早春にほのかな香りをまといながら咲く花梅の育て方

早春にほのかな香りをまといながら咲く花梅の育て方

2023.05.02

年が明けてしばらくすると外を歩いている時に、ふっとほのかないい香りが漂ってきて周りを見渡す事があります。すると梅の花が咲いていて、そろそろ春だなと実感します。白やピンクなどの花で香りだけでなく目でも楽しませてくれる梅の花。そんな一足早い春の訪れを感じさせてくれる花梅の特徴や育て方などをご紹介します。

花梅の基本情報

花梅の基本情報

梅花の特徴

花梅とは実梅と開花時期や植え付けなど栽培の管理はほぼ同じですが、違う位置づけとなります。食用として栽培される実梅との違いは、花梅は花を観賞する目的で栽培されるものを言います。花や香りを楽しんだり、好みの樹形に育ててみたりと剪定方法などの栽培方法が異なってきます。実も成りますが食用には向いてないとされ、果実も観賞用として楽しむ方がよさそうです。
花梅はバラ科になり地植えにすると樹木の高さは10メートルになる事もあります。耐寒性・耐暑性は強いとされていて、花の色は白と紅色に分かれていますが色々な紅色やしだれて咲く樹形など様々な形で楽しませてくれます。

花梅(梅)の歴史

渡来時期は不明とされていますが、かつて中国から来たと言われていて、日本では古くから品種の改良などか行われてきました。その中で花梅は3系9性に分けられています。

花梅の種類

花梅は大きく分けて『野梅系(やばいけい)』『緋梅系(ひばいけい)』『豊後系(ぶんごけい)』の3つに分けられます。そしてさらに『野梅系』では、野梅性(やばいしょう)難波性(なにわしょう)紅筆性(べにふでしょう)青軸性(あおじくしょう)の4つに分けられ、『緋梅系』では、紅梅性(こうばいしょう)緋梅性(ひばいしょう)唐梅性(とうばいしょう)の3つに分けれ、『豊後系』では豊後性(ぶんごしょう)杏性(あんずしょう)の2つに分けられています。

『野梅系』は最も原種に近いとされていて、とても香りが良いとされています。枝が細くて小枝が多く、花も葉も比較的小さいのが特徴とされています。

『緋梅系』は野梅系から変化した梅とされていて、そのほとんどが紅色や緋色となっていて、盆栽に多く用いられています。花が白くても枝の内部が赤いのが特徴でそれらは緋梅系の部類に入ります。

『豊後系』は梅とあんずとの雑種とされ、あんずに近いとされています。花の色は薄い桃色や濃い桃色が多くあります。

花梅の育て方

花梅の育て方

植え付け時期

12月~3月上旬ごろまでに植え付けや植え替えをしますが、寒さが厳しい時期を避けて行います。寒い地域では春に行いましょう。
タイミングがずれた場合は開花期を避けて、開花後すぐに行うようにしましょう。

適した土について

土壌は水はけと通気性が良く弱酸性の土壌を好みます。
赤玉や完熟腐葉土を混ぜた土を使用します。その場合赤玉は小粒を使い腐葉土より多い割合で混ぜて下さい。

肥料について

地植えの場合は12月か1月に有機質肥料や化成肥料を寒肥として使用します。
株元周辺に埋めてあげましょう。鉢植えの場合は花後にお礼肥として肥料を与えます。
花梅はあまり肥料を必要としませんが、元気がない時など野菜や花など植物全般に使えるHB-101などを与えるのもお勧めです。

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植え付け方

地植えの場合、根の周りについている土よりも一回り以上の大きな穴に植え付けます。
深めの穴を掘り、植え付ける2週間前に石灰を土に混ぜておき、一週間後に有機質肥料
などを混ぜておきます。植え付けた後、苗木が倒れないように必要ならば添え木や支柱を立てて下さい。
鉢植えの場合水はけを良くする為、鉢底石を敷いて下順備をしてから植え付けるようにして下さい。地植え鉢植えとも植え付け後はたっぷり水を与えます。

植え付け場所・置き場所

花梅は日当たりが良く水はけが良い所を好むので、地植えにする場合はなるべく日当たりのよい場所を選びましょう。鉢植えの場合も日当たりのよい場所に置いてあげると良いですが、真夏の直射日光で鉢の中の温度が上がってしまい、株が弱らないように気を付けて下さい。冬は霜が当たらないヒア盥の良い場所に置いてあげてください。

水やりについて

鉢植えは土の表面が乾いたらたっぷり水やりをします。特に真夏はすぐに乾いてしまう為一日2回ほど水を与えます。
地植えの場合は植え付けて2年ぐらいの間は土の表面が乾いたら水をたっぷり与えます。
地植えの場合、2年を過ぎた頃株が成長して根がしっかり張ってくると水やりの心配はありませんが、雨があまり降らないなど、水不足が続く時は水やりをしてください。

花の管理・剪定

花梅の場合、花を観賞して楽しむので花ガラをそのままにして見た目が気になる時は摘んでも大丈夫ですが、実をならせて楽しむ場合はそのままにしておきます。
剪定時期は6~7月頃に込み入った枝を切って間引きます。6月頃の剪定は病害虫の予防として樹形を整えて風通しを良くする目的もあります。
鉢植えであまり大きくせずに形を維持する場合、花が咲いた枝の葉芽を残して切り戻します。株を大きくしたいなら花後の剪定はしなくて大丈夫です。
枝が伸びすぎると花芽がつかなくなるので、梅雨頃に伸び過ぎた枝を切り落とします。
花つきが悪くなってきたら剪定を見直してください。剪定をした方が花つきが良くなるので適度な剪定を行うようにしましょう。

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植え替え時期について

植え付けてから2~3年に一回植え替えをします。時期的には11月から3月頃ですが、寒さが厳しい時期は避けるようにして下さい。植え替え前に花が咲きだしていた場合は、花が咲き終わったタイミングで植え替えて下さい。
そのままの鉢で育てる場合は、根元の土を2割ぐらい落としてから土を入れ替えて植え付けて下さい。鉢植えで成長して窮屈そうならば、今までの鉢のサイズの1~2周り大きい鉢に植え替えた方がいいでしょう。

病害虫について

病害虫について

病気

花梅は春や秋頃にうどんこ病にかかる事があります。葉に白い粉上の物を見つけた場合は、被害が拡大する前にその部分を切り取りましょう。見つけたら薬剤を散布したり葉を切り取ったりしてください。
予防としては込み入った枝を切るなどして風通しを良くします。

害虫

花梅につく害虫としてアブラムシがあげられます。アブラムシは花梅の開花期頃につくことが多く、植物の汁を吸って弱らせるので、薬剤を撒くなどして駆除してください。
その他、5月頃にカイガラムシが発生する事があります。見つけたら歯ブラシなどでこすり落とすなどして速めに駆除しましょう。

まとめ

中国から渡ってきた梅。その梅を観賞用として育てるのが花梅です。
花を楽しむ花梅の育て方は、実梅とほぼ同じですが、観賞用として盆栽として育てる事が多いように感じます。地植えにするよりも鉢植えの方が枝振りなのどのこだわりが出てくるのではないでしょうか。手元に置いて手をかけ開花を迎える喜びは大きく、花を楽しむほかに、香りでも楽しませて癒してくれると思います。花梅を自分好みの樹形に作り上げるのも楽しみの一つかもしれません。
株がだいぶ成長してきて枝を横に広げて仕立てたい場合は枝に紐を結んで鉢の周りにつなぎ枝を誘導しながら形を整える方法などもあります。
是非自分好みの花梅を育てて、早春の楽しみを味わってみて下さい。

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