ガーデニングでも取り入れたい!コンパニオンプランツの組み合わせと効果
2020.07.21
ガーデニングで植物を育てる時に利用したいのがコンパニオンプランツです。
耳慣れない名前ですが、ガーデニングでせっかく育てた花や野菜が知らないうちに発生した害虫や病気によってダメにしてしまうことがありますね。
その様な障害の予防として利用されるのがコンパニオンプランツなのです。コンパニオンプランツは共生植物といわれます。
すなわち、育てたい植物と相性の良い植物のことで、一緒に植え付けることによって病害虫を予防したり、生育を助けたりする効果が期待できるものです。
ガーデニングでコンパニオンプランツって何?
コンパニオンプランツとは、ガーデニングで大切に育てようとする草花や野菜などの側に、ある特性を有する異なった植物を一緒に植え込んで、病害虫を防ぐ目的とするもので、その種類の異なる植物のことを「コンパニオンプランツ」といい、「共存作物」とか「共栄作物」とも呼びます。お互いの植物同士の不足している栄養分や、土壌中の微生物の違いなどを補い、お互いに良い影響を与え合う効果があるとされています。
ガーデニングでコンパニオンプランツの特性
ガーデニングでコンパニオンプランツを利用することによって、植物の生育状態の促進と、病害虫を防ぐ手段ともなり、野菜であれば風味などが増す作用もあり、収穫率も上がる期待が持てます。無農薬で栽培できるメリットがあるのです。
コンパニオンプランツの主な特性としては
〇病害虫予防
香りを放つ植物を一緒に植えることによって、匂いに引かれて付きやすい害虫を忌避させます。また、害虫が元になる病害も防げます。ネギ科の植物には根に共生している微生物が放出する抗生物質によって病菌の増殖するのを防いでくれます。
〇生育の促進
コンパニオンプランツを混植することによって、お互いの異なる栄養分を補いあい生育を促進させます。
〇耕作場所の有効利用
ガーデニングなどでは、それほど広い面積で植物の育成には限りがあります。数種類の作物などを間作や混植することによって、数種の植物を効果的に育種でき、成長度の違いによって別の野菜も育てられるメリットがあります。
ガーデニングでコンパニオンプランツの利用法
ガーデニングでコンパニオンプランツを利用するには、隣り合う畝ごとに異なる種類の植物を植える「間作」と、異種の植物同士が隣り合わせに交互に植えてゆく「混植」という作業の方法があります。
植物にはそれぞれに成長度の違いや、保有または吸収する栄養素や根の張り方に違いがあるものです。また、後述する植物同士の相性というものがあります。育てたい植物が決まったら、コンパニオンプランツとして相性の良い植物を選んで一緒に植え込みます。
植え込み方として、コンパニオンプランツと育てたい植物の植生を確認します。大きく育った場合に葉同士が混み合わない様に間隔を考えて交互に植え込みます。また、香りの強い植物を育てたい植物の周りに囲む様に植えると害虫を防ぐ効果が期待できます。
ガーデニングでコンパニオンプランツ・組み合わせと効果
ガーデニングでコンパニオンプランツを利用する時には、それぞれの植物が持つ特性がありますので、お互いの植物の植生が適合するものがベストな組み合わせとなります。いわゆる相性というもので、良く確認をしないで混植すると却って悪影響となることがありますので注意が必要です。
ガーデニングではコンパニオンプランツとして利用できる植物があります。匂いによって害虫を寄せ付けない様にする防除にも役立ち、根の周りの善玉微生物によって、お互いの植生に良い影響を与え合う植物がありますので、ガーデニングで育てる主な植物について相性の良い組み合わせと効果についてご紹介します。
ガーデニングで利用したいコンパニオンプランツの組み合わせと効果について
品種名 | 基本情報 | |
カモミール | キク科カミツレ属 原産地は地中海沿岸地方で、現在は世界中で生育しています。リンゴの香りに似た芳香があり、“植物のお医者さん”と形容されるほど、コンパニオンプランツに適した植物です。 《相性の良い植物》アブラナ科の作物、カブ、玉ねぎ 《期待できる効果》生育促進、害虫防除 |
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金盞花(キンセンカ) | キク科キンセンカ属(カレンデュラ属) 早春からオレンジや黄色の花を咲かせ、頭状花を中心に複数の花びらを重ねる様に付けます。生育は旺盛で育てやすく、薬用としても利用され、防虫効果もあります。 《相性の良い植物》アブラナ科作物、ナス、キュウリ |
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シソ | シソ科シソ属 漢字表記は「紫蘇」と書きます。日本では香味野菜として古くから育てられてきました。生育は旺盛で爽やかな香りを放つのが特徴です。 《相性の良い植物》キュウリ、ナス、ピーマン、トマト 《期待できる効果》病害虫防除 |
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ネギ | ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属 ネギは日本の食卓にとっては、切っても切れないお馴染みの野菜です。奈良時代に渡来したといわれ、全国で多種の栽培がされています。 《相性の良い植物》アブラナ科作物、トマト、ナス、イチゴ、サツマイモ 《期待できる効果》土壌の活性化、病虫害の防除 |
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バジル | シソ科メボウキ属 お馴染みハーブの種類です。香味野菜として様々な料理に利用されています。育て方も易しいことから広く育種されています。 《相性の良い植物》ナス、トマト、枝豆、バラ科果実 《期待できる効果》害虫防除 |
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パセリ | セリ科オランダゼリ属 料理の付け合わせとして親しまれている植物です。鮮やかな緑色と独特な香りが特徴です。豊富な栄養素も含まれています。 《相性の良い植物》アスパラガス、ナス、トマト、人参 《期待できる効果》生長促進、害虫防除 |
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ペパーミント | シソ科ハッカ属 爽やかな香りを放つことから、古くから栽培育種され薬用としても利用されました。主成分のメンソールが多く含まれていますので、清涼感のあり料理やお茶のアクセントとしても使用されています。 《相性の良い植物》アブラナ科作物、トマト 《期待できる効果》害虫防除 |
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マリーゴールド | キク科 マンジュギク属(タゲテス属) ガーデニングで利用される一番ポピュラーな草花です。中央アメリカ原産で日本には江戸時代に渡来し“万寿菊(まんじゅぎく)”と呼ばれて栽培されました。独特な匂いを放ちコンパニオンプランツとしてガーデニングでは利用価値の高い植物です。 《相性の良い植物》作物全般 《期待できる効果》生長促進、土壌障害の忌避、害虫防除 |
ガーデニングでコンパニオンプランツの注意点
ガーデニングでコンパニオンプランツを利用する際には、注意したい点もあります。育てたい作物や草花とコンパニオンプランツが生長して大きくなった時のバランスなども頭に入れておく必要があります。お互いが大きくなりすぎて、日照不足になり、風通しが悪くなり却って病虫害の発生に繋がることもあるからです。一年草と多年草の植物では生長の仕方も違います。植え付けをする際にはお互いの株がどの程度の大きさになるのかを確認してからにしましょう。
また、コンパニオンプランツの個別の種類とは相性の悪い作物も含まれます。一緒に植え付けると却って悪影響を及ぼすことがありますので、確認が必要です。
まとめ
ガーデニングでのコンパニオンプランツを利用して植え付けることによって得られるメリットを挙げてみました。植物の生長を助け、病害虫の発生も防除できることなどから、無農薬での育成も可能性が大きいなど数々のメリットが期待されます。但し、むやみにコンパニオンプランツを混植させれば良い訳ではありません。まずはどの組み合わせが適合するのか、配置など計画を立てることが大切です。