タンポポの綿毛の花言葉は怖い?綿毛の楽しみ方もご紹介
2024.11.05
春の代名詞であり、コンクリートの隙間でも育つことができるほど強いタンポポ。子どもの頃に花を結って指輪にしたりタンポポの綿毛を吹いて遊んだりした経験をした人も多いでしょう。 日本人にとって特別な花である一方で、実はタンポポの綿毛にも花言葉があります。花が終わった後のタンポポの綿毛には、どのような花言葉があるのか気になる人もいるでしょう。 今回は、タンポポの綿毛の花言葉について詳しくご紹介します。
タンポポとはどんな花?
ギザギザの葉と小さなたくさんの花びらが放射線状に開くキク科学のタンポポは、3〜7月にかけて咲く多年草です。日本では数十種類あり、野原や街、住宅街でも見られる春を代表する花です。野草としても有名であり、春の季語でもあります。古くは、花が太鼓に似ている姿から「鼓草」と呼ばれていました。
現在のタンポポの名前で呼ばれるようになった理由は、鼓を叩いた時の「タンタン、ポンポン」という音や、もともと田んぼのあぜ道に咲いていた「田菜(たな)」が時間とともに「たん」になり、タンポポの綿毛がほほける=毛羽立って乱れるという言葉が組み合わさり、タンポポの名前になったといった説があります。
現在では、セイヨウタンポポなどの外来種の増加に伴い、日本に古くからあるニホンタンポポの数が減少してきているそうです。
タンポポの綿毛の花言葉
フワフワとしたタンポポの綿毛は、ついつい手にとって吹き飛ばしてみたくなる魅力があります。花同様、多くの人に愛されているタンポポの綿毛の花言葉は「別離」です。これは、風に乗ってタンポポの綿毛が種を遠くへ飛ばす様子からきていることがわかります。
タンポポの綿毛の花言葉の由来は、アメリカの言い伝えである「たんぽぽと南風」というエピソードとされています。ある日、面倒くさがり屋の南風が、野原に佇む美しい黄色の髪を持つ少女に一目惚れをします。南風は、毎日のように少女を見つめ続けますが、次第に老婆になっていく少女。実は少女の正体はタンポポであり、南風が悲しみのため息をついた瞬間、少女は飛ばされて消えてしまうという内容です。
風に乗って空を舞うタンポポの綿毛らしい、切ないエピソードです。
タンポポの花言葉
タンポポ全体の花言葉は、「愛の神託」「神託」「真心の愛」です。タンポポに「神託」という花言葉がある理由は、ヨーロッパでタンポポの花が花占いに使われたことに由来するそうです。日本でも「タンポポの綿毛を一息で飛ばすことができれば、願いや恋が叶う」というジンクスを信じ、子どもの頃に実践した人もいるのではないでしょうか。
見ていて元気が出るタンポポですが、実は花の色ごとに花言葉も違います。シロバナタンポポと呼ばれる珍しい白いタンポポは「私を探して」、目力のある鷹が目を洗う花とされるオレンジのタンポポは「目力」「めざとい」、愛らしいピンクのタンポポは「あなたのあたたかみのある心」です。
オレンジのタンポポはコウリンタンポポ、ピンクのタンポポはクレピス、もしくはモモイロタンポポと呼ばれる園芸品種でもあります。どれも温かみが感じられる花です。
タンポポの綿毛の飛距離
タンポポの綿毛は風に乗って遠方に飛ぶことで、新しい地で芽吹き、やがて新しいタンポポを咲かせます。息で吹き飛ばすだけでもフワフワと舞うタンポポの綿毛ですが、実は無風にならない限り、ずっと空中を飛ぶことができるという特徴があるのです。
もともとタンポポの種は、高さがそれぞれ違う冠毛と呼ばれるパラシュートのようなタンポポの綿毛の先にあります。この冠毛には無数の隙間があり、より上空へと舞い上がるために特化した作りだとされています。うまく気流に乗ることができた場合、なんと数km先まで飛ばされることもあるようです。
タンポポの綿毛は実は危険って本当?
タンポポの綿毛が耳の中に入ることで、耳が聞こえなくなるという話があります。タンポポの綿毛が耳に入ることで、聞こえなくなることはまずありません。
万が一タンポポの綿毛が耳に入ったとしても、耳の奥には鼓膜があるため奥に行くことは難しいと言えるでしょう。そもそも、耳の近くで強くタンポポの綿毛を拭いたりしない限り、耳に入ることは難しいのです。
タンポポの楽しみ方
タンポポは、料理やお茶、ドライフラワー、ブーケなどにして楽しむことができます。花、葉、茎、根まで食べることができ、お浸しや天ぷら、炒め物などにして食べることができます。江戸時代では、血の巡りの改善や便秘の解消、解毒効果があるとされていました。食材にするタンポポは、かならず農薬や汚物による汚染の心配がない花を使うことがおすすめです。
また、タンポポをブーケにすることで、卒業式や結婚式のお祝いなどに渡すこともできるでしょう。長く保存ができるドライフラワーにすることもおすすめです。
実は、タンポポの綿毛もドライフラワーにして飾ることができます。作り方は、まだ綿毛が開いていない状態のタンポポの茎にワイヤーを通し、乾燥した場所で保管するだけ。数日で綿毛が開きます。上手にタンポポの綿毛をドライフラワーにするコツは、茎がグニャグニャにならないように必ずワイヤーを使うことと完成までなるべく触らないようにすることです。完成したタンポポの綿毛は、ガーランドにしたりおしゃれなバスケットや瓶に入れたりして飾りましょう。
まとめ
タンポポの綿毛の花言葉である「別離」は、切なくもまた再開できる日を楽しみにするといった思いも込めることができます。遠く離れても花を咲かせる様子から、大切な人へ送るのにぴったりな花と言えるでしょう。タンポポの綿毛をドライフラワーにすることで、部屋をフェミニンで幻想的な雰囲気にすることができます。
タンポポそのものもドライフラワーにして飾ったり料理にしたりすることができるので、目でも舌でも楽しむことができるでしょう。春の訪れを知らせてくれるタンポポですが、実は非常におもしろい花なのです。