甘い実を収穫するポイントは葉の病害虫対策!みかんの栽培方法とは?
2022.11.08
日本の冬を代表する果物と言われて思い浮かべるのは何でしょう。多くの方はこたつにみかんがのっている風景を思い浮かべるのではないでしょうか。この記事では、初心者でも育てやすいみかんの栽培方法やみかんに発生しやすい病害虫についてご紹介します。
みかんの基本情報
みかんはミカン科ミカン属の樹木です。原産地は日本を始め、インドや中国などに拡がっています。ビタミンCを多く含み、風邪などの予防に効果的な冬の代表的な果物です。5月になると白い花を咲かせ始め、2~3週間ほど続く白い花にはリラックス効果のある香りがあります。常緑性で、生育する地域は選ぶものの、初心者でも育てやすいのが特徴です。こたつにミカンが乗っている風景は日本の冬の風物詩ともいえるでしょう。
みかんの栽培方法
日本でミカンの栽培が盛んな地域は、愛媛や静岡など暖かい気候が特徴の場所になります。みかんは年平均の気温が15℃を下回る地域では生育できないからです。地植えにするならば、関東より南の地域が適しています。関東より北の地域では、鉢植えにして寒い時期は防寒対策をするなどの管理が必要になります。
みかん栽培に適した生育環境や土壌は?
みかんは日当たりがよく、水はけの良い土壌を好みます。また、風が強く当たるような場所では育ちにくいので、地植えにするときは特に、場所の選定に気を遣うようにしましょう。土壌は水はけの良い栄養が豊富な土が適しています。鉢植えの場合は、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜて使います。地植えの場合は、庭土と腐葉土と赤玉土を5:3:2の割合で混ぜ合わせた土を作ります。作った土に元肥を入れて植え付けの準備をします。
植え付け・植え替えのタイミング
植え付け・植え替えの時期は暖かい地域では3月、気温が低い地域では4月に入ってからが良いでしょう。実がなるようになるまでは鉢植えで栽培し、実を付けてから植え付けをする方が早く実を収穫できるようになります。みかんの苗は接ぎ木をしているものが販売されているものが多いのですが、植え付け前に、継ぎ目から4,50cm上のところで幹を切り、全体のバランスをとっておくようにします。植え付け時は50cmの深さと幅をとった穴を掘り、作った土と元肥を入れたら、苗の土を崩しながら根を広げて穴に入れます。そのとき、接ぎ木の部分が土に埋まらないように浅く植えるようにしましょう。鉢植えで栽培する場合の植え替えは、3月下旬から4月の中旬までにおこないます。生育状況にもよりますが、2年に1回程度は植え替えが必要です。根詰まりを防ぎ、土の中の通気を良くすることが目的となりますので、生育状況と鉢の大きさを確認しておこなうようにしましょう。
水やりと肥料の頻度について
みかんは、植え付け後は毎日たっぷり水やりをし、定着したら土が乾いてからたっぷりやるようにします。地植えの場合は春から初秋にかけて、雨が降らない日が何日も続くようであれば水やりをしますが、10月以降、収穫時期が近づいてからは乾燥気味にした方が、実が甘くなります。みかんは常緑樹でつねに葉が茂っているため、肥料は常に必要です。追肥として6月、収穫始めのお礼肥を10月に施しましょう。
手入れのポイントは剪定と摘果
みかんを栽培するときの手入れのポイントは剪定と摘果です。樹形を整えて、風通しを良くするため定期的な剪定が必要になります。3月になったら、混み合った枝を整理するために剪定をおこないましょう。また実が多くなりすぎた場合は、青い実を摘み取る摘果という作業をおこないます。実が多すぎると木に負担がかかるうえ、すべてと果実を成熟させてしまうと翌年の実なりが悪くなりますので、摘果は適切におこなうようにしましょう。摘果をする時期は、まだ実が青い7月から8月が適しています。1つの枝に集中して実がなっているところを摘み取り、鉢植えならば枝に1、2個、地植えならば葉っぱ20~30枚に対して1個の割合になるよう調整します。
収穫時期について
みかんは苗を植えた後、実をつけるようになるまで5年前後かかります。急がずゆっくりと待つことが重要です。みかんの収穫時期は品種によって差はありますが、10~12月が適期になります。
みかんの病虫害対策
みかんは比較的、病虫害の少ない果樹と言えますが、被害が出た場合は、それぞれに合わせた対策で駆除していくことが必要です。
みかんにつく害虫と対策
みかんにつく害虫は下記のようなものがあります。
・アブラムシ
アブラムシはミカンの葉の汁を吸う害虫で、木は汁を吸われすぎると枯れてしまいます。アブラムシが汁を吸った後は斑点となりますので、見つけ次第駆除するようにしましょう。予防策としては、アブラムシは外部から飛来してくるので、防虫ネットをかけるなどの方法があります。
・カイガラムシ
カイガラムシは白い殻をかぶった2~10mm程度の小さな虫で、枝や茎、葉などにつきます。繁殖力が旺盛で気づいた時にはすでに大量についている場合も多い虫です。カイガラムシの排泄物は、すす病・こうやく病などを引き起こし、アリやアブラムシを呼び寄せる原因となります。幼虫の場合は殺虫剤が効果的ですが、成虫になると殻が邪魔をして殺虫剤が効きません。成虫を見つけた時は、ブラシでかき取って駆除をしましょう。
・カメムシ
果樹や新芽、茎や葉も食べてしまいます。まだ青い果実についてしまうと、汁を吸われた部分が変形したり、変色したりして落ちてしまう原因となります。カメムシは薬剤で駆除ができますので、定期的に散布して予防しましょう。
・ナメクジ・カタツムリ
ナメクジやカタツムリは新芽や柔らかい葉を好んで食べる害虫です。鉢植えの場合は特に、鉢の裏や鉢底に隠れていることが多いので時々確認をして見つけ次第、駆除します。
みかんの葉がなる病気と対策
みかんの葉がなりやすい病気は以下のようなものがあります。
・すす病
冬以外の季節で発生することが多く、葉が黒い粉で覆われる症状がある病気です。すす病は病原菌となるカビの胞子による病気でそのままにしていると、どんどん拡大します。黒い粉は綿棒やティッシュなど柔らかいもので直接拭き取ることができます。早く処理をするために、すす病が現れた枝を剪定してしまってもよいでしょう。
・黒斑病
葉や枝に黒い斑点ができるのが主な症状です。カビが原因となる病気で、雨の多い梅雨や秋の長雨の時期に感染しやすいという特徴があります。黒斑病は枯れた枝から拡がっていくため、枯れた枝は見つけ次第、こまめに剪定することが予防策となります。
・うどんこ病・そうか病
うどんこ病は葉の表面にうどん粉をふったような白いカビが付くのが主な症状です。カビは葉が真っ白になるほど繁殖し、生長を阻害する要因となります。そうか病の原因は糸状菌です。雨の多い時期に感染が拡大し、オレンジ色のまだらの斑点が葉に出るのが主な症状です。うどんこ病もそうか病も発生した枝葉を切り取って対策をしましょう。また適切な剪定で風通しをよくすることが予防策ともなります。
病虫害を防ぎ、甘い果実を収穫するために!顆粒HB-101
みかんは常緑樹なので、常に栄養豊富な土壌になっていることが望ましい樹木です。そのために重要になるのが十分な元肥です。顆粒HB-101は作った土壌にひとつまみ加え入れるだけで土壌が活性化し、その後の追肥も効果がでやすくなります。顆粒HB-101は、杉・桧・松・オオバコから抽出した天然成分がゼオライトにしみこませてありますので、ゼオライトの穴から徐々に成分がしみ出し、ゆっくりと長く土壌の活性化に効果を発揮します。土壌が活性化することで水はけと通気性のよい土になりますので、木の生長を促進し、甘く大きな実を付けることにもつながるのです。
まとめ
この記事では、日本の冬を代表する果実でもあるみかんの栽培方法や気をつけるべき病害虫についてご紹介しました。みかんは栽培する温度といくつかのポイントに気をつければ、樹木の栽培に慣れていない方でも病害虫の被害も少なく、育てやすい丈夫な木とも言えます。栽培の際には剪定と摘果、定期的な追肥というポイントを押さえてお手入れをしていきましょう。