マングローブの育て方は難しい?観葉植物としての育て方のコツをご紹介

マングローブの育て方は難しい?観葉植物としての育て方のコツをご紹介

2024.10.01

汽水域と呼ばれる塩性湿地で育つ樹木・マングローブ。熱帯の地域でマングローブの森を形成し、日本では沖縄県などで目にすることができます。一般的な園芸品種とは違い、あまり育て方が知られていないマングローブですが、観葉植物として室内で育てることができる樹木でもあるのです。育て方のコツを抑えることで初心者でも育てることができ、青々とした独特の雰囲気を楽しむことができるでしょう。 今回は、マングローブの育て方についてご紹介します。

マングローブの基本情報

マングローブの基本情報

マングローブは、世界中に100種類以上あるとされる樹木の総称です。淡水と海水が混ざり合う汽水域の中でも枯れずに、呼吸根と呼ばれる根を外に伸ばして成長する姿が特徴です。酸素不足にならないように、根を波上に広げたり大きな骨組みのような形状の根を広げて地面に伸ばしたりと、根にはいくつかの種類があります。
ヒルギ科のマングローブは、樹上に垂れ下がって成る棒状の「胎生種子」という種子で繁殖します。種子が熟すと自然と枝から離れ、土に刺さって根付くという仕組みです。種子は軽く、水の上にも浮くため、潮に流されることでより遠方へと運ばれ、遠方でマングローブの群生地を増やすといった役割もあります。
マングローブは、海と森の2つの生態系を併せ持ち、根の下ではカニや小魚といった小動物の巣や繁殖地になり、潮が引くことで水鳥たちの憩いの場にもなります。嵐や津波が来た時は、マングローブが防波堤となり、消波効果から海岸の侵食や人の居住地を守ることも注目されています。

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場所によってマングローブの種類が違う?

場所によってマングローブの種類が違う?

淡水と海水が混ざり合う汽水域で成長するマングローグですが、実は海水の塩分濃度に耐えられる強さはそれぞれ違います。鹿児島県や沖縄県に自生するマングローブは、塩分濃度の濃さと水位の深さによって、それぞれ環境に適したマングローブの種類が棲み分けているという特徴が見られます。
最も海に近いエリアは前面部落と呼ばれ、主にヒルギダマシやマヤプシキ、ヤエヤマヒルギといったマングローブが、高い塩分と水位が深い場所に自生します。一方で、陸に近い中心部落にはオヒルギやメヒルギといった種類が群生します。日本は鹿児島県から南下すると、気温も高くなる傾向があるため、マングローブもそれに伴って数と種類が多くなる傾向もあるのです。

マングローブの一種・メヒルギの花言葉

マングローブの育て方で大切な5つのポイント

マングローブの仲間であるヒルギ科の樹木は、正しい育て方で栽培することで花を咲かせることがあります。中でも、メヒルギの花言葉は「私を見て」「月の光」「海のしずく」です。とても幻想的で詩的な雰囲気の花言葉は、メヒルギが女性の姿に似ていることと月の光の下で海水に反射する美しい姿を見た人の思いから来たことがうかがえます。
メヒルギの開花時期は、初夏にかけて。糸状の白い可愛らしい花を咲かせます。マングローブの花は、滅多に見られるものではないため、見られた方はラッキーと言えるでしょう。

マングローブの育て方で大切な5つのポイント

生育環境は15℃以上をキープ

マングローブは、種や苗を手に入れることで観葉植物として育てることができます。マングローブの育て方は難しいというイメージがある人もいるかと思いますが、マングローブの育て方はそこまで難しいものではありません。正しい育て方を実践することで、初心者の方でも簡単に育てることができます。
ここでは、水耕栽培も可能なマングローブの育て方で大切な5つのポイントについて、詳しく解説します。

生育環境は15℃以上をキープ

生育環境は15℃以上をキープ

沖縄のマングローブの森でも想像できる通り、マングローブは高温多湿な環境で育つ樹木です。生育に必要な気温は、13〜35℃。室内の気温は、冬でも10℃を下回らないようにすることが大切です。理想は15℃であるため、寒い地域でマングローブを栽培する場合は、紫外線ライトやヒーター、エアコンを24時間稼働させる育て方を行う必要があると言えます。

日当たりが良好な場所に置く

日当たりが良好な場所に置く

マングローブは、明るい場所を好みます。マングローブの原生林は屋外にあるため、直射日光が必要だと思う方もいるかもしれませんが、日光が入る明るい場所に置く育て方でOKです。一方で、マングローブは寒暖差が激しい場所は苦手なため、部屋の中央といった明るい場所を選ぶことが大切です。

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土は砂、水は与えすぎるくらいでOK

土は砂、水は与えすぎるくらいでOK

一般的な観葉植物に水を与えすぎると根腐れを起こして枯れるリスクがあります。一方で水の中で根を伸ばして成長するマングローブは、水を与えすぎるくらいの意識を持った育て方をすることが大切です。
より根付きを促すために、水のみの栽培ではなく土も取り入れた育て方を行いましょう。ヒルギは湿気を好むためペットボトルを、メヒルギは鉢底から水が染み出す鉢を用意し、公園や河川、浜辺の砂を入れて栽培します。元肥が含まれている培養土は使わず、一般的な砂でOKです。

植え替え・剪定はできるだけ行わない

植え替え・剪定はできるだけ行わない

マングローブの育て方の中で注意したいことが、植え替えです。マングローブは、デリケートであるため、植え替えをすることで枯れてしまう恐れがあります。植え替えは、極力行わないことが大切です。
生育スピードも非常にゆっくりであるため、剪定もほとんど必要ありません。自生であっても100cm以上に成長するためには、5〜7年の月日が必要とされます。樹形が気になった場合のみ、園芸用ハサミで枝葉をカットして整えるようにしましょう。

肥料はほぼ必要ない

肥料はほぼ必要ない

マングローブは、肥料をほとんど与えない育て方を行うことが大切です。必要な肥料は、種子の中に含まれているため、必要以上に肥料を与える必要がありません。与える場合も、樹高が40cm以上になり、葉が変色したり色が薄くなったりすることが気になる場合のみあげましょう。マングローブに肥料を与える際は、規定の濃さよりも薄くして与えることが大切です。

まとめ

まとめ

育て方を正しく実践することで、青々とした美しいマングローブの葉を自宅で楽しむことができるようになります。アクアリウムに用いることもできるため、南国の雰囲気を家で楽しむことができるようになるでしょう。
マングローブを育てるためには、温度管理に気をつけ、水切れを起こさないようにすることが大切です。マングローブは、成長が非常に遅く、根が別れるまでには時間がかかる一方で、他の観葉植物にはない雰囲気と育てがいを感じる樹木と言えるでしょう。

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