ぱっと咲いて目を引く可憐な雲間草を育ててみませんか?
2023.07.04
雲間草(クモマグサ)は高山植物の一種で耐寒性があり春に可憐な花を咲かせます。高山に生息する雲間草を育てるのは難しいため、園芸店に並ぶのは西洋クモマグサという品種になります。自生するクモマグサよりも丈夫で育てやすいので、上手に夏を乗り切れば毎年花を咲かせてくれます。ぱっと開いた花がとてもかわいい雲間草は地植えにしてグランドカバーとして育てたり、鉢植えで育てたりする事も出来る植物です。園芸店で手に入る雲間草は耐寒性に優れていますが夏に弱いので、毎年咲かせるには夏場の対策が必要になってきます。そんな雲間草の育て方を夏場の管理などを含めながらご紹介します。
雲間草の基本情報
雲間草(クモマグサ)はユキノシタ科ユキノシタ属に属する高山植物の一種で、原産地はヨーロッパになり形態は多年草となっています。花の色は白、赤、ピンクの可憐な花を咲かせます。一般的にはクモマグサまたは洋種クモマグサとして販売されています。雲間草は高山植物の一種ですが、自生している雲間草は栽培が難しい為、園芸店などで売られている物は栽培がしやすい園芸品種の西洋クモマグサが販売されています。雲間草という名前は雲がかかるぐらい高い山に自生し、雲の合間に生える事からその名が付けられました。
雲間草の特徴
雲間草の草丈は10~20センチほどで開花期は4月から5月頃とされています。耐寒性に優れていますが耐暑性はやや弱い位置づけになっています。
元は高山で自生している品種なので寒さには強く多年草とされていますが、夏の暑さが苦手なので一年草として扱われる事があります。
雲間草の花言葉
雲間草の花言葉は『活力』『自信』『活動』『深い愛情』『愛らしい告白』『可憐な瞳』『遠い思い出』の7つとされています。
雲間草の育て方
植え付け時期
雲間草は種からも育てる事が出来ます。種をまく時期は関東地方を基準として2月から3月上旬とされていて、苗を植え付ける時期は5月から6月が適正時期となります。
適した土について
雲間草を植え付ける土は山野草用培養土を使うと簡単でおすすめです。
自作で用土を作る場合は鹿沼土:軽石:桐生砂を4:2:4で混ぜた用土が適しています。
肥料について
雲間草の肥料は元肥にリン酸とカリウムを多く含んだ肥料を土に混ぜます。3月から9月にかけて、追肥として月に1~2回程度液体肥料を2000倍に薄めた物を与えます。雲間草は基本的にあまり肥料を必要としませんが、元気がない時や真夏などは肥料とは違う植物活力液のHB-101を使うのもおすすめです。
植え付け方
・鉢へ植え付ける場合は苗が入っているポットより一回り大きい鉢を用意します。
・根鉢の土の3分の1程度を崩します。
・根元の枯れた葉などを取り除き、根の周りの土を少し崩してから鉢に植え付けます。
・地植えの場合も同様にして植え付け場所に植え付けましょう。
植え付け場所・置き場所
雲間草は日当たりの良い所を好みますが過湿は嫌います。春から秋は日当たりの良い場所で管理するようにして下さい。気温が上がってきたら半日陰に移します。雲間草は耐寒性に優れているので冬場の霜対策は特に必要ありませんが、心配な場合は霜が当たらない場所に置いて下さい。
雲間草は地植えにしてグランドカバーとして育てる事も出来ますが、夏場の暑さに弱い為、夏場の対策が必要となりますが夏を越すのはなかなか難しいようです。
水やりについて
雲間草は加湿を嫌うので、鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。地植えの場合は水やりの心配はあまりありませんが乾燥した日が続くようなら水やりをして下さい。
雲間草の花の管理・植え替えなど
花の管理・剪定
可憐な花を咲かせる雲間草の花の管理は、種を取る場合以外は花柄がらを摘み取ってください。雲間草は過湿に弱いので、株が込み入っているようなら蒸れを防ぐため風通しが良くなるように葉などを切って下さい。
植え替え時期について
雲間草は関東地方を基準として5月から6月頃が植え替え時期となっています。鉢植えの場合は、毎年植え替えを行いましょう。寒い地方ではそのまま育てる事が出来ます。植え替えの目安としては開花期が終わった一か月以内に植え替えをします。
夏場の管理について
雲間草は夏の暑さに弱いため夏場の対策が必要になってきます。夏場の対策としては、鉢植えの場合は雨の当たらない、明るい日陰に置きます。地植えの場合は、直射日光が当たる場合は遮光するようにしましょう。鉢植え地植えとも込み入った枝や葉を切って風通しを良くしましょう。暑さが増してくると株元の方の葉が変色してくる事があります。その場合は放置すると病気になる事もあり株が弱ってしまうので丁寧に取り除きます。
雲間草は花期が終わる5月から6月に株分けが出来ます。その花期が終わったタイミングで、夏に株が茂って蒸れるのを防ぐ為に株分けをして、株を小さくする方法もあります。
雲間草の増やし方
雲間草は種を取って増やすことも出来ます。6月から7月に実から種を取ります。
その種を冷蔵庫に保管して、年を越した2月から3月に種まきをします。種が細かいので水をかけて流れてしまわないように、バケツなどの容器に水を張ってそこに鉢を入れて水を吸わせるようにします。
雲間草は開花期後の5月から6月頃に株分けでも増やす事が出来ます。一つの株をいくつかに分けて用土に植え付けます。この時、枯れた葉などはきれいに取り除いてください。
雲間草の病害虫について
病気について
雲間草は6月から8月頃に茎の根元が腐って抜けてしまう軟腐症にかかる事があります。軟腐症にかかってしまったら、腐った部分を取り除き新しい用土に植え替えて下さい。根元に粗い砂利を敷くと予防につながります。
害虫について
雲間草につく害虫としてアブラムシ、ハダニ、カイガラムシに注意が必要です。
アブラムシは春に発生しやすく、樹液を吸って弱らせます。見つけたらガムテープなどで駆除するか、殺菌殺虫剤などで駆除して下さい。
ハダニは夏ごろに発生しやすくなります。葉の裏に寄生して汁を吸い、葉に小さな斑点が出来てきます。そのままにすると枯れてしまう事もある為、数が少ないなら水で流すことも出来ますが、殺菌殺虫剤などで駆除して下さい。
カイガラムシは春から秋に発生するので見つけたら歯ブラシでこすって落とすなどして早めに駆除して下さい。
まとめ
高山植物の一種の雲間草は春に可憐な花を咲かせてくれます。高山に生息する仲間なので冬の寒さには強いですが夏の暑さには弱い性質があります。その為、夏を越して育てるにはちょっと難易度が上がり、雲間草の花を毎年咲かせる為には夏の管理が必要になってきますが、そんな雲間草が夏を越して元気な姿を見せえてくれると嬉しくなります。雲間草は他の春の花と一緒に寄せ植えにしても素敵なので、上手に育てて株分けなどで増やせばグランドカバーや寄せ植えなど色々な楽しみ方ができるので、この機会にぜひ可憐な雲間草を育てて楽しんでみて下さい。