可憐な花を咲かせ古くから愛されてきた「都忘れ」の育て方
2023.08.15
都忘れは江戸時代から品種改良などをされて愛されてきたキク科の植物です。濃い紫の花が一般的ですが、薄い紫や白やピンクなども園芸店などで見かけます。一度植えて環境を整えてお世話をすれば毎年花を咲かせてくれます。園芸店や園芸コーナーでも苗が売られているのをよく見かけたり、切り花としても売られていたりするのでとても身近な植物です。寄せ植えにしても可愛くて色々な場面で活躍してくれる都忘れの育て方をご紹介します
都忘れの基本情報など
都忘れの基本・特徴について
都忘れはキク科に属する多年草で、園芸分類では草花となっています。別名「ミヤマヨナメ」「ノシュンギク」とも呼ばれています。原産は東南アジアです日本では江戸時代ごろから品種改良をされてきました。草丈は20センチから40センチぐらいで、大きく育つものは70センチ近くになる事もあります。耐寒性は強く耐暑性はやや弱い性質となります。屋外の明るい水はけの良い環境を好み、開花期は4月から6月頃で花の色は紫を中心に白やピンクや青などもあります。
都忘れの花言葉
都忘れの花言葉には「別れ」や「しばしの憩い」などがあります。
都忘れの名前の由来となる、故郷を離れ思いをはせると言う意味合いから来ているようです。
都忘れの育て方などについて
植え付け時期
都忘れの苗を購入して植え付ける時期は5月から6月頃と9月から10月頃が適期となります。暑い時期が苦手なので、秋と春にも花を楽しみたい時は9月から10月に植え付けると育てやすい環境で育てる事が出来ます。
適した土について
都忘れは水はけの良い土を好みます。園芸店などで売られている草花用の土を購入すると便利ですが、鹿沼土や腐葉土を1割から2割ほど混ぜ込むと更に水はけが良い土になります。自作する場合は中粒の赤玉5:腐葉土3:ピートモス2の割合で混ぜ合わせた土を使うと都忘れに合った用土で植え付ける事が出来ます。地植えの場合は腐葉土を多めに混ぜてあげて下さい。
肥料について
都忘れの植え付け時に緩効性化成肥料を土に混ぜてから植え付けて下さい。追肥として5月から6月と9月から10月に1回づつ、根元の土にちょっと混ぜて与えます。液体肥料でも大丈夫ですが、2週間前後の間隔で与えるようにしましょう。園芸コーナーなどで見かけるHB-101は化成肥料などとは違い、天然成分100%で作られている植物の活力剤です。顆粒タイプを用土に混ぜると土壌改良に役立ち、液体タイプを水で1000倍ほどに薄めて水やりをかねて与えると、根張りが良くなり成長を助け、害虫への効果も期待できるのでおすすめです。
植え付け方・植え替え方
都忘れを購入した苗を植え付ける場合は、地植えの場合ポットからそっと取り出し、枯れていたり痛んだりしている根を取り除いて根を少しほぐしてから一回り大きな穴に植え付けます。鉢植えの場合はポットよりひとまわりからふたまわり大きな鉢に植え付けるようにしましょう。
植え付け場所・置き場所
都忘れは日当たりを好みますが夏の暑さが苦手なので、鉢植えの場合は半日陰に移動してあげて下さい。地植えの場合は日避けを作るなどして暑さをしのげるようにしてあげて下さい。100円ショップなどで売っている日よけシートなどを使うと手軽に作る事が出来ておすすめです。冬の寒さに当てると花芽の生育に繋がる為、霜の当たらない屋外で管理するようにしましょう。
水やりについて
都忘れを鉢植えにした場合は土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげるようにして下さい。地植えの場合は水やりの心配はあまりありませんが、雨があまり降らなかったり乾燥したりした日が続く時には水やりをしてください。夏場の日中は気温が上がり地面の温度も上がります。その時間に水やりをすると水が温まり植物の根を痛めてしまうので、朝夕の気温が下がっている時間帯に水を与えるようにして下さい。冬場の水やりも忘れずにして下さい。
都忘れの花の管理・植え替えなど
都忘れの花の管理・剪定
都忘れの花が咲いたら花がらを茎の根元から切り取ってください。咲き終わった花をそのままにしておくと、病気の原因になるのでなるべく切り取るようにしましょう。咲いてすぐの花を切って切り花として楽しむのもお勧めです。3月から4月頃に伸びてきた茎の先端を摘み取ると脇芽が出て花芽を増やす事が出来ます。株が茂ってきたら風通しが良くなるように剪定をしてあげて下さい。暑い夏場を上手に乗り越える為に、花後の夏に入る前に地際で刈り込んで日陰で管理するようにしましょう。
植え替え時期について
都忘れは根の成長が速いのでそのままにしておくと鉢の中で根が詰まってしまうので、都忘れを鉢植えで育てている場合は、毎年5月から6月と9月から10月頃に根鉢よりひとまわり大きな鉢に植え替えるようにしましょう。地植えの場合は、数年に一度株分けを兼ねて植え替えてあげると、また元気に育ってくれます。
都忘れの増やし方
植え替え時に株分けをして増やす事が出来ます。時期は5月から6月と9月から10月です。掘り上げた株の根の土をそっと落とします。芽が均等に行き渡るようにハサミやナイフで切り分けて植え付けます。挿し木で増やす場合は、元気な茎の先端を2~3節で切り取ります。下の葉を取り除いたら一晩切り口を下にして水につけてから赤玉土に挿して、水を切らさないように日陰で管理すると一か月ほどで根が出てきます。
都忘れの病害虫について
病気について
都忘れはうどんこ病にかかる事があります。多湿で風通しが悪い環境でなりやすいので、予防としては風通しを良くする事をお勧めします。都忘れの葉に白い粉状の物を見つけたらその部分を切り取り、薬剤などを撒いて処置してください。その他、白絹病にかかる事があります。白絹病にかかると地面などに綿のような白い物が見られるようになります。放っておくと株が駄目になってしまう事があるので、見つけたらその部分を処分するようにして下さい。
害虫について
暖かくなってくると出てくるアブラムシが都忘れの新芽などにもよく発生します。見つけたら薬剤をかけるなどして対処して下さい。また、ナメクジの被害による食害も出る事があります。ナメクジは夜行性なので夜間に見回って駆除するか、ナメクジの大好きなビールを使っておびき寄せる方法もあります。やり方としては、ペットボトルや紙コップを5センチから10センチくらいの高さに切ってその中にビールと塩を入れて、夜に株のそばに置いておくだけです。仕掛けを紙コップでつくると可燃ごみで捨てられるのでお勧めです。
まとめ
都忘れの育て方をご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。ぱっと開いた花弁がかわいい姿の都忘れは紫やピンクや白などがあります。都忘れを寄せ植えにすると控えめに咲く花が主張しすぎず、どんな花とも相性良く植える事が出来ます。夏場の暑さを避け、冬場も水やりをして管理をすると毎年花を咲かせてくれます。比較的丈夫なのでこの機会に都忘れを育ててみてはいかがでしょうか。