夏を彩る可憐な花、ツキミソウの魅力をご紹介!
2022.08.09
ツキミソウという名前を聞いて、どんな花を思い浮かべますか?黄色い花だとしたら、それはマツヨイグサです。ツキミソウと似ているけれど、本来のツキミソウとは違う種類の植物です。ツキミソウは、とても丈夫で育てやすく、初心者にもおすすめの植物です。この記事では、白い可憐な花が特徴的なツキミソウの魅力をご紹介します。
ツキミソウってどんな花?いつ、どこから入ってきたの?
ツキミソウはアカバナ科マツヨイグサ属の植物で、一年草、二年草、多年草と種類があります。原産地はメキシコと言われています。現在、ツキミソウと言うとマツヨイグサ、コマツマツヨイグサ、アレチマツヨイグサなどを含めた、花色が黄色の種類の総称ともなっています。ただし、植物学上でツキミソウといえば白から淡いピンクに変化する花を咲かせる品種です。ツキミソウの開花時期は6~9月で、夕暮れを待って花が咲き始めるのが特徴です。咲き始めは透明感のある白い花、徐々に淡いピンクへと変化し、朝になるとしぼんでしまいます。本来のツキミソウは園芸用として栽培は盛んでしたが、日本の気象風土になじめず、野生化はしませんでした。そしてそのまま、日本ではあまり見かけない品種となってしまいました。その中で現在は、ヒルザキツキミソウという園芸品種がガーデニングでは最もポピュラーになっています。こちらは名前の通り、昼頃に咲き始め、花色は白からピンクに変化します。草丈30~40cmの植物です。
ツキミソウの歴史
ツキミソウが日本にやってきたのは、幕末のことです。北アメリカ原産のマツヨイグサの近縁種で、夕方になると透明感のある白い花を咲かせます。朝になると淡いピンク色になってしぼんでしまう、という可憐で、はかなげな姿が当時の人々に大変人気となりました。そして、幕末には園芸品種として好んで栽培されましたが、前述の通り、日本の気象風土に合わなかったため、野生化することはありませんでした。そして原種に近い本来のツキミソウは、だんだんと日本ではみかけなくなっていきました。現在は、山野草を販売するお店などで、原種に近い苗や種を購入することができます。
ツキミソウの育て方。種まき時期や植え付けの注意点をご紹介
ツキミソウは日本の気象環境に合わず、野生化することはなかったとは言え、見た目の可憐さに反して丈夫で育てやすい植物です。栽培にもほとんど気を遣うことはありません。ポイントだけ押さえて、一度根付いてしまえばあとはこぼれ種で勝手に増えていくほどの強さがある植物ですので、初心者の方にもおすすめです。
種まき
種まきに適している時期は2~3月頃です。移植を嫌う植物なので、種から育てる方が栽培に適しています。日当たり、風通しの良い場所であれば、地植えでも鉢植えでもどちらでも育てることができます。日当たりの悪い場所では、花つきが悪くなり、ひょろひょろとした弱々しい姿になってしまいますので、日当たりは確保しましょう。土壌は水はけの良い環境を好みます。水はけがあまり良くない土壌に地植えする場合は腐葉土や堆肥を多めにすき込み、10~20cmぐらいの高さの畝を作って植え付けます。
植え付け
地植えやポット苗の植え付けをする場合、適した時期は、3月か9月頃です。根を傷めないようにだけ気をつけて植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、株間30cmぐらいにします。多年草タイプを植え付けている場合は、数年同じ状態でも問題はありません。株が大きく育ちすぎた場合、また鉢植えで根詰まりが見える場合などは、同じく3月か、9月頃に株分けをして植え直しをします。その際も、根を傷つけないよう、十分注意してください。植え付け時に元肥として緩効性の肥料をいれておけば、その後の追肥はほとんど必要ありません。肥料は与えすぎると茎や葉ばかりが大きく茂り、花付きが悪くなるので注意しましょう。植え付けた後は、たっぷりと水やりをしましょう。
水やり、手入れ
水やりは、他の多くの植物と同じように、表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。ツキミソウは乾燥を好む植物なので、水のやり過ぎには注意します。お手入れには、それほどの手間はかかりません。耐暑性は強いため、暑い季節は地植え、鉢植えともに、特に何もしなくても大丈夫です。一年草の場合、秋まで花を咲かせたら種をつけます。そのままにしておけば、こぼれ種で翌年また楽しむことができます。植え付ける場所など制約がある場合は、収穫して次の種まきの時期まで保管します。多年草を育てている場合、耐寒性はそこまで強くないため、凍結の心配がある地域では、敷き藁やバークチップなどでマルチングをして凍結を防ぎましょう。鉢植えの場合も、屋根の下など凍結を防げる場所で冬越しをします。
ツキミソウの見頃は?季語や誕生花から分かること。
ツキミソウは「月見草」や「待宵草」という言葉の響きに風情があり、幕末から明治時代の日本人の好みにとてもマッチしました。そして大正時代になると、盛んに俳句に詠まれるようになりました。
夏の季語としてのツキミソウ
ツキミソウの開花時期は6~9月ということで、夏の季語として使われます。
・夕暮に白妙ふるへ月見草/藤間綾子
白妙、とあることから、マツヨイグサではなく本来の白いツキミソウを詠んだ句と分かります。夏の日の夕暮れに、透け感のあるツキミソウの白い花が映え、印象に残る句です。
・唯一人船繋ぐ人や月見草/高浜虚子
ツキミソウが夕暮れに咲く花ということで、なんとなく哀愁が漂う句が多いのが特徴とも言えます。夕暮れ時の水辺にツキミソウが咲いている情景が目に浮かびます。
ツキミソウはいつの誕生花?
誕生花、というものをご存じでしょうか。生まれた月日にちなんだ花のことで、1年365日、様々な花が誕生花として割り当てられています。とはいえ、その根拠も様々で、起源や決定した人物などは、国や地域によって違います。だいたいは、その花の開花時期に近くなっているようです。そのため、誕生花を知ることでその花の見頃を知る手がかりになります。ちなみに、ツキミソウは6月19日、6月21日、8月30日の誕生花と言われています。開花時期が6~9月ということですので、誕生花の日あたりが、一番の見頃とも言えるかもしれません。
土作りに一度で簡単!顆粒HB-101
ツキミソウの土壌作りには、緩効性の元肥が適しています。前述したように、元肥をいれておけばその後の追肥はほとんど必要ありません。ツキミソウに最適な土作りをするには、顆粒HB-101がおすすめです。顆粒HB-101は、杉・桧・松・オオバコなどから抽出したエキスで植物の活性化を狙う天然植物活力液を、土壌改良に有効なゼオライトに特殊な製法で浸み込ませた活力剤で、有機栽培にも最適です。使い方は、植え付けをする際に苗を植えるために掘った穴の中にひとつまみ、HB-101を入れるだけです。そうすることで、多年草のツキミソウでも、数年にわたって可憐な花を咲かせ続けられる、栄養の豊富な土壌になります。
まとめ
今回は、ツキミソウの育て方や花の見頃についてご紹介しました。見た目の可憐さとうらはらに丈夫で育てやすい植物だということも分かりました。白い花を咲かせる品種を選べば、いにしえの哀愁を感じることもできるかもしれません。一度根付いてしまえば、こぼれ種で毎年花を咲かせることもできます。夏を彩る可憐な花を、夏の楽しみにしてみませんか。