秋を鮮やかに彩るセイヨウカジカエデの育て方

秋を鮮やかに彩るセイヨウカジカエデの育て方

2023.02.07

秋の道路を彩るセイヨウカジカエデという木を見たことがありますか。ヨーロッパを原産地とするセイヨウカジカエデは秋に色づく葉が美しく、黄色いトンネルのような海外の並木道の風景はセイヨウカジカエデが作っていると言っても良いほど人気の樹木です。この記事ではセイヨウカジカエデの生態と家庭での育て方について解説します。

セイヨウカジカエデの基本情報

セイヨウカジカエデの基本情報

セイヨウカジカエデはムクロジ科カエデ属の落葉高木で、原産地はヨーロッパやコーカサス地方、アジアなどになります。樹高は最大で35m、幹の太さは2mにもなる大木ですが、秋の紅葉が美しいことや塩害などに強いことから街路樹としても人気の高い樹木です。

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特徴的な形の花

セイヨウカジカエデの花は春に咲きます。その花は特徴的な形をしており、10cmから20cmぐらいの花序とよばれる長い柄の先に、振り子のような形をした花が20個から50個、房状になって咲きます。花びらは5枚あり、黄緑色の花です。

紅葉が美しい葉の特徴

セイヨウカジカエデは紅葉が美しい樹木です。10月から11月になると、濃い緑色だった葉が黄色く紅葉します。葉の色が変わる過程がとても美しいことから、景観目的の街路樹としても人気が高く、ヨーロッパだけでなく、ニュージーランドでも盛んに植栽されています。日本では、剪定をして低木で育てたり、鉢植えなどで栽培されたりすることが多い樹木でもあります。

セイヨウカジカエデの種子とは?

セイヨウカジカエデの種子は、直径5mmから10mm程度の大きさで1つの花に2つの実がなります。それぞれに長さ20mmから40mm程度のプロペラ状の翼があり、風にのってクルクルと回転しながら遠くまで飛べるようになっています。

セイヨウカジカエデの英名は?どのように使われる?

セイヨウカジカエデの英名は?どのように使われる?

セイヨウカジカエデが紅葉の美しさや塩害への強さから街路樹に使われるということは前述の通りですが、その他にも木材として多様な使い方をされている木でもあります。

たくさんの英名

セイヨウカジカエデは英名では「シカモア」と呼ばれるほか、「false plane-tree」「great maple」「Scottish maple」「mock-plane」「Celtic maple」などとも呼ばれます。木材としての呼び名で「rippled sycamore」と呼ばれることもあり、セイヨウカジカエデを表現する英名は多岐にわたっています。

あの楽器にも使われた!セイヨウカジカエデの用途

セイヨウカジカエデは、白く絹のような光沢をもつ木肌をしている上、耐久性が高いため、古くから楽器や家具、床材などに利用されてきました。特にストラディヴァリウスに代表されるバイオリンにおいては、メープル材とされるものはセイヨウカジカエデを使っているものが多く、バイオリンの渦巻き状になったヘッド部分やネックの裏側などで使用されます。また、高品質のものほど、杢と呼ばれる木の柄が美しく出るため、高級な家具や寄せ木細工の材料としても重宝されてきました。土に触れると腐敗する性質のため、屋内で用いられる用途の材料として適しています。セイヨウカジカエデは木材としての利用だけでなく、樹液はメイプルシロップやカエデ糖にも使用されるなど、用途の幅が広い樹木と言えるでしょう。

セイヨウカジカエデの育て方

セイヨウカジカエデの育て方

セイヨウカジカエデは大木になるため、街路樹として活用されることが多い樹木です。しかし紅葉の美しさを鑑賞用として、家庭で栽培する場合は、剪定して小さい樹形でまとめるか、鉢植えで楽しむのが良いでしょう。

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生育環境

セイヨウカジカエデの生育環境は、半日陰から日向の水はけの良い場所となります。木が若いうちは半日陰での生育がよいですが、完全な日陰では秋の紅葉時に発色が悪くなりますので注意が必要です。また夏の直射日光にあたると葉がしおれてしまうこともあります。明るい日陰で育てるか、鉢植えの場合は基本的には日当たりの良い場所で管理し、夏は日陰に置くと良いでしょう。セイヨウカジカエデは塩害や公害、寒さに強いなどの性質を持ちます。また一般的には湿度が高い環境を好む傾向があります。

土と肥料

セイヨウカジカエデを栽培する際は、腐葉土が多くやや酸性で、水はけの良い土を使います。セイヨウカジカエデの主要な根は土中の深いところまで伸びますが、小さなひげ根は土の表面近くに集まるため、水はけの悪い土を使用すると地中にたまった水が原因で根腐れを起こす可能性がありますので、土壌の管理には注意しましょう。肥料は緩効性の肥料を年3回、春と夏、秋に施します。

水やりについて

セイヨウカジカエデは湿度の高い環境を好む樹木で、空気が乾燥すると葉焼けが起きたり、葉が落ちたりすることがあります。特に夏に猛暑日が続くと空気も土も乾燥しますので、土に十分水をやり、湿らせておくようにしましょう。鉢植えで管理している場合は、夏は土への水やりだけでなく、霧吹きで葉に水分を与えるのも効果的です。

植え付け・植え替え

購入した苗の植え付けや鉢の植え替えなどは、秋の葉が落ちきった後が適期です。本体が休眠している間に、古くなった根や病気にかかった根を剪定しながら植え替えるようにします。ただ、あまりに寒い日の植え替えは、根を弱らせる原因となりますので避けましょう。鉢植えの場合は特に、根がすぐに鉢一杯に拡がりますので、様子をみながら適宜、植え替える必要があります。

剪定の方法

セイヨウカジカエデの場合、剪定する目的は、風通しと成長促進、樹形の調整にあります。剪定の際はまず、古くなった枝や希望しないところに生えている枝、他の枝と重なっている枝などを取り除きます。その後、希望の形になるよう調整をしていきますが、Yの字になるように仕立てるのが一般的です。剪定は落葉後から、春の生長期までの間が適期ですが、あまり寒い日におこなうと植物が痛む原因となりますので避けるようにしましょう。夏にも剪定することが可能で、この際の主な目的は風通しと病気の枝の除去になります。病気にかかってしまった枝や弱った枝、枯れてしまった枝などを取り除き、風通しがよくなるよう込み入った枝を取り除きましょう。

セイヨウカジカエデの病害虫について

セイヨウカジカエデにつく主な病害虫はカミキリムシやアブラムシがあげられます。害虫がつく原因は風通しの悪さや生育環境が良くないことにあります。剪定や土壌の改良など、基本的な管理をおこなうことで、病害虫は予防できます

美しい紅葉を愛でるために!顆粒HB-101

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セイヨウカジカエデは、基本的な管理でよく成長する樹木です。重要なのは、水はけが良くふかふかな土壌作りにあります。美しく紅葉する葉を長く楽しむためにおすすめなのが顆粒HB-101です。顆粒HB-101は株元にひとつまみ施すことで、土壌改良をおこなえる活性剤です。杉やひのき、松、オオバコなどから抽出した天然成分が、土壌の微生物に働きかけることで土壌を活性化し、植物本来の力を発揮できるようになります。セイヨウカジカエデに施す場合は、春・夏・秋に1回ずつ、株元にひとつまみの顆粒HB-101を混ぜ込みましょう。これにより、水はけのよいふかふかの土を維持できます。

まとめ

この記事では、秋になるのが楽しみになるセイヨウカジカエデの栽培についてご紹介しました。もともと大きな木なので、家庭での栽培時には剪定で小さくまとめたり、鉢植えで管理したりするなどの工夫が必要となります。また湿気を好む植物なので水やりにも注意が必要ですが、盆栽状に仕立てるなどの工夫で、小さくても美しい紅葉を楽しめます。家庭で育てるのはまだ一般的とは言えないかもしれませんが、秋の庭の彩りに、挑戦してみるのはいかがでしょうか。

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