夏には要注意!美しく咲かせるためのバラの剪定方法
2019.09.10
バラは初夏に花を咲かせる一期咲きと、秋にも花を付ける四季咲きがあります。どちらも樹姿を整え、不用な枝などを取り払って、新しい良い芽を育てて、花の女王と言われる気高く美しい花を咲かせる方法の一つとして剪定を行うものです。特に夏の剪定はバラを元気にさせるために重要な作業となります。
バラの剪定・目的
花の女王とも例えられるバラは、育て方として手を掛けるほど、いつもきれいな花を咲かせて楽しませてくれます。剪定はバラを丈夫に育て株を大きくするために欠かせない大切な作業です。
バラの剪定作業の目的は、古くなった枝や枯れた枝などをそのままに放置すると、枝同士が絡み合って風通しが悪くなり病害虫の発生に繋がります。また、新しい花芽も付きづらくなってなってしまいますので、樹姿を整えることと、良い花芽をより多く付かせるための手入れはバラにとって必要です。
バラの剪定・夏と冬の違いは
バラの剪定を冬に行うのは、春に元気な美しい花を咲かせるために行います。バラの種類によって方法は異なりますが、剪定は基本的に初春の2月中旬~3月初旬頃に行い、残っている葉を全て取り除き、株の2分の1ほどを残して、前年に切り取った枝の上の部分で、外芽の上で切ります。そうする事によって枝数が増え、花の数も必然的に多くなっていきます。
冬の剪定に対して行う夏の剪定は、四季咲き種を主に行います。時期は9月初旬に行い、秋の開花に向けてきれいな花を咲かせる目的で行います。春から夏にかけて伸びて増えた枝や葉などを3分の2程度に切落として整枝します。また、咲き終わって萎れた花柄が残されたままだと、カビや病中害の発生の繋がりますので全て切り取っておきます。
バラの剪定・夏の剪定の方法
バラの夏剪定の基本は元気な株のみ行います。弱っている株は無理な剪定をすると却って弱らせ、最悪枯らしてしまうがあるからです。まず、原因を明らかにすることが先決となります。バラの夏剪定の手順は凡そ次ぎの通りに行います。
バラの夏剪定の時期としては、関東地方の気候を基準として、8月下旬から9月上旬が適期です。
一季咲き種
基本的には枯れ枝や葉を整理し、咲き終わった花がらだけを摘み取っておく程度で良いでしょう。但し、徒長した枝が多く風通しが悪い様でしたら、五枚葉を三つほどのこして切り取っても良いでしょう。
四季咲き種
①咲き終わって枝先についたままの花がらや枯葉、変色してしまっている葉は剪定前でも摘み取っておきます。そのままにするとカビなどの影響で病害の発生に繋がるからです。
②全ての花が咲き終わったら、株の高さが約3分の2程度になる様に剪定します。
③株の上方が円みを帯びた形になる様に枝を切り取り整枝します。
④枝を切る時は、五枚葉の葉元に新芽が発芽しますので、五枚葉の5~6mmほど上で切り口を斜めに新芽の方を高くして切ります。
⑤株の根元近くに出ているベーサル・シュート(根元付近から出る新枝:植木でいう”ひこばえ”)と弱々しい細い枝は元から切落とします。
バラの剪定・剪定の留意点
剪定とは、バラに限ったことではありません。植物の生育を助けることを目的として、風通しを良くして病害虫の発生を抑制するために混み合った枝や徒長した枝を整理したり樹姿を整えたりするものです。バラも同様に枯れた枝や弱った細い枝などを剪定することによって、新しい枝の数を増やして良い花をたくさん咲かせることです。
バラを剪定する際の留意する点を幾つか挙げてみましょう。
・病害予防のために、剪定する道具は良く洗い、アルコールなどで消毒した清潔なものを使用しましょう。
・バラを剪定する前に水やりを控えておきましょう。5日ほど前を目安とします。切り口に水分がのこっていると、バクテリアなどにより病害が発生しやすいからです。
・バラの剪定の基本は外芽の上で切ります。切り口は斜めになる様にします。上記と同様、切り口に雨などによる水分が留まることにより病害の原因となるからです。
・病害虫の葉(うどん粉病や斑点病、ハダニ)などを見つけたら、直ぐに切り取って廃棄し、消毒剤、殺虫殺菌剤を散布します。
バラの剪定・種類による方法
・ハイブリッド系及びフロリバンダ系の四季咲きのバラは、上記の記載の通りの剪定方法で行います。
・ツルバラは、枯枝や細く弱っている枝、短い枝を間引く要領で切り取り、太い親枝をフェンスやアーチ、オベリスクなどに縦横に広げる様に這わせながら、枝を丈夫な棕櫚縄(しゅろなわ)などで結びながら誘引していきます。
・ミニバラは、通常のバラの様な枝先の剪定などは必要ありませんが、枝が混み合っていると、株内の枝が弱って枯れてしまったり、病害虫の発生に繋がりますので、適宜株内の枝や枯葉などを取り除く様にすると良いでしょう。
剪定前にしておきたいお手入れって?肥料と活力剤で段違いの美しさ!
バラの剪定前にはしばらくお水を与えないことがコツですが、夏は暑さでただでさえお花が弱ってしまう季節。お水を与えず枯れてしまわないか不安ですよね。私の場合は、剪定前に顆粒HB-101と肥料を土にまぜ込んでいます。
顆粒HB-101は、杉やヒノキ、松などから抽出しエキスで植物の活性化を手伝う天然植物活力剤で、土にパラパラと蒔くだけで使えます。私はバラ1株に10%の顆粒HB-101と肥料を混ぜて使っていますが、これだけで剪定後に段違いの美しい花を咲かせてくれます。剪定後は同じシリーズの液体の植物活力剤、HB-101を1000倍に薄めて10日に1回あげるのもおすすめです。
まとめ
バラの冬の剪定は春に元気できれいな花を咲かせるために剪定を行いますが、夏の剪定は、株を整理して秋にも良い花を咲かせるための大事な作業です。大切なバラを元気に丈夫に生育させて大きな株に仕立てることにおいて、バラの剪定作業は大きな意味を持っています。不用な枝を取り除き、枯葉や花柄を摘み取る剪定をすることによって、元気で良い花芽をいっぱいつけて花を咲かせ、目を楽しませてくれるのです。