お正月には欠かせない縁起の良い野菜!クワイのご紹介

お正月には欠かせない縁起の良い野菜!クワイのご紹介

2022.11.01

お正月のおせち料理で見ることの多いクワイをご存知でしょうか。勢いのある大きな芽が出ることから、縁起物として用いられることの多い野菜ですが、年々生産者が減っている現状もあり、手にする機会は多くないかもしれません。この記事では、家庭でも工夫次第で比較的簡単に栽培することのできるクワイについてご紹介します。

クワイの基本情報

クワイの基本情報

クワイはオモダカ科オモダカ属で中国が原産の野菜です。食べる部分だけをみると里芋にも似ている形をしていますが、大きな芽が出ているのが特徴です。勢いよく大きく出る芽は「芽出たい」という言葉を連想させることから縁起の良い野菜としてお正月料理には欠かせない存在となっています。実に見える部分は「塊茎」と呼ばれ、地下に潜った茎に養分を蓄えて丸くなった部分です。世界中、暖かい地域であれば自生はしていますが、欧米では観賞用になっていて、食用として栽培するのは日本と中国のみのようです。

名前の由来

特徴的な形が農作業で使う鍬に似ていることから「鍬芋」が転じてクワイと名付けられたとも言われます。漢字では「慈姑」と書き、母親が子供を慈しむようにたくさんの実をつけることから使われるようになりました。

クワイの生産地

日本でのクワイの生産地は広島県福山市が70%以上を占め、次いで埼玉県となっています。クワイの栽培は手作業が中心なうえ、収穫が真冬の水の中ということもあり、年々生産者が減っているのが現状です。

クワイの代表品種

日本で手に入るクワイは主に以下の3種類です。

・青クワイ(アオクワイ)
日本国内で生産されているのは、ほとんどが青クワイになります。正月料理として使われるものもほぼこの品種です。柔らかく、芋のようにホクホクとした食感が特徴になります。

・吹田クワイ(スイタクワイ)
大阪府吹田で栽培される小ぶりの品種で、大阪の伝統野菜になっています。古くは万葉集に、江戸時代には貝原益軒の「大和本草」にも記載があるほど、長く親しまれている品種です。栽培する土地の開発などにより一時は絶滅の危機にもさらされていましたが、近年、保護活動により徐々に生産されるようになりました。大きさが小さいため、「ヒメクワイ」や「マメクワイ」と呼ばれることもあります。えぐみが少なく、甘い栗のような食感が特徴です。

・白クワイ
白クワイは中国の品種で青クワイよりも大きいのが特徴です。日本では栽培されていないため、あまり見かけない品種になっています。

クワイの育て方。家庭でも栽培できる?

クワイの育て方。家庭でも栽培できる?

クワイは水性栽培が基本の多年草です。レンコンの栽培と似た、沼地のような環境を好みます。常に水を張った状態で栽培するとよく育ち、草丈は1mほどまで大きくなります。葉はヤジリのような形をした長さ30cmぐらいの、光沢のある葉です。

生育環境と土壌

クワイはしっかりと水分を含んだ、粘土状の土を好みます。畑で栽培する場合は水田が基本になりますが、家庭では大きめのたらいなどで栽培するのが便利です。野菜の培養土を大きめのたらいやバケツなどに入れ、土の上3cmぐらいのところまで水を張って土作りをします。生育期間は水が張った状態をキープするように気をつけましょう。日当たりと風通しのよい場所で良く育ち、生育に適した温度は20~30℃と高めになっています。

植え付け・手入れ

植え付けに適した時期は6~7月です。株間20~30cmぐらいの間隔でクワイの芽が上にくるように種球を浅めに植え付けます。地下でランナーが伸びて塊茎を作りますので、容器の深さが20cm以上あるものを使用しましょう。8月以降、ランナーが伸び、塊茎ができてきたころに追肥を施します。また同じ頃、葉かきをおこないましょう。葉かきをすることで、塊茎に養分が行き渡り大きく成長します。9月に入ったら株の周囲30cmぐらいのところにシャベルなどを差し込み、根まわしをします。根まわしとは伸びた地下茎を切ることで、根まわしをすることによって伸びすぎた地下茎が切断され塊茎の大きさが揃うのです。茎葉が半分くらい枯れたころに、地上部を刈り取るとクワイの渋抜きになります。

収穫

クワイの収穫は9月から、翌年の春頃まで続きます。ただ、店舗などに出回るのは11月下旬から年明け1月頃までに集中していますので、もっとも旬な時期はお正月前後と言えます。地上部分の葉や茎が黄色く変色してきたら収穫のタイミングです。張ってある水を抜いてから、土を掘りあげて収穫します。収穫の時は、傷をつけないように注意しましょう。収穫したクワイは翌年の種球としても利用できます。

クワイの選び方

クワイの選び方

新鮮なクワイの選び方のポイントは芽がきれいに伸びていることと、皮につやと張りがあることです。表面につやがあり、実の部分が固いクワイは新鮮なものと言えます。そうでないものは収穫から時間が経っていることがありますので確認をしましょう。小ぶりのものの方が価格は高くなっていることが多いようですが、家庭で料理をする分には大きめの方が皮むきもしやすく便利です。

クワイの美味しい調理法

クワイの美味しい調理法

クワイは縁起の良い食材としておせち料理に使うことも多いものですが、栄養的にもアルコールの分解を補助する働きがあるなど、正月料理として適しているのです。クワイの栄養素としては主成分が炭水化物で、野菜の中ではタンパク質が豊富なことが特徴と言えます。その他、塩分排出の効果が高いカリウムを含み、むくみや高血圧の解消に期待ができます。またビタミンEやC、葉酸や亜鉛なども含む、小さくても栄養豊富な野菜と言うことができます。調理する場合はお正月料理に代表される煮物が一般的ですが、素揚げにしたり炊き込みご飯の具にしたりと、さまざまに楽しむことができます。

調理前の下準備

クワイの茎は1、2cmほど残して斜めに切り落とします。おしり側を薄く切ったら、下から上へ形にそって皮をむきます。皮をむくときは茎を切り落とさないように注意してください。むいたら水につけて、あく抜きをしましょう。

含め煮の作り方

お正月のおせち料理としても一般的な、クワイの定番料理です。
1. 下準備をしたクワイとだし汁を鍋に入れて、中火にかけます。沸騰したら弱火にして3分煮ます。
2. 砂糖とみりんを入れて5分ぐらい、弱火で煮込みます。
3. 醤油を加えて、さらに10分ほど、弱火でコトコト煮込みます。クワイに火が通っているか、竹串などで確認し、大丈夫であれば火を止めて冷まします。
4. しっかりと冷めて、味がしみこんだら完成です。

素揚げ

クワイのほくほくとした食感を楽しむことができ、おかずだけでなくおやつとしても美味しく食べられます。
1. フライパンにサラダ油を2cmほど入れて180℃に熱します。
2. 下準備をしたクワイを入れて5,6分ほど揚げたら完成です。

クワイご飯

素揚げしたクワイのアレンジ料理です。素揚げをすることでクワイのコクが増すので、他の具材がなくても十分に美味しい混ぜご飯になります。
1. お米を研いだら、だし汁、砂糖、酒、みりん、醤油を入れて炊きます。分量は、米2合に対してだし汁300ml、砂糖・酒・みりん・醤油はそれぞれ大さじ1です。
2. お米が炊けたら、素揚げしたクワイを混ぜ、ネギなどを散らして完成です。

大きなクワイを収穫するために!顆粒HB-101

顆粒HB-101植物の土づくり・土壌改良に
顆粒HB-101植物の土づくり・土壌改良に

大きなクワイを収穫するためには、葉かきや根まわしといった生長期の手入れとともに、土壌の豊富な栄養がポイントになります。植え付け時に野菜用の培養土を使う場合、元肥はすでに入っていますので、8月の追肥が重要です。追肥をする場合は張ってある水を一度なくし、土に顆粒HB-101を一株につき、ひとつまみ混ぜ込みます。混ぜ込んだ後、新しい水を張るだけで追肥は完了です。顆粒HB-101は天然の成分で土壌を活性化させ、実や葉のつやをよくするだけでなく、味も美味しく仕上げることができます。

まとめ

おせち料理の定番食材とはいえ、お正月以外あまり頻繁には見かけることのないクワイ。ですが、たらいやバケツを使えば家庭でも比較的簡単に育てることができる野菜です。自分で栽培をすれば、お正月以外にも、そのほくほくとした食感を楽しむことができますので、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。

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