庭のガーデニングに発生する困り者の害虫対策
2019.01.29
お庭のガーデニングに発生する害虫には、不快であると同時に、せっかく育てた植物に危害を加える困り者です。病気を誘発する原因にもなりますので、発生を抑える方法と見つけた時の駆除の仕方をご紹介します。
お庭・ガーデニングに発生する害虫とは
ガーデニングで発生する害虫には大きく別けて2種類に分類されます。葉や茎などを食い尽くす「食害性害虫」と、茎などに貼り付いて植物の養分などを吸引して弱らせる「吸汁性害虫」とがあります。
食害性害虫
発生時期 | 被害 | 対策 | |
ケムシ | 4月~10月 | 葉の食害。生育が悪くなります。 | 発見次第捕獲殺虫剤の噴霧(家庭用殺虫剤でも良い) |
アオ虫 | 4月~10月 | 葉の食害。生育が悪くなります。 | 発見次第捕獲殺虫剤の噴霧(家庭用殺虫剤でも良い) |
ヨトウムシ | 4月~6月 9月~11月 |
葉の食害。枯れ死の恐れ(夜中に活動する夜行性) | 浸透性殺虫剤の散布。土中の虫を捕殺。スミチオン乳剤などの散布 |
コガネムシ | 3月~11月 | 根や葉の食害 | オルトラン水和剤などの散布家庭用殺虫剤でも効果あり |
コガネムシ | 幼虫:通年 成虫:5~8月 |
幼虫時は根を食害。成虫は葉を葉脈だけ残して食害する。 | 防虫ネットの使用。発見次第家庭用殺虫剤などを噴霧する。野菜用浸透性殺虫剤を土中に混ぜ込む。(※ 成虫が土中に卵を産み付けた可能性があるため) |
カミキリムシ (幼虫のテッポウムシ) |
年1回 | 根や茎の食害 | 茎などの食害穴にスミチオン乳剤、マラソン乳剤を希釈したものを注入 |
ナメクジ カタツムリ |
3月~10月 | 葉や花の食害 | 発見次第割り箸やピンセットで捕獲。ナメクジ忌避剤の使用。 |
アブラムシ | 4月~11月 | 若芽が主に弱る。成長に影響 | 殺虫剤の散布。予防としてオルトラン粒剤の散布 |
ハダニ | 4月~11月 | 葉などが弱る。成長に影響 | 殺虫剤の散布。特に歯裏に散布 |
カイガラムシ | 4月~11月(温室などでは年間) | 病害の原因。成長に影響 | 幼虫にはオルトラン水和剤、スミチオン乳剤の希釈液の散布。 成虫にはマシン油乳剤。 樹木などであれば、使用済み歯ブラシなどでこそぎ落とす。 |
コナジラミ | 4月~11月(温室などでは年間) | 新芽や葉が縮れて弱る。成長に影響 | 予防にオルトラン粒剤を根元にばら撒き。オルトラン水和剤を根絶するまで散布。 |
カメムシ | 6月~10月 | 葉などの養分を吸引。生育状態に影響。 | スミチオン乳剤の散布。家庭用殺虫剤でも効果有り。 |
お庭・ガーデニングの害虫の見つけ方
ガーデニングに発生した害虫はなかなか見つけにくいものです。葉に元気がなかったり、変色が認められた場合は害虫が発生している可能性があります。葉に小さな穴などが開いている時も要注意です。
主に葉(特に若芽)や茎周りに付く場合が多いので、日々の水やりの時など注意して確認する様にします。確認の方法としては、異常が認められた葉の裏側などを見てみる。黒っぽい小さな点が数個あった場合は青虫などの糞を疑って下さい。その他、葉の表面に筋状の線がついていたり、網目状に葉脈が透けて見えたりする場合も疑いありです。
お庭・ガーデニングに害虫が発生する原因
害虫の発生を防ぐためには、まず発生の原因を掴む事が先決です。どの様な状況や環境で発生するのかをチェックしておく事が大切です。
害虫が発生する原因のひとつが、日当たりの悪さ、いつもじめじめとした湿気の多い土壌であることと、植物が密集し過ぎていて通気性が悪くなっている場合は、植物の生育にも影響を及ぼします。また、真夏の高温による乾燥状態によっても害虫にとって居心地の良い棲み家となってしまいます。
窒素分の多い肥料の過剰施肥も原因のひとつとなる場合があります。肥料などを好む害虫を誘引します。特に有機質肥料に多く発生します。施肥する時は用土の上に置くだけではなく、適量を用土と良く混ぜることが必要です。
お庭・ガーデニングの害虫の防除
一度害虫が発生すると、駆除が追い付かないことがあり、折角の花など植物が弱ってしまい最悪枯れてしまうことになりかねません。発生を防ぐことが一番大切です。
庭のガーデニングに害虫が発生する原因のひとつに土壌があります。年が変わって新たに花壇つくりを始めようとする時には、庭の用土を変えてみましょう。植物が成長した場合を考慮して、株同士が混み合わない様に苗などを植栽する時には株間を開けて植える様にします。
近くに庭木が植えられている場合は、その庭木にも害虫が生息していたりしますので、剪定などを行って風通しを良くしてあげたり、時には消毒も早目に行っておきましょう、落葉などを取り除く様にしましょう、また、花壇の雑草は伸び放題にならない様に取り払いましょう。
市販されている浸透性殺虫剤(例、オルトラン粒剤)を苗を植え付けた後に株の根元にばら撒きしておくと効果があります。その後1ヵ月に1度程度花が終わるまで続けると害虫の発生を防げる効果があります。
お庭・ガーデニングの害虫駆除
害虫を発見したら被害が広がらない様に早目に駆除をします。害虫の種類にもよりますが1匹ずつ駆除するのは不可能ですので、駆除剤を使用します。駆除剤は農薬ですので扱い方など使用説明書を良く読んで使用する様にしましょう。
前述した通り、害虫には葉や茎などを食害する「食害性害虫」と、茎などに貼り付いて植物の養分などを吸取る「吸汁性害虫」の2種類の害虫があります。それぞれの害虫の種類によって使用する薬剤も違っていますので、用途にしたがって散布をします。
専門的には原液を希釈して噴霧器などで散布しますが、一般の家庭では市販のスプレー式殺虫剤で良いでしょう。散布の注意点として、風の無い晴天の日を選び、発生した害虫のいる葉の裏表と茎の周りに万遍なく吹き付けます。必ずマスク、メガネ等を着用し、植物から30cmほど離して噴霧して下さい。近づけて噴霧するとガズによる凍結障害を起こすからです。
薬剤を使用したくない方のために
水やりの際に植物の葉や茎の部分にも万遍なく水を散布します。ハダニ類は水に弱いので予防効果があります。葉や茎に付いたアブラムシは少量であれば摘み取っての始末と、濡れ雑巾で拭きとるか、ガミテープを使って取り除く方法があります。青虫やヨトウムシはピンセットか割り箸で取り除きます。
4月~6月にかけて害虫は多く発生しますので、卵などを産みつけられない事も含めて防虫ネットを利用する手もあります。
また、近来ではお酢100%の殺虫殺菌剤スプレーなども市販されていますので、あまり農薬を使いたくないという方におすすめです。動物を飼っている家では農薬は使えませんから、ハダニ、アブラムシ、コナジラミに殺虫効果があり、あらゆる植物に使用でき、うどんこ病などの病害にも効果があります。
まとめ
お庭のガーデニングに害虫などが発生してしまうと不快であると同時に病気の原因にもなりかねません。被害を最小限に食い止めるには害虫が寄り付きにくい環境をつくるのが一番の方法です。ご紹介した内容は要点をなるべくかいつまんで解りやすく説明したつもりです。ぜひ参考になれば幸いです。