしてからから種蒔きや苗植をして、水を与えたり、肥料を施したり、雑草の除草など手間をかけて、作物が芽を出して生長し、収穫できる喜びは何事にも変えがたい感慨に浸れます。また、無農薬で安心安全の食材を作ることができることも嬉しいことです。夏の家庭菜園での野菜作りは自然の恵みを感じる楽しさを味わえますよ。