カリンって美味しい果実?

カリンって美味しい果実?

2022.01.25

冬の乾燥した時期に登場するカリンは飴や飲み物に入っています。 実際にどんな果実なのか知らない人もいるでしょう。 またカリンとよく似た“マルメロ”という果実もあります。 そこで、マルメロとカリンの違いを紹介すると共に、2つの果実にまつわる花言葉などのエピソードを紹介します。

カリンとマルメロの違い

カリンとマルメロの違い

マルメロとカリンは似ているようで実は全く違う果実です。
そこで、カリンとマルメロを比較しながら、カリンの魅力をお話します。

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カリンとマルメロの違い①原産地が違う

マルメロとカリンは原産が違い、カリンは中国産でバラ科ボケ属の植物です。
江戸時代に日本にやってきたと言われていますが、正確なところは不明ですが、当時は観賞用の植物として育てられ、食用ではなかったとされています。

一方マルメロはバラ科マルメロ属で、中央アジア原産の果実です。
カリンの原産国中国からはだいぶ離れていますが、マルメロはイランやトルコ地方が原産という説もあります。

またマルメロの名前の由来はギリシャ語で「蜂蜜のリンゴ」という意味があるそうです。

カリンとマルメロの違い②綿毛があるかないか

マルメロとカリンは見た目も違います。

カリンは楕円形で大きい果実です。
大きさは6~10cmでお店に並んでいるカリンは、ツヤがあり香りが強く出ているものが並んでいます。

そしてカリンは表面に綿毛がたくさんあるのが特徴です。
逆にマルメロは見た目が洋梨みたいな形をしており、熟していくと皮が黄色くなり香りも強くなっていきます。

綿毛は洗えば落ちますからカリンと間違われることが多い果実です。

カリンとマルメロの違い③栽培品種の種類

カリンとマルメロの違い③栽培品種の種類

栽培する品種もカリンとマルメロで異なります。
カリンは特に品種があるわけではありませんが、マルメロの方は「スミルナ」や「チャンピョン」と色んな品種がある果実です。

日本で諏訪地方の特産のマルメロは主に「スミルナ」が売られています。
「スミルナ」はトルコ原産で香りが弱いかわりに果肉が柔らかいので、ジャムなどに加工されて販売されているそうです。

ただし、本カリンとカリンはカリンではなくマルメロの一種なので注意してください。

カリンとマルメロの違い④花の形が違う

マルメロとカリンは花の形が違います。
カリンの花は3月~5月頃に咲き、濃いピンクの花を咲かせます。

マルメロは淡いピンクか白い花を咲かせるので、花なら区別が付くかもしれません。
どちらもオシャレな花言葉があり、それに負けない美しい花を咲かせてくれます。

カリンとマルメロの違い⑤果実の硬さ

どちらも非常に固いので、カリンもマルメロも食べるのに一苦労します。
砂糖漬けにしたり、ジャムにして食べることが多いですが、カリンとマルメロでどちらが固いかというと、マルメロの方がまだ柔らかく感じられます。

カリンとマルメロの違い⑥薬用効果

喘息に効果があると言われているカリンは中国では漢方として使われ、利尿や疲労回復効果があるとされている果実です。

マルメロも古くから喉の痛みや腸の出血に使われてきました。
またカリンもマルメロも香りがとてもいいので、喉の炎症緩和改善があると言われています。

確かに冬の時期、乾燥するシーズンになるとカリンのど飴や、カリンを使ったはちみつジュースが売られますから、その効果は期待してもいいでしょう。

カリンとマルメロの花言葉は?

カリンとマルメロの花言葉は?
花言葉はどの植物にも野菜にも果実にもあります。
もちろんカリンとマルメロにも花言葉はあって、調べてみると結構優雅な花言葉でした。
そこでカリンとマルメロの花言葉はどのような意味があるのか紹介します。

カリンの花言葉

最初にカリンの花言葉から見てみましょう。
カリンの花言葉で有名なのは「唯一の恋」です。

これは女神アフロディーテの聖花が由来していると言われています。
他にも「優雅」や「豊麗」といった花言葉があり、美しく香る花を咲かせる意味で言えば「努力」や「可能性」というのもあります。

またカリンや薬効の高さもあり、このような花言葉が付いたと考えられているようです。

マルメロの花言葉

マルメロの花言葉

続いてマルメロの花言葉ですが、カリンの花言葉の由来に登場した女神アフロディーテに捧げられた黄金のりんごがマルメロではないかという説があります。

このことからマルメロには「魅惑」という花言葉がつけられています。
カリンもマルメロも同じ女神が花言葉のきっかけになっているなって驚きですね。

カリンの栽培方法

カリンの栽培方法

ここからはカリンの栽培の仕方を紹介します。
冬の乾燥にカリンを使いたい人や、採れたてのカリンの果実を食べたい人はぜひ参考にしてみてください。

栽培に適した地域

まず、カリンを育てるのなら比較的雨が少なく夏は涼しい気候がおすすめです。
そのため、日本なら中部地方や北海道がカリンには嬉しい場所になります。
逆に暖かすぎる地域は大木になってしまい、カリンが成熟する前に実が落ちてしまうのでカリンの栽培には不向きです。

カリンを育てる時は日当たりが良く風通しがいいこと、適度に湿気があり水はけもいい場所を選んでください。
また、コンテナや鉢植えで育てる場合は10号の大きな入れ物を使うようにしましょう。

水やり

カリンを鉢植えやコンテナで育てるなら、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えてください。
花の芽が出始める頃は水やりをやや控えめにし、真夏は朝晩水やりをしっかり行います。

広い庭がある家だと、カリンを地植えしているところもあるでしょう。
その場合は特に水やりをする必要はありませんが、乾燥しているようなら水やりをしてください。

土と肥料

10月~11月にかけて収穫後に即効性のある肥料を与えます。

おすすめは「HB-101」で液状タイプと固形タイプがありますが、この場合は液状タイプを使います。
カリンを活性化させるだけでなく、土壌の改良に役立ちますから家庭菜園をしている人のマストアイテムです。
そして葉っぱが落ちきた後、12月~1月頃に有機質の肥料を使います。

カリンを育てる時は、水はけがいい土を使い、できれば赤玉土や腐葉土をブレンドしたものがいいです。
しかし、ブレンドが上手くできない人は顆粒の「HB-101」を土に混ぜれば簡単に栄養素たっぷりの土を作ることができます。

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植え付けと植え替え

カリンの植え付けは50cmくらいの穴を掘ります。
苗木を植えたら若木の間は支柱を立てておきましょう。
そしてワラなどで株元を覆っておくこともポイントです。

また鉢植えでカリンを育てている場合は、水はけのいい土に植え替え、実が成るようになったら毎年植え替えをしてください。
植え付けに最適な時期は12月~3月と寒い季節に植え付けをすることになりますから、寒さ対策を十分にして作業をしましょう。

害虫に気を付ける

丈夫そうなカリンですが、栽培から収穫まで害虫に気を付けてください。
特に新芽の茎などにアブラムシや枝にカイガラムシが寄生すると、そのままカリンが枯れてしまいます。

カイガラムシは見つけ次第すぐに消毒して駆除しましょう。
また、ゾウムシやシンクイムシは果実を食べて、気が付いた時は食害にあいボコボコなカリンの実になっていることもあります。

特に5月下旬頃までは袋をかけて食害からカリンを守りましょう。

まとめ

まとめ

涼しくて日当たりのいい場所を好むカリンですが、広い庭がなくてもベランダやコンテナなどで育てることができます。
またマルメロとほぼ変わらないカリンですが、収穫するまで3年ほどかかります。
普通の果実や野菜のように半年から1年後に収穫できるわけではないので、収穫までは根気がいるかもしれません。

そのかわり、花言葉に似合うキレイな花を咲かせ美味しい実をつけてくれます。
管理も比較的簡単なので、初心者にもおすすめです。

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