春には花を秋には紅葉を楽しめるドウダンツツジの育て方
2023.09.05
ドウダンツツジは春に白い小さな花をたくさん咲かせ、その花の形はスズランにも似ていてとてもかわいらしい形をしています。緑の葉をバックに咲く姿はとても綺麗で目を引きます。春には木が白く染まり、夏には緑の葉で染まり、秋には赤く染まり、冬には葉を落とし、季節によって様々な姿で楽しませてくれるドウダンツツジは庭木の一つで日本に生息している育てやすい品種です。そんなドウダンツツジの育て方や剪定の仕方などをご紹介します。
ドウダンツツジの基本情報や花言葉
ドウダンツツジの基本情報・特徴
ドウダンツツジはツツジ科ドウダンツツジ属に属する日本が原産国の落葉樹です。国内の自生地としては本州の西側から四国・九州までとなり、温暖な岩山などで自生していて、自生しているドウダンツツジは本種ヒロハドウダンツツジと呼ばれているようです。ドウダンツツジは庭木や生け垣としてや鉢植えとしても育てやすく、成長すると2メートル程になります。春に咲かせる花は白ですが、ドウダンツツジ属にはドウダンツツジの他に約12種類あり、その中にはピンクなどの種類もあります。ドウダンツツジの耐寒性は強く耐暑性にも強い為、育てやすい品種となっていますが乾燥が苦手です。開花期は4月中旬から5月の上旬ごろとなり、分岐した枝先に白い小さな花を花序に1~5個付けてぶら下がるような形で咲かせます。秋には紅葉し、冬には葉を落とします。
ドウダンツツジの花言葉
ドウダンツツジの花言葉は『上品』『節制』などがあります。白い小さな花から連想される『上品』がつけられ、つつましい小さな花が控えめなイメージを与える事から『節制』が付けられたようです。
ドウダンツツジの育て方などについて
植え付け時期
ドウダンツツジの植え付け時期は新芽が出始める前の3月から4月頃と、葉が落ちた落葉期が適切とされていますが、厳寒期は避けるようにして下さい。
適した土について
ドウダンツツジは酸性の土壌を好み乾燥を嫌うので、保湿性のある土を用意してあげて下さい。園芸店などで購入できる樹木用の培養土などを使用すると便利です。その他の培養土の場合は赤玉(小粒)を混ぜて保湿性を高めるようにしましょう。用土を自作する場合は赤玉(小粒)5・ピートモス3・腐葉土2の割りあいで混ぜて使用します。地植えの場合、日本の土壌なら心配なく植え付ける事が出来ますが、腐葉土や堆肥などを3割ほどの割合で混ぜ込むと有機質がプラスされより適した用土になります。
肥料について
地植え鉢植えとも、肥料を与える時期は芽吹く前の休眠期にあたる2月から3月頃と花が咲き終わった花後になります。緩効性化成肥料を使用します。チッ素、リン酸、カリが同じぐらいの割合で入っている物を与えてください。有機質肥料の固形の油かすなどを与えてもいいでしょう。
植え付け方
ドウダンツツジは根を浅く広く張る為浅めに植えますが、根が地表に出ないように気を付けて下さい。地植えの場合、根鉢の三分の一程度の土を落として根鉢よりも一回り大きな穴に、根を広げるようにして植え付けます。鉢植えの場合も地植え同様、根鉢の土を落としたら根鉢よりも一回りから二回り大きな鉢に植え付けて下さい。浅植えの為、株がぐらつくようなら根付くまで倒れないように支柱を立てましょう。植え付け後は水をたっぷり与えます。園芸店などで良く見かけるHB-101は天然成分100%でどんな植物にも使えて、植物の免疫活性や防虫効果も期待できるので、植え付け時に顆粒タイプのHB-101を用土に混ぜ込むと、根張が良くなり丈夫に育つ手助けになりおすすめです。
植え付け場所・置き場所
ドウダンツツジは日当たりの良い場所を好みます。日照不足になると花つきが悪くなったり、秋の紅葉時期に色が上手く入らなくなったりするので気を付けて下さい。鉢植えの場合、夏の間は西日が当たらない場所に移動してあげて下さい。
水やりについて
地植えの場合は水やりの心配があまりありませんが、雨があまり降らないなど乾燥した日が続くようなら水やりをして下さい。鉢植えの場合は表面の土が乾いたら水やりをして下さい。夏場など日中の日差しが強く気温が上がる時の水やりは避けて、早朝か夕方の時間にやるようにしましょう。初夏から夏頃に翌年の花芽が作られます。この頃に水切れを起こすと翌年の花に影響が出る事があります。ドウダンツツジは根を浅く、地表近くに根を張ります。その為乾燥しやすいので適度な水やりを忘れないようにして下さい。
ドウダンツツジの花の管理などについて
花の管理・剪定
ドウダンツツジの花の管理(花がら摘みなど)は基本必要ありませんが、樹形を整える為には剪定が必要になってきます。剪定の時期としては花後すぐの5月中旬頃から6月中旬頃までです。ドウダンツツジの花芽は夏ごろに出来るので、この時期を過ぎて剪定してしまうと花芽を切る事になり翌年の花数が減ってしまいます。翌年、花を楽しむのであれば時期は必ず守る事をお勧めします。自然の形で育てたい場合は特に剪定の必要はありませんが、込み合っている枝や古い枝などを切り落として風通しを良くしてあげましょう。夏以降に伸びた枝を剪定する場合は、11月中旬から12月頃に剪定をする事が出来ます
植え替え時期について
ドウダンツツジの植え替えは植え付け時期同様、新芽が出始める前の3月から4月頃と、葉が落ちた落葉期(厳寒期は避ける)に植え替える事が出来ます。ドウダンツツジ根を浅く広く張る性質があるので、鉢植えで育てている場合は根詰まりしないよう、植え付けてから2年ごとに植え替えてリフレッシュさせてあげて下さい。
ドウダンツツジの増やし方
ドウダンツツジの増やし方は挿し木で増やすのが一般的です。春以降に伸びた枝を6月か7月頃に切り取ります。2~3節の長さに切ってから下の葉を取り除きます。その枝を水につけてから鹿沼土(小粒)や挿し木用の土を湿らせてそこに挿してください。根が出たらそのまま育てて翌年の春に植え付けて下さい。
ドウダンツツジの病害虫について
ドウダンツツジは病気の心配があまりありませんが、乾燥する時期にハダニが発生する事があります。予防としては葉に水やりの時に水が葉にもかかるようにすると数が減ったり、予防したりする事が出来ます。その他にはカイガラムシが発生する事があるので、幼虫の時には薬剤を散布し、成虫の時にはブラシなどでこそぎ落とします。
まとめ
日本に自生するドウダンツツジの育て方をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。ツツジといってもちょっと変わった形の花がとてもかわいくて満開の時期には見とれてしまいます。そして紅葉時期の鮮やかな色が本当に素敵です。お庭に植えても鉢植えとしても四季折々に楽しませてくれる事は間違いなしです。植え付けてから花後に剪定、乾燥させないように適度な水やりを心がければ育て方はさほど難しくないドウダンツツジを、この機会にお家の植物に仲間入りさせてみてくださいね。