プランターで育てられる!みょうがの育て方
2023.03.28
みょうがは、独特の風味と食感がクセになる辛味のある野菜です。あまり手をかけずに育てられるので、家庭菜園でも人気の野菜です。とはいえみょうがについて育てたことのないという人もいるでしょう。今回は、みょうがの栽培のコツをご紹介します。
みょうがの栽培は人気?
みょうが栽培が人気なのは、大きく分けて2つの理由があります。ひとつは、病害虫に弱く、一度植えれば毎年手間をかけずに収穫できるため、初心者やベテランの園芸家にもおすすめできる点です。もうひとつは、野菜の栽培には日当たりのよい場所が必須ですが、みょうがは湿った暗い場所を好むため、直射日光を必要とせず、日当たりの悪い場所でも栽培できることです。
つまり、都市部に住んでいて家庭菜園をするスペースや東屋がない方でも、栽培が可能なのです。みょうがは、広い庭に限らず、環境さえ整えば、ベランダ菜園から広いスペースまで、さまざまな形態や条件で栽培できる特殊な野菜なのです。さらに、みょうがは多目的な食材であり、副菜として、あるいはサラダやスープなどの調理に使うことができます。
さまざまな環境で育つ、手間のかからない野菜を探している人は、ぜひみょうがの栽培を検討してみてください。
みょうがの育て方やポイント
ここからはみょうがの育て方やポイントについて解説していきます。
準備するもの
プランター
みょうがは地下茎で増えるので、深さ30cmほどの大きめのプランターを用意すると安心です。みょうがの栽培には、土壌の排水性を確保することが必要です。砂質の土壌は、水はけがよく、長時間にわたって土壌が飽和状態にならないので、理想的です。
土
園芸専門店などで販売されている安全で良質な野菜用培養土を使用します。腐葉土を多く含んでいて、水をよく含む、通気性のよい土をお勧めします。さらに、作物の生育に必要な空気、水、養分がバランスよく利用できる土が理想的です。高品質の土壌は、有機化合物の形で栄養分が追加され、作物に付加的な利益をもたらすことができる高い養分レベルを提供してくれるでしょう。
球根の選び方
みょうがの球根(地下茎)は、太い根のような塊があるものを買いましょう。球根は大きいものがよいでしょう。通常、太くてしっかりした大きな球根(地下茎)を15cm長さに切って植えつけます。
しかし、球根を2~3芽ごとに細かく切ってしまうと、大株に育つのに時間がかかり、収穫は翌年になってしまいます。そのため、翌年の収穫に向けて、みょうがの可能性を最大限に引き出すために、球根を大きめの塊で植えることをお勧めします。そうすることで、新芽の成長、開花が早くなり、収穫に有利になります。
植え付け
みょうがの球根を購入したら、気温を気にせずすぐに植え付けます。球根は5cm程度の深さに埋め、植える球根1個につき、スコップ1杯以上の庭土を使用します。根の張りや園芸的な生育をよくするために堆肥を入れるのもよいでしょう。
球根の周りには、保湿を促し雑草の繁殖を防ぐために、藁やマルチング材を敷き詰めます。藁がない場合は、腐葉土や落ち葉で代用することができます。
水やり
みょうがは乾燥を嫌うので、乾燥しすぎると蕾がつかず、花が咲かなくなります。藁で株を覆っている場合は、藁の上から水やりをすれば大丈夫です。必要な水分量を保つために、定期的に水やりをする必要があります。土が湿りすぎていると湛水状態になることがあり、乾燥しすぎていると生産量が低下します。みょうがに十分な量の水を与え、多すぎないようにするためには、土壌の水分量を定期的にモニターし、テストすることが必要です。
また、みょうがは光と風通しを好むので、8時間程度の日照が確保できる場所に置くことが大切です。みょうがが元気に育つためには、土、光、水、肥料を適切に管理することが大切です。
追肥
みょうがが発芽し、葉が出て、ある程度株が大きくなったら、化成肥料をプランター1個あたり20g程度施します。藁を敷いている場合は、わらの上に肥料を施すとよいでしょう。より自然な肥料を好む場合は、葉や木片などの腐った有機物を混ぜた自家製の堆肥が効果的です。堆肥10kgに対して、窒素、リン、カリウムの肥料を1kgずつ与え、みょうがに必要な栄養を十分に与えるようにします。
土の乾き具合や湿り具合によって、肥料の量を調整する必要があります。乾燥した土は、湿った土よりも多くの肥料を必要とするからです。また、肥料は土の表面に均等に撒き、みょうがの根や茎にかからないように気をつけましょう。
間引き
葉が茂って株の周りが混み合ってきたら、葉が開ききったところで根元から切り、7~8cm間隔に間引きます。みょうがは乾燥させず、最適な栄養と風味を保つために自然乾燥させることが大切です。早春のみょうがの収穫は、霧雨や湿った空気の中ではなく、晴天の下で行う必要があります。葉は調理の準備が整うまで、軽く湿らせた土に保存しておくとよいでしょう。真夏の間、株は複数の芽を出し、芽は1.5~2cmの大きさになったら収穫します。つぼみを収穫する際、花蕾の下にある新しく伸びている葉は、次のつぼみの発育に必要なので切らずにそのままにしておきましょう。収穫後のみょうがの葉やつぼみは、密閉容器に入れて冷蔵保存することができます。みょうがは新鮮なうちに食べるのが一番だが、適切に扱えば数日間は保存可能です。
収穫
3月から始めると、8~9月頃にみょうがを収穫することができます。ただし、植え付けた年は収穫時期が安定せず、場合によっては収穫できないこともあります。株が安定すれば、翌年以降は7月下旬から収穫できるようになります。
みょうがの収穫は、若い花芽が出て、花首が完全に開花するまでが適期です。収穫するときは、花の根元をつかんで軽くねじり、地面から引き抜くのがベスト。成熟した株は根が発達しているため、取り除くのが難しい場合があり、折らずに確実に取り除くには鋤を使うとよいでしょう。
翌年以降の準備
みょうがの収穫が終わると葉だけになるので、地上部が枯れて自然に落ちるのを待つか、地上部を地際で切り落とすか、どちらかです。せっかく育てるなら、球根の掘り出しが一番重要です。害虫の被害を最小限に抑え、根を十分に張らせるために、質のよい園芸用手道具を使って球根を深く掘り起こすことが必要です。球根の成熟を促し、球根を傷つけないように注意しながら行います。
球根を再び植え、土に肥料を与えることで、みょうがの苗は最大限に元気になります。 球根を鉢に植えている場合は、肥料を与える必要はありませんが、土がすぐに乾きやすくなり、翌春のみょうがの再成長を妨げるので、定期的に様子を見ながら水やりをして、土の湿り気を保つことが必要です。
植え替えは2年に一度
みょうがの球根は増えるので、2年に一度、新芽が動き出す前の2~3月頃に植え替えをします。球根が増えたら、プランターを大きなものに変えるか、古い球根や伸びた根を取り除き、昨年伸びた太い新しい球根を残して半分くらいを整理して植え替えます。この作業は、慎重に、正確に行う必要があります。
根には新しい球根の成長に必要な栄養分が含まれているため、根はそのまま残しましょう。また、球根を植え替えた後の土には、球根の成長を促進するための肥料を加えてもよいでしょう。また、球根を植え替えた後は、プランター全体に太陽の光が均等に当たるようにし、球根に栄養が行き渡るようにすることが大切です。
最後に、植え替えた球根が元気に育つように、温度や土の状態を定期的に観察することが必要です。
まとめ
みょうがの育て方、栽培方法についてご紹介しましたが、いかがでしたか?みょうがは比較的育てやすく、湿った半日陰を好むので、初心者はもちろん、庭やベランダの日照不足で家庭菜園をあきらめていた人でも簡単に育てられる野菜です。ほとんどの気候で収量が多く、比較的早く成熟し、初夏から秋にかけて収穫できるため、かなり経済的です。
みょうがは、漬物、冷奴、味噌汁など、万能で栄養価の高い食材です。ビタミンやミネラルをはじめ、食物繊維も豊富で、低カロリーなので、従来の食材に代わるヘルシーな食材をお探しの方にもおすすめです。また、添え物として使うことで、様々な料理に独特の味と香りを与えることができます。
家庭菜園で育てたみょうがをいつもの料理にプラスして、季節の香りと味を楽しんでみてはいかがでしょうか。