ウバユリは山菜?食べられる?山に咲くウバユリの育て方
2023.08.01
ウバユリは山地の湿り気のある明るい場所で自生しているユリ科の多年草です。すっと伸びた茎の先に数個の花を横向きにすらっとした花を咲かせます。名前の由来は花が咲くにつれて葉が枯れていく姿を「歯のない姥(うば)=(年老いた女性)」の姿に例えて「ウバユリ」となったようです。山菜として採れるユリ根は他のユリ根と比べて山菜の苦みも感じられますが、甘みや風味が強く美味しいとされています。ウバユリの新芽も食べられますが苦みが強いとされています。 茎が長く伸びた先に花が咲くので切り花としても楽しむ事が出来ます。そんなウバユリの育て方をご紹介します。
ウバユリの基本情報
ウバユリの特徴
ウバユリはユリ科のウバユリ属に属する植物です。ハート形の葉が特徴で関東から中部地方の雑木林や山林などに自生していて、湿り気のある半日陰を好む多年草の一つです。別名「カバユリ」「ネズミユリ」とも呼ばれ、和名として「姥百合(ウバユリ)」と名付けられています。ウバユリは成長すると草丈が50センチから100センチ程になり、開花期は7~8月頃とされています。種から花を咲かせるまでには長い年月が必要となり、地域によりますが2~5年、長い所では8年ほどかかるようです。筒状に咲いた花の色は緑がかった白で強い香りを放ちます。花が咲き終わると実が成り種を放出させて増えて行きます。明るい半日陰を好み、根元にできる鱗茎はユリ根として食する事が出来ますが、ウバユリは一回繁殖型なので花が咲くと球根は無くなってしまいます。ウバユリのユリ根は他のユリ根と比べて風味があり美味しいとされています。薬用として、解熱、強壮、胃の疲れに効果が期待されています。
ウバユリの花言葉
ウバユリの花言葉は「無垢」「純潔」「威厳」などがあります。ウバユリの名前の由来である姥=年老いた女性とあるように女性をイメージした花言葉が付けられているようです。
ウバユリの育て方
植え付け時期
ウバユリの植え付け時期は2月から3月頃がいいとされています。繊細な性質なので、根や球根を傷つけないように植え付けましょう。
適した土について
土質の心配はあまりありませんが、自生地が雑木林と言う事もあり乾燥が苦手な為、植え付け場所に山林や雑木林にあるように堆肥を入れて腐葉土を多めに混ぜてあげると安心です。
肥料について
ウバユリに与える肥料は春ごろに園芸用の肥料や油かすを与えて下さい。あらゆる植物に使える植物の活力液のHB-101を水で1000倍に薄め、それを与えると根張も良くなるので成長の助けになりお勧めです。
植え付け方
ウバユリは移植を嫌う為、植え付け時には根を傷つけない事が大切です。地植えの場合、株が入る大きさの深さ10センチから15センチぐらいの穴を掘り、そこへそっと株を入れて土を入れます。鉢植えの場合も同様にそっと植え付けるようにしましょう。移植はお勧めできませんが、移植をする場合は、球根や根を傷つけないように気を付けながら掘り上げて植え付けて下さい。植え付け後はたっぷりとお水をあげて下さい。
植え付け場所・置き場所
ウバユリは日に当たり過ぎると(長時間の直射日光など)葉焼けを起こす事がある為、植え付け場所や鉢の置き場所は明るい半日陰にすることをお勧めします。どうしても難しい場合は、日避けを作るなどの工夫をしてみてください。日中の強い日差しが当たらない場所が適しています。
水やりについて
地植えの場合、根付いてしまえば水やりの心配はあまりありませんが、乾燥する時期などは土が乾いたら水やりをして下さい。鉢植えの場合は、土が乾燥したら水やりをするようにして下さい。
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ウバユリの増やし方・管理について
植え替え時期について
ウバユリは移植を嫌う植物なので、植え替えはあまりお勧めできません。どうしてもと言う場合は根や球根を傷つけないように気を付けて植え替えてください。時期としては2月から3月頃になります。
夏場の管理について
ウバユリは日陰を好む性質があり、夏場の強い日差しや直射日光が苦手です。日が当たり過ぎるようなら日陰へ移動させたり、日よけを作ったりしてあげて下さい。
花の管理・増やし方
ウバユリを増やす方法として種から増やす方法があります。ウバユリの種は花後実が成りその実がはじけて500個程の薄い種が舞い散ります。種から育てるのは難しく花が咲くまで8年ほどの時間がかかる場合もあるようです。種を取る場合は実が成るまでそのまま花を楽しみます。ウバユリは花が咲くと球根が無くなってしまう一回繁殖型植物なのでその茎は枯れてしまいますが根元に出来る鱗茎から新しい茎が伸びてきます。食用で増やしたい場合は種を多めに撒いて出てきた新芽を摘み取るとたくさん食べられるかもしれません。
病害虫について
ウバユリの病害虫の心配はあまりないようですが、アブラムシがつく事があります。見つけたら薬剤を撒くなどして対処する事をおすすめします。
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ウバユリの食べ方について
採取の仕方
ウバユリのユリ根(鱗茎)を採取するのに適した時期は10月頃と5月頃になります。根の部分に出来た鱗茎を食べますが他のユリ根と比べて大きさは小ぶりです。この鱗茎は花が咲いてしまうと小さくなってしまうので、花が咲く前の春の5月ごろに芽が出始めた頃に収穫できますが、10月頃に採取すると甘みが増すようです。10月頃に採取する場合は枯れた茎の根元を掘ると翌年に向けて育った鱗茎を採る事が出来ます。葉を食べる場合は、若い新芽を摘み取ります。
ウバユリの食べ方
収穫した鱗茎を良く洗い、水から茹でます。竹串などを刺してスッと入れば茹で上がった合図です。茹でたウバユリの鱗茎、梅肉2:みりん1:砂糖1、鰹節適量を用意します。梅肉、鰹節、みりん、砂糖を混ぜて茹でたウバユリの鱗茎を混ぜ荒せたら和え物の出来上がりです。梅肉を味噌に変えても美味しそうです。茹でたウバユリの鱗茎をジャガイモの代わりにグラタンに入れたり、煮物にしたり、天ぷらにするなど色々な調理法で食べる事が出来ます。
ウバユリの新芽も食べる事が出来ますが、苦みが強いようなのであく抜きをしてから調理する事をおすすめします。
まとめ
山林や雑木林に生息するウバユリは山菜としても食べて楽しむ事が出来る植物です。ウバユリを種から育てて花を咲かせるまでは数年かかってしまいますが、手塩にかけて育てた株が花を咲かせてくれた時の喜びはとても大きいです。食用としてなら数年待たずに楽しむ事が出来るので、球根や株を購入する場合は、花を咲かせる用と食用用とに分けられるように数個購入したり、花後の種はたくさん取れるので、それをたくさん撒いてみたりするのもいいかもしれません。切り花として売られているユリのように華やかさはありませんが、ちょっと変わったユリとして食用としても育ててみてはいかがでしょうか。
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