1日でも長持ちさせたい!観葉植物の育て方4つのポイント・よくあるトラブル対処法

2019.01.22

観葉植物の多くは緑を鑑賞するものですから、少々のトラブルが生じても気がつきにくいものです。植物は生き物ですから、管理がしやすい観葉植物でも手入れを怠ると元気がなくなり、しまいには枯らしてしまう事にもなりかねません。上手に育てるにはいくつかのポイントがあります。また、トラブルにはどの様に対処したら良いかをまとめてみました。

観葉植物とは

ストレリチアレギネ(日本名:極楽鳥花)やアンセリュームの様に花を咲かせるものもありますが、大抵の場合”葉”を鑑賞する植物を指し、観葉植物と言われているものは、葉の他に幹や茎、色など形状が変化に富んだ樹姿を鉢植えにして鑑賞するものを「観葉植物」と呼んでいます。また、一般的には室内など日光が直接当らない場所でも生育するものを耐陰性があるといい、観葉植物にはこの耐陰性のある植物が多いのです。
種類が多く、原産地が熱帯や亜熱帯の常緑種ですので耐寒性がないために室内で育成されているのが基本的な観葉植物の定義づけとされています。現在では品種改良が進み多種に渡って観葉植物として流通し、お部屋のインテリアとして欠かせない存在となっています。

観葉植物の育て方ポイント①環境

観葉植物を置く場所

植物の生育には光合成を行うことが条件として挙げられます。ですので直接日光は当らなくても明るい場所に観葉植物を置くことが良いのです。窓際に置くのがベストですが、葉の表面が明るい方に向いてしまいますので、周期的に向きを変えて下さい。
但し、真夏の直射日光に当てると葉焼けを起して株全体が弱ってしまいますので注意が必要です。また、エアコンの風が直接当る場所も避ける様にして下さい。

玄関や廊下、寝室などに置いてある観葉植物は、いくら耐陰性があるといっても照明の明るさだけでは元気に生育できません。時々は一定の期間窓際など明るい場所に移してあげると良いでしょう。

少々の明るさがあれば大丈夫な耐陰性が強い観葉植物には、ポトス、ホヤ、アイビーなどがあります。また、多湿にも強く同じく耐陰性があるものには、アジアンタムやツディ、プテリスメイなどのシダ類があります。但し、置きっぱなしはNGで、時々は明るく風通しの良い場所に置き、霧吹きなどでたっぷりと葉水をかけてあげて下さい。

温度管理

観葉植物は種類にもよりますが、原産地が亜熱帯ということで日本の冬の寒さには対応が難しいのです。一般的に15℃以上であれば元気さを保ちますが、10℃以下では元気さを失います。ですので置く場所としては10℃を下回らない部屋がベストです。また、昼間と夜の温度差があり過ぎるのも植物にはストレスとなります。昼間は日光が指す窓際では夜は急激に温度が下がりますので、窓には必ずカーテンを閉める様にしましょう。小さめの観葉植物ならば、ダンボールを被せてバスタオルか毛布などをその上から掛けても保温の効果があります。

観葉植物の育て方ポイント②水遣り

観葉植物に水を与えることは、管理をする上で一番重要で難しいものです。観葉植物の種類によって水やりの方法も違います。ただむやみに水を与えるだけではない事を知って下さい。

水やりの方法と量

観葉植物は大抵の場合室内に置きますから、室温も高く乾燥気味になり鉢の用土の乾きも早くなります。まず、鉢土を見るだけでなく、指で触ってみて湿り気がない様でしたら鉢底から水が出るまでタップリ与えて下さい。その際鉢皿に溜まった水はそのままにしないで必ず捨てる様にしましょう。鉢皿に水が溜まっていると、根腐れや害虫発生の原因になるからです。天気の良い日には、たまに戸外に出して植物全体に水を掛けて上げると良いですね。葉などのホコリなども洗い流せて、木が活性化します。

水やりのタイミング

観葉植物には水をやりさえすれば良いのだろう、という考えは論外です。毎日コップ1杯ずつ水をやるなんて行為はNGです。いつもじめじめとした湿気のある状態になり、根腐れ(※ 土からの栄養分や水分などを吸収する役目をする根毛が腐る現象)を起こし病気の発生に繋がります。

葉水の必要性

室内にある観葉植物には葉水が必要です。葉が熱くなりすぎると光合成が出来なくなります。その為に葉は蒸散作用を行います(※ 葉の裏側の気孔から水を蒸発させる機能)。霧吹きなどで葉の裏表や茎などに万遍なく水を吹きかけて下さい。蒸散作用も活発化させ、葉に汚れなども付きにくくなりますし、活き活きとした樹姿になり、病害虫の防除にも役立ちます。特にアジアンタムやプテリスの様なシダ類には毎日の様に霧吹きをすると良いでしょう。

水やりの時間帯は

まず、注意点として、真夏の高温時に戸外での水やりは控えましょう。葉や茎などから急激に水分が蒸発してしまい、葉が焦げる、いわゆる葉焼けの現象を引起し最悪枯れてしまう事になりかねません。(※ 通常花壇などの水やりも同様です。)普通は水やりの間隔を把握しておいて、出来れば同じ時間帯を決めてあげると良いでしょう。人間の食事と同じで、決められた間隔で水を与えれば植物に余計なストレスを与えることなく元気な姿を維持できます。

観葉植物の育て方ポイント③肥料

肥料は水やりと同様植物には欠かせないものです。植物には成長を促し、活力を与える為に肥料を与えます。葉の艶を良くし、茎や幹を肥らせ、根をしっかりと張らせる効果があるものです。ですが、やり方を間違えると枯らす原因にもなりますので、方法などを良く理解することが大切です。

観葉植物に向く肥料

観葉植物は大抵の場合室内に置くものですから、有機質肥料は臭いを発散させますので部屋に臭気が漂ってしまいます。肥料の原則的三要素(チッソ:N、リン酸:P、カリ:K)を含んだ無機質の科学肥料が向いています。元肥としておすすめするのは緩効性肥料の固形タイプのものが良いでしょう。これは効果が長続きし、肥料障害も少なくてすみ手間も掛かりません。ハイポネックスの様な液肥は1~2週間継続して与えなければなりませんから手間が掛かります。但し、ミニ観葉とかシダ類の鉢には液体肥料の方が良い場合があります。

顆粒HB-101植物の土づくり・土壌改良に
顆粒HB-101植物の土づくり・土壌改良に

施肥する時期と間隔

暖効性肥料の場合は、成長期の4月~10月に掛けて1~2ヶ月に一度施肥して下さい。説明書を良く読み、鉢の大きさに合わせた量を上げる様にしましょう。過度に上げすぎると肥料障害を起こしますので注意して下さい。液肥の場合は固形肥料の様に粕が残りませんと同時に即効性があります。通常はそのまま使用できるものも有りますが、原液を希釈して水やりと同時に行い、成長期に1~2週間の間隔で施します。

施肥する時の注意点

肥料は正しく容量と間隔を守って与えていれば問題ありません。良くある勘違いが原因を良く確かめずに、観葉植物が弱り気味だから肥料をやれば元気を取り戻すと思い込んで与えてしまうケースです。環境の悪さや水やりの不足、根腐れ、病害の可能性がりますから、良く確認して対応する様にしましょう。また、複数の科学肥料を混ぜ合わせて使用すると科学反応を起してしまい危険性がありますから、絶対にしてはいけない行為です。

観葉植物の育て方ポイント④植替え


観葉植物は定期的に植替えましょう。通常は1~2年程で植替えをします。植物は成長していますから、鉢の大きさに合わなくなってきた、根が鉢いっぱいになって根腐れの心配もある、という事が植替えの必要性です。

植替えの時期

植替えは成長期であればいつでも行えますが、通常は春4月中旬から5月、秋では9月下旬から10月上旬頃が適期です。真夏と休眠期の冬の植替えは避けましょう。

植替えの方法

植え替える鉢は一回り大きい鉢に変えます。観葉植物を鉢から抜き、全部の土を落とさずに指先やヘラなどを使用して根をなるべくそぎ落とさない様にして取り除きます。用土は市販の培養土を使用しても良いのですが、目が細かすぎると水捌けが悪くなり根腐れの原因になりますから、赤玉土の小粒と5:5くらいに混ぜ合わせると良いでしょう。鉢底には大粒の赤玉土か軽石を敷き詰めます。その上に用土を薄めに入れて植え替える株を入れて、手で支えながら用土を入れていきます。鉢の縁までは入れないで2~3cmほど余します。後はヘラか棒で株の周りの用土を突いて根の周りに用土が隙間無く行き渡る様にしながら、きっちりと鉢に株が治まるまで用土を足してゆきます。

植替え後

植替えが終了したら、タップリと水を与えて風通しの良い戸外の半日影の場所に2週間ほど置き、用土が乾いたら水を与えます。植替え直後の施肥をしてはいけません。やはり根が落着く2週間ほど経てから与える様にして、後に室内に戻します。

観葉植物でよくあるトラブル・対処法

観葉植物を適切に管理しているつもりでも、何故か元気がなくなったり葉に異常が発生したりすることが良く起こります。そんな場合は必ず原因があるものです。

葉が弱り、変色したり葉先が枯れてくる

主に水切れが原因と考えられますが、根詰まりを起している事もあります。水やりをしても改善しない様でしたら鉢の植替えをした方が良いでしょう。また、肥料を与え過ぎると栄養過多になり同様な症状になりますので、肥料は適切な量と間隔を守って与える様にしましょう。

葉に白っぽい斑点が見られる

特に梅雨時に発生するアブラムシやハダニによる害虫の害が考えられます。葉の裏などに付いたりしますので発見が遅れ被害がでます。被害が大きくならない前に殺虫剤の散布をし、葉水を欠かさず行うと予防ができます。

葉が散れる

フィカス・ベンジャミンの葉がパラパラと落ちてしまうのは、水切れと乾燥による事が多いので、適切な水やりと葉の乾燥を防ぎために、エアコンの風が直接当らない場所に置き、霧吹きで葉水を絶えず与える様にします。また、日光不足も考えられますので、窓際の明るい場所に置く様にします。

葉が黒ずむ

ゴムの木の葉に斑点が出来たり黒ずんでくる原因は、暖房の熱気やエアコンの温風が直接当ることが考えられます。また窓際での西日が直接当って起こることもあります。場所を移動させてあげるのが良いでしょう。

まとめ

観葉植物を活き活きと育てるには、ご紹介したポイントを上手に掴み、それぞれの特徴を良く知ることが大切です。観葉植物とひとくくりにしていますが、原産地やその地域の環境によってそれぞれが生育の条件が違うものですから、購入する時にはその植物の特徴などを良く調べて育て方のポイントを知っておくことが必要です。

顆粒HB-101植物の土づくり・土壌改良に
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