華やかに咲く大輪の花、アマリリスの育て方は?
2022.12.06
大きく華やかな花で存在感のあるアマリリスという花をご存知でしょうか。アマリリスはユリにも似た大輪の花が咲く、中央アメリカが原産の球根植物です。比較的簡単に栽培することができ、冬越しを上手におこなうことで何年も楽しむことができるのも魅力です。この記事では、アマリリスの育て方についてご紹介します。
アマリリスの基本情報
アマリリスはヒガンバナ科ヒッペアストラム属の多年草です。春に植えることの多い球根植物で、ユリに似た、大きな花を咲かせることで人気があります。今回ご紹介するアマリリスは、園芸上の分類でアマリリスと呼ばれ、以前は実際にアマリリス属に分類されていましたが、その後の研究でヒッペアストラム属に変更になりました。現在、アマリリス属に分類されている植物は、南アフリカ原産の「アマリリス・ベラドンナ」など2種類のみとなっています。アマリリスは球根で植えてから2か月程度で花が楽しめ、栽培の難易度は高くありません。ただ、寒さに弱い特徴があるため、温度管理がしやすい鉢植えで栽培すると良いでしょう。地植えの場合は、気温が上がる春から初夏にかけて植え付けをするとうまく育ちます。
アマリリスの種類と選び方
アマリリスは大きくわけて、原種に近い大輪を咲かせる品種と、小さくいくつもの花をつける小輪系の品種があります。
・シロスジアマリリス
葉に白い筋があるのが特徴で、開花は秋です。花色はうすいピンク色で涼しげな印象です。
・ヒッペアストリム・パピリオ
春に開花し、緑がかった白い花びらに赤い筋が入ります。つぼみの時も美しいのが特徴ですが、園芸品種としては咲きにくい原種になります。
・アップル・ブロッサム
4~6月ごろに開花する大輪で一輪咲きの品種です。草丈は70cmを超え、花の直径が20~25cmにもなる大きな花を咲かせることで人気の高い品種です。
・キャンディーケーン
4~6月に開花する古い品種で、アップル・ブロッサムと同じく花の直径が20~25cmになる巨大輪です。白い花びらに赤い色が刷毛で塗ったように入っているのが特徴的です。
・小輪系
1つの茎に10cmぐらいの大きさの花が4~6個ほど咲きます。
アマリリスの育て方
アマリリスは3月下旬から栽培を始め、2か月程度で花を咲かせます。現在は温室などで育てることも多いので、市場には一年中いつでも出回っていますが、日本で栽培する場合の開花時期は5月~7月ぐらいになります。
アマリリスの栽培環境
アマリリスは日当たりのよい暖かい場所を好んで育つ植物です。また、水はけと通気性がよく、適度に保水力もある土が適しています。鉢植えで栽培する場合、赤玉土、腐葉土、パーライトを6:3:1の割合で混ぜて土作りをします。地植えの場合は、堆肥や腐葉土で水はけのよい土を作りましょう。特に水はけが悪い土壌の場合は、川砂やパーライトを加えるとちょうど良い土壌に仕上がります。なお、アマリリスは弱酸性の土を好みますので、酸性が強い土壌の時は苦土石灰などでpHを調整しましょう。土作りをする際に、元肥は必要ありません。
植え付け方法
アマリリスを植えつけるのに適しているのは4月上旬以降になります。桜の花が咲き終わり、葉が出てきたころが最適です。アマリリスは花が大きいので、花同士がぶつからないように株間をあけて植え付けをします。株間の目安は大輪系の品種で30cm程度、小輪系でも20cm程度はあけるようにしましょう。アマリリスの球根はとても腐りやすいため、すべてを土で覆うことはせず、球根の頭1/2~1/3ぐらいが土から顔を出す程度に覆土します。植えた直後は水やりをしますが、その後10日間ほどは水やりをせず、葉やつぼみが伸び始めるまでは水やりを控えめに栽培します。
ちょっと変わった水やり方法
アマリリスの水やりは他の植物とは少々違うので注意が必要です。植え付け直後に水やりをしたあと10日程度は水やりをしません。そして10日経ったら再開しますが、葉やつぼみができるまでは、乾きすぎに注意をしながら控えめに水やりをします。葉やつぼみが出来てきたら、土が乾いたらたっぷりと水やりをするようにしましょう。秋になって葉が枯れ始めたら徐々に水やりを控え、冬になったら完全に水やりをストップします。
他の植物とは違う肥料のやり方に注意!
アマリリスの肥料は水やりと同様に、他の植物とは少々違う点があります。アマリリスは植え付
ける際に肥料を与えると、根が痛む原因となります。そのため、植え付け時の元肥は入れずに無肥料で栽培を開始します。そして葉が出始めると、逆に養分がたくさん必要になりますので緩効性の化成肥料などを株元に施します。葉が出始めてから肥料が足りなくなると生育が悪くなるので、月に2回ほど液体肥料などを水やりと同時に施すのが便利でしょう。
花後の手入れと球根の冬越し
花が咲き終わったら、花がらと種ができる部分を切り取ります。この時、茎や葉は残しておきましょう。残すことで茎や葉から作られた養分が蓄えられ、球根を大きくすることができます。冬になると地上部は枯れてしまいますが、養分をため込んだ球根は翌年、気温が上がってくれば芽を出します。通常は冬になったら球根を掘りあげて翌年の植え付けまで保管しますが、鉢植えであればそのまま掘りあげず、室内に入れることで鉢の中で越冬することも可能です。地植えの場合でも、敷きワラや腐葉土などで覆い、保温の対策をした状態であれば掘りあげずに冬越しをすることができます。土の中で冬越しをする場合、乾燥しすぎると根が弱ってしまうので、状態をみながら水やりをするようにしましょう。
アマリリスの植え替えについて
鉢植えの場合、2~3年に一度は植え替えをおこないます。植え替えは10~11月ごろの花が終わって休眠期に入る前が適しています。固まった土をほぐして落としながら植え替えをおこないますが、このときに親球と子球をわけることで増やすことができます。分球は手で割ることもできますが、固くて割れないときにはハサミやナイフを差し込んで分けるようにします。
アマリリス栽培で注意したい病虫害
アマリリスがかかりやすい病害虫は以下のようなものがあります。
赤斑病
葉や茎に赤褐色の斑点ができるのが症状の病気です。梅雨時期や秋の長雨にあたることで発生しやすくなる病気なので、長雨にあてないように置き場所の工夫をすることが重要です。風通しが悪い場所や、水はけの悪い土で栽培するときにもかかることがありますので、湿気の多い時期には十分注意しましょう。
ダニ類
アマリリスは気温の高い季節に生育する植物ですので、ダニ類による被害は受けやすいと言えます。葉の裏に赤ダニなどが発生することがあり、発生したら見つけ次第、早めの駆除をすることが重要です。ダニは水圧ですぐに流れてしまうので、薬剤は使わずに水で洗い流してしまいましょう。
アマリリスに最適なタイミングで追肥できる!HB-101
アマリリスは、生育期のみに豊富な栄養を必要とする植物です。元肥の必要はありませんので、生育期に施すことのできる液体肥料が便利です。HB-101は杉・桧・松・オオバコなどを使用した100%天然植物成分で土壌を活性化する植物の活力液です。1000倍から1万倍に薄めた液を水の代わりに月に1、2回、アマリリスに施します。HB-101は土壌の微生物を増やすことにより、土の栄養素を十分に吸収できるようになります。栄養が豊富になることでアマリリス自体の免疫力もあがり、病害虫にも負けない丈夫なアマリリスを栽培できるようになるのです。
まとめ
この記事では、初夏から秋にかけて大きく華やかな花を咲かせるアマリリスについてご紹介しました。鉢植えで管理すれば気温への対策もしやすく、比較的簡単に栽培することができます。花が大きいので寄せ植えにするにはバランスを取るのが難しい花ですが、アマリリスだけで、存在感を楽しむことができるでしょう。多年草ですので、上手に冬越しをすれば何年も楽しむことができますので、観賞用に育ててみてはいかがでしょうか。