紫式部の育て方をご紹介。秋に実る美しい紫の実は癒し効果も?
2023.05.16
紫式部は落葉樹で冬には葉を落とします。初夏に咲くピンクの花もかわいいですが、秋に実る紫色の実が観賞用とされ人々を楽しませています。街中で見かけ、足を止めて眺めた事があるぐらい細い枝にフサフサとたわわに実るつやつやした紫の実をつける紫式部はとても目を引きます。そんな紫式部の育て方や花言葉など紫式部についてご紹介します。ちなみに紫色は高貴な色ともされ、リラックス効果などの治癒力を持つ色とも言われています。自然に目が行き眺めてしまうのも納得できます。是非この機会に紫式部を育てて、秋に癒されてみて下さい。紫式部はあまり手がかからないのでこの機会に育てて、秋の彩りを楽しんでみてはいかがでしょうか。
紫式部の基本情報
学名はCallicarpa japonica、シソ科のムラサキシキブ属に属します。原産地は日本で山林や雑木林などで自生していて、和名は紫式部となります。
紫式部の特徴
日本全国の雑木林や山地に自生する落葉樹で、秋に美しい紫の実が実ります。
開花時期は5~6月でかわいいピンク色の花を咲かせます。主役となる実が成るのは秋で人々の目を楽しませてくれます。耐寒性・耐暑性と共に強く、成長すると樹丈が2~3メートルにもなります。
庭木としても人気がありますが、紫式部とは別のコムラサキも園芸店で並びます。コムラサキはクマツヅラ科で紫式部とは別の種類になり、紫式部の実はまばらにつきますが、コムラサキの実はたっぷりと実をつける傾向にあります。どちらも栽培方法は同じです。紫式部の実は毒性はないので食べる事が出来ますが、あまりおいしくないようなので、食べる事はせずに目で楽しむ事をお勧めします。
紫式部とコムラサキの見分け方
紫式部の成長した樹高は2~3メートルに対してコムラサキの樹高は1~2メートルです。
紫式部の枝は垂れないのに対してコムラサキの枝は垂れているのが特徴です。
紫式部は葉と花の距離が近く実がまばらに実るのに対いて、コムラサキは葉と花の距離が少し離れていて実がびっしりと固まって実ります。
紫式部の花言葉
紫式部の花言葉は『上品』『聡明』『愛され上手』『賢さ』など、見た目通りの雰囲気のある花言葉がつけられています。
紫式部の育て方
適した土について
紫式部が生息する山林や雑木林の土は自然の腐葉土が沢山含まれています。なので、紫式部が好む用土として、黒土に腐葉土などを混ぜた有機質の多い通気性と保湿性がある土を好みます。
鉢植えにする場合は、赤玉腐葉土を混ぜた物が適しています。用土の配合は、赤玉6:腐葉土4の割合をお勧めします。樹木用の培養土などを使っても大丈夫ですが商品によっては腐葉土などを混ぜてあげるといいかもしれません。
肥料について
紫式部は特に肥料を施さなくても育つので与えなくて大丈夫ですが、施す場合は油かすなどの有機肥料を1月下旬から2月いっぱいまでの間と開花後に与えます。どちらも少量で大丈夫です。地植え・鉢植えの場合も同様です。あらゆる植物に使える100%天然素材のHB-101もお勧めです。
植え付け方
紫式部の植え付け時期は3~4月と秋の10~11月ですがなるべく春の時期に植え付けるのが望ましいです。地植えの場合、植え付け場所に腐葉土や赤玉を混ぜ込んでおきます。苗木の根鉢よりも一回り大きな穴を掘ってそこに植え付けた後、水をたっぷり与えて下さい。
鉢植えの場合は鉢の底に底石を入れてから黒土や赤玉や腐葉土を混ぜた用土をいれます。
植え付け場所・置き場所
紫式部は日当たりのよい場所を好みますが西日が強く当たる場所は避けて下さい。どうしても西日が強く当たってしまう場合は、当たらないように対策を施しましょう。日陰でも育ちますが、日当たりの良い場所の方が生育は良くなります。
水やりのコツ
紫式部は乾燥に弱い植物です。土の表面が乾いたらたっぷりお水をあげましょう。紫式部は特別な栽培方法がいらないくらいですが、鉢植えの場合は特に水やりだけは忘れないようにして下さい。地植えの場合は、根付くまでの間は水切れをしないように気を付けて下さい。成長後の水やりは特に気にしなくて大丈夫ですが、真夏など土が乾燥しすぎる場合は、日中の一番暑い時間帯は避けて、朝や夕方など気温が下がった時間帯に水やりをしましょう。
花の管理
紫式部の開花期は6~7月です。花の色はピンクかかった小さい花を房状に咲かせます。小さい花の中央からは先端が黄色いおしべが伸びた形で、その花の姿はとてもかわいいです。
花の管理は特に必要ありません。
剪定
特に剪定の必要は特にありませんが、地植えの場合放っておくと2メートル以上伸びる事があります。その為、紫式部の樹形を保つために芽吹く前の12~2月の冬の間に剪定を行います。春以降に芽吹いた枝に花芽をつける為、そこを切り落としてしまうと花が咲かなくなってしまうので気を付けて下さい。その年に伸びた枝を切り詰めますが、切ったところから新たに枝が伸びるので、保ちたい樹形を考えながら切り詰めて下さい。
風通しを良くするために、込み入った枝や古い枝、枯れている枝なども根元から切り落とします。
植え替えと時期
紫式部の植え替えに適切な時期は葉が落ちている真冬を避けた時期、芽吹く前の2~3月頃に植え替えをします。紫式部は生育が早く、鉢植えの場合は植え替えないと鉢の中で根が張り過ぎて根詰まりを起こして生育が悪くなってしまう為1年に1度植え替えるのが望ましいですが、少なくとも2~3年に1度は植え替えをしてあげてください。紫式部の株を鉢から取り出して、土を落としながら痛んだ根を取り除き植え替えて下さい。根が張って今までの鉢だと窮屈そうなときは一回り大きな鉢に植え替えて下さい。
病害虫について
紫式部で気を付ける病害虫は、うどんこ病とカイガラムシです。特にうどんこ病は梅雨時期の日照不足や日当たりと風通しの悪い状態で発生しやすくなります。枝や葉が茂って風通しが悪くなっていたらその部分を切り取るなどして風通しを良くして予防に努めて下さい。葉などに白い粉上の物を見つけたら、すぐにその部分を取り除き薬剤などを散布してそれ以上拡大しないようにして下さい。
紫式部の増やし方
紫式部の主な増やし方は挿し木や株分けになります。成長するまでに時間が掛かりますが種を取って増やすことも出来ます。
挿し木で増やす場合
紫式部を挿し木で増やす場合は4月から6月頃に行います。その年に伸びた元気な枝を選んで10センチ程切り取って、挿し木用の土に挿します。用土は赤玉土や鹿沼土の小粒や川砂などを使いますが、100円ショップで手に入るバーミキュライトなどもおすすめです。
株分けで増やす場合
3月下旬から4月頃が適切な時期です。ただし、自生の紫式部は株分けで増やす事が出来ないので、株分けで増やす場合はコムラサキの場合になります。時期は植え付けと同じ2~3月で根を立てに割くようにして株分けをして下さい。
種で増やす場合
成長させるのに時間がかかりますが、秋に実った実から種を取出してすぐに撒いてください。
まとめ
観賞用として親しまれている紫式部ですが、園芸店に並んでいるのはコムラサキが多いいようです。生育が良く肥料などの心配はあまりありませんが、地植えでそのままにしておくと2メートル以上に成長してしまいます。枝が伸びすぎてしまわないように適度な剪定を心がける事が必要ですが、初夏に咲く花も小さくてかわいく、秋に実る紫の実も魅力的な植物なので、紫式部の栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか。