胡蝶蘭を育てるのは難しい?適切な管理で長く花を楽しもう!
2022.08.16
贈答用としても贈られることの多い胡蝶蘭。日本の気候風土とは違う亜熱帯性の植物なので、育てるのが難しそうと考える方も多いと思います。この記事では、そんな胡蝶蘭がどんな花なのか、贈答用として好まれる理由、もらった後の育て方や管理方法などをご紹介します。
胡蝶蘭ってどんな花?
胡蝶蘭は、ラン科胡蝶蘭属の多年草です。原産地は東南アジアで非耐寒性の植物です。日本ではビニールハウスなどで育てられることが多いので、一年中いつでも咲いている印象がありますが、本来の開花時期は春から初夏になります。亜熱帯性の植物で、日本でよく見る植物とは形状も違うため、育てるのが難しそうな印象がありますが、実はそこまで栽培が難しい植物ではありません。ただ、地植えもできるような他の園芸用の植物とは少し違う管理が必要なため、気をつけるべきポイントはあります。そのポイントは人間が過ごしやすいと感じる環境にする、ということです。ポイントさえつかめば難しい知識は必要ありませんし、害虫や病気にも強く栽培しやすい植物です。プレゼントとして贈られたら、ぜひ適切な管理で長く花を楽しんでください。
縁起の良い花、胡蝶蘭の花言葉
胡蝶蘭の花言葉をご存じですか?それは、どれも縁起の良いものばかりです。胡蝶蘭全体を表す花言葉は、「幸福が飛んでくる」「純粋な愛」です。花の形が蝶に見えることから、蝶のように幸福が飛来するイメージが持てるため、このような花言葉がつけられたと言われています。花言葉の縁起の良さから、開店祝い、開業祝い、結婚のお祝いなど、おめでたい場面での贈答用として使われることが多い植物です。色によって花言葉が違うので、贈るシーンに応じて使い分けるのが良いでしょう。以下に色別の花言葉と贈るのに最適なシーンを紹介します。
・白:「純潔・清純」結婚祝いなどで贈るのに最適です。
・ピンク:「あなたを愛しています」女性への贈り物としても素敵です。
・紫・青:「誠実・尊敬」取引先への贈答花として使われます。
・黄色:色別の花言葉はありません。ただ金運アップの色なので、開業や開店のお祝いとして喜ばれます。
なお、白い胡蝶蘭が持つ「清純」という花言葉から、お悔やみのシーンでも使われることもあります。その場合は、花のまん中のリップと言われる部分も含めて白いものを選ぶことが大切です。
もらった胡蝶蘭をどうする?育て方と管理
胡蝶蘭の管理は、実はあまり難しいものではありません。まずは、胡蝶蘭が自生する環境をおさらいしてみます。胡蝶蘭は台湾、マレーシア、フィリピンなどの亜熱帯から熱帯気候の地域に自生します。熱帯雨林の中にある大きな木や岩に根を張り、空気中の水分を吸収して呼吸をしながら育つ着生蘭です。自生している株は、土の中に根を伸ばすことはありません。この環境をふまえて、育て方を見ていきます。
育てる環境
育てる場所は室内で風通しの良い、直射日光が当たらない場所にします。日光に当てすぎると葉焼けを起こしますので、置き場所によっては遮光ネットなどで日光の量を調整します。温度は最低でも10度以上、本来ならば20~25度が理想的です。暑い分には耐えることができますが、冬の寒さには弱く枯れてしまうことがあるので、冬は特に温度に注意します。湿度の理想は70%ぐらいですが、夏場に70%は人間には少し過ごしにくい湿度かと思いますので、50~70%の間で調整します。50%を切るような環境の場合は、霧吹きなどで水分を葉にかけて補います。そしてもうひとつ気をつけたいのは、根の部分の通気と保湿です。自生している環境では、根は剥き出しの状態のため、根が蒸れることは胡蝶蘭にとって致命的です。鉢植えの中に土ではなく、水苔やウッドチップが入っているのは適度な通気性と保湿を保つためなのです。また鉢は陶器製のものを使用し、贈答時に覆っていたギフトラッピングは剥がして、鉢が露出した状態にすることも通気性をよくするために重要です。
水やり
水やりは多過ぎても、根腐れの原因となります。前回の水やりから2~4日ほど経ってから鉢の中の水苔やウッドチップの状態を確認します。湿り気がほとんど無くなっているのが確認できたら、できるだけ午前中に水やりをします。気温が下がる夜には、水を吸い上げにくくなるからです。また、水は20度前後の少し温かいものを与えるのが理想的です。鉢全体にまんべんなく回しかけるように与えます。そして一番のポイントは、水やりをして鉢皿にたまった水は、必ず捨てることです。鉢皿に水がたまると、そこから中の水苔などが蒸れることになり、カビの発生や根腐れの原因となります。水やりのことで言えば、葉の表や裏に霧吹きで水をかけることも効果的です。その際、葉に水滴が残ってしまったら、柔らかい布で吸い取ってあげましょう。葉に残った水はシミの原因になります。
剪定・花が終わってからの手入れ
胡蝶蘭は贈答用として贈られる時には、3本立て、5本立てなど寄せ植えの状態になっていることがほとんどです。長く育てていくためには、適切なタイミングで1本ずつの状態に株分けと植え替えをすることが必要です。胡蝶蘭の株分け、植え替えは4~6月の株の成長開始時が最適です。胡蝶蘭は株1本につき1本の花芽を持ちます。なので株分けをして1本の株に栄養を行き渡らせることで、たくさんの花を楽しむことができます。株分けはふたつの方法があります。
・子株を分ける方法・・・株の根元から生えてくるのが子株です。葉が2、3枚になったら株分けのタイミングです。
・高芽を分ける方法・・・花芽から生えてくるのが高芽です。根が5cmぐらいの長さになったら株分けのタイミングです。
子株の場合は、親株ごと鉢から出したら根元から切り取ります。高芽の場合、根元から3~4cmの場所を切り取ります。どちらも水を含ませた状態の水苔を根に軽く巻き付けてから、別の鉢に植え替えます。空いた隙間は水苔で埋めます。そして植え替えた後の2週間は水をあげません。また植え替えの直後は、肥料も与えないようにします。
美しい花を咲かせる活力に!HB-101
胡蝶蘭は真夏と真冬、そして植え替え直後を避けた時期に肥料を与えます。肥料はたくさん必要としませんが、2週間に1度ぐらいの頻度で手軽に与えられるものがあると便利です。手軽に薄めて使えるものとしてはHB-101がおすすめです。HB-101は、スギ、ヒノキ、マツの抽出エキスを使用した、植物用の活力剤です。花以外にも、野菜や樹木、果実などにも利用できる、安心で無害な液体です。このHB-101を1000~10万倍に薄めた液を鉢に回しかけるだけ。または、1000~1万倍に薄めた液を葉の表裏に霧吹きなどで散布するだけで、株の持つ活力を引き出し、葉のつやが良くなり、美しい花が咲くようになります。水やりのタイミングで与えることができるので、手間も少なくてすみます。
まとめ
今回は、贈答用として人気の高い胡蝶蘭についてご紹介しました。管理や育て方も難しいように見えますが、人間が過ごしやすいと思われる環境を少し意識するだけで、比較的簡単に育てることができます。花言葉からも分かる、贈る側の気持ちにも思いを馳せながら、長く栽培を楽しんでください。