鮮やかな南天(ナンテン)の花言葉とは?縁起が良い理由も解説
2024.11.12
小さな赤い実を無数につける南天(ナンテン)は、「難を転ずる」の語呂合わせが名前の由来とされています。縁起物であり、冬になると緑の葉と赤い実のコントラストが美しい南天(ナンテン)は、多くの家の庭先や玄関先に植えられている様子を目にすることができます。 魔除けや厄除けの効果があるとされる南天(ナンテン)にも、他の花同様花言葉があります。春先に白く可憐な花をたくさん咲かせる南天(ナンテン)の花言葉には、どのようなものがあるのでしょうか? 今回は、日本人との縁が深い南天(ナンテン)の花言葉についてご紹介します。
縁起物とされる南天(ナンテン)
「災い転じて福となす」に通じることから、その名がつけられた南天(ナンテン)。神社や民家の軒先などに植えられていることが多いため、目にする機会も多い樹木の一種です。古くから中国や日本に自生し、江戸時代には南天(ナンテン)を庭に植えることで火災に遭わずに済むという逸話もあったそうです。
古い家では「南天手水」と言って、お手洗いの前に植えられていることも少なくありません。南天(ナンテン)の葉を枕の下に敷いて眠ると、悪夢を見ないという言い伝えもあるそうです。非常に丈夫で育てやすいため、定期的に剪定さえしていれば、特別なお世話をしなくてもぐんぐん成長します。
南天(ナンテン)の花言葉
お正月に欠かせない赤い実が特徴の南天(ナンテン)の花言葉は、「良い家庭」「福をなす」「私の愛は増すばかり」「機知に富む」です。白い可愛らしい花の開花時期は、6〜7月。12〜2月頃まで鮮やかな赤い実を結びます
生薬としても使われる南天(ナンテン)には、魔除けや厄除け、火災や盗難除けといった御利益があると信じられてきました。
南天(ナンテン)に怖い花言葉はある?
ポジティブな花言葉が多い南天(ナンテン)には、怖い花言葉はありません。神社仏閣に植えられていることも多く、また、正月飾りにも欠かせない縁起物であるため、お祝い事の贈り物としてもおすすめです。
生薬としての南天(ナンテン)の効果
お正月を彩るおせちや赤飯の上にあしらわれることもある南天(ナンテン)は、生薬としても活用されてきた歴史を持っています。南天(ナンテン)の実はもちろん、葉や樹皮、根にも薬用成分が含まれています。
南天(ナンテン)には大量摂取をすると痙攣や意識障害が起こる恐れがあるアルカロイドという毒素が全草に含まれてはいるものの、実には鎮咳効果があります。民間薬として、喘息や気管支炎などに役立てられてきました。
葉にはナンジニンという殺菌作用があるため、古くからおせちの上や赤飯の上に置かれてきたのです。生薬として活用されてきた一面も、南天(ナンテン)の花言葉の由来の一つと言えるでしょう。
南天(ナンテン)は表鬼門や裏鬼門に植えると吉
南天(ナンテン)は、古くから表鬼門と裏鬼門に植えることが良いとされてきました。表鬼門と裏鬼門に植えることで、邪気が家の中に入ってくることを防ぎ、外の福を運ぶ役割があると考えられてきたのです。一方で、表鬼門にはヒイラギを、裏鬼門には南天(ナンテン)を植えると良いという考えもあります。
表鬼門は北東、裏鬼門は南西を指します。外に植えたり、窓際に鉢植えを置いて育てたりすることもおすすめです。また、福がよりたくさん入ってくるように玄関に飾ったり、良い家庭になるように家族が集まりやすいリビングに飾ったりするのも良いでしょう。
南天(ナンテン)を切ると災いがあるって本当?剪定時期は?
非常に縁起が良く魔除けの効果もある南天(ナンテン)は、枝葉を切ると災いが起こるという言い伝えがあります。せっかく大きく成長した南天(ナンテン)を切ることに、抵抗がある人もいるでしょう。一方で、南天(ナンテン)は成長スピードが早いため、放っておくと枝葉が混み合って病害虫がつきやすくなる恐れがあります。
また、適切な時期に剪定をすることで南天(ナンテン)の樹全体に栄養が行き渡りやすくなり、美しい葉や実をつけやすくなるというメリットもあります。剪定時期は、南天(ナンテン)の実が落ちた2〜4月頃です。花の時期である5月頃に剪定することも可能である一方、誤って蕾や実が大きくなる枝を切ってしまう恐れがあるため、剪定初心者は2〜4月に南天(ナンテン)の剪定を行うことがおすすめです。
剪定は、園芸用手袋と剪定バサミ、必要に応じてノコギリなどを用意し、風通しの悪い根本の枝や弱々しい枝をどんどん切っていきしましょう。最後に樹形を見ながら全体を整えれば剪定終了です。
南天(ナンテン)・千両・万両との見分け方とは?
南天(ナンテン)とよく似た赤い実を、同じ時期につける植物が千両と万両です。南天(ナンテン)と同じく縁起物とされる千両と万両ですが、違いがわからないという人もいるのではないでしょうか?
よく似た見た目をしているものの、実はわかりやすい違いがあるのです。南天(ナンテン)、千両、万両には、それぞれどのような違いがあるのでしょうか?
南天 | 千両 | 万両 | |
種類 | メガ科ナンテン属 | センリョウ科センリョウ属 | サクラソウ科ヤブコウジ属 |
樹高 | 1〜3m | 70cm〜1m | 1m以上 |
実の特徴 | たくさんの実を垂れ下げる形でつける | 葉の上にまとまって実をつける。サイズはやや小さめ | 葉の下よりも低い位置に、比較的大きな実をつける |
葉の特徴 | ギザギザはなくスッと伸びている | 縁がギザギザして鋭い | 葉は波型のような柔らかさがある |
南天(ナンテン)とよく似ているものの、千両や万両は根本的に違う種類の植物になります。
実で判断がつかない場合は、樹高や葉の形、売られているスタイルを確認してみましょう。
南天(ナンテン)や千両は切花としても販売される一方で、万両は鉢植えで販売されていることが一般的です。
まとめ
南天(ナンテン)は、冬でも緑色の葉を茂らせるため、赤い身とのコントラストが非常に美しい植物です。花言葉もポジティブで、縁起の良さも魅力の一つと言えるでしょう。日本人にとってなじみ深く、庭や玄関周りなどに植えることで家族の繁栄や笑顔を増やすことが期待できます。
赤い実が鮮やかな冬はもちろん、白い花が咲く初夏にも南天(ナンテン)を楽しむことができるでしょう。友人や尊敬できる人など、大切な人への贈り物としてもおすすめです。