ほったらかしで果樹を栽培しよう!鉢植えでもよく育つ5種大解説‼

2022.06.07

一戸建てに住んでお庭をもったら、実の成る木を育ててみたい方も多いのではないでしょうか? アパート暮らしの時には夢のまた夢だった「庭でもいだフルーツをそのまま子供のおやつに…」なんてことも実現できちゃいます。 でも、お庭で果樹を育てるなんて難しそう・・・と思われる方もいらっしゃると思います。 確かに果樹農家さんが作るような立派な果物は手間も時間もかかります。が、ご家庭の庭や鉢植え栽培でも育てることができ、さらにほったらかしでも立派に実を付けてくれる果樹があります! 今回、そんなずぼらさんにも向いている果樹をたっぷりと紹介しますよ。 果樹を育ててみたかったけど手を出しづらかったという方はぜひ読んでみてくださいね。

果樹ってなに?木本と草本の違いとは?

果樹ってなに?木本と草本の違いとは?

「果樹」という言葉を初めて聞く方も多いのではないでしょうか?
かんたんに言うと食べられる実をつける植物のことを果樹といいます。
ちなみにですが、イチゴやスイカなどの草本植物につく実のことは野菜として分類されています。
一般的なイメージでは果物なので驚きですよね。
草本と木本の違いは茎が木質化して美樹になるかどうかの違いです。
木本植物は一般的な木をイメージしていただければ大丈夫です。
意外なところで、バラは木本植物です。
切り花としてのイメージが強いですが、大きくなると茎が木質化して低木の木になっていきます。
リンゴやミカン、柿などいわゆるフルーツがつく木といえばイメージできますよね。

メリットたくさん!果樹を植えると嬉しいこと3つ!!

メリットたくさん!果樹を植えると嬉しいこと3つ!!

お庭に果樹を植えるとどんなうれしいことがあるのでしょうか?
果物が簡単に食べられるということはもちろんですが、お店で買った果物にはないメリットが3つあります。

【庭で果樹を育てるメリット3つ】
1. 庭木として防風や花を観賞することができる
2. 無農薬・低農薬のものを食べられる
3. 完熟果実が食べられる

メリット1:庭木として防風や花を観賞することができる

果樹は実がなる時期以外には葉を茂らせています。
普通の庭木と同じように、家の防風や目隠しとしての役割を持たせることも出します。
また、果樹は実をつけるために必ず花を咲かせます。
その花を観賞する楽しみもあるのが果樹の良いところです。

メリット2:無農薬・低農薬のものが食べられる

果物は生食するものがほとんどです。
そのため他の生鮮食品に比べれば農薬は少ないと言えます。
ですが、海外から輸送される際には防腐・防虫のためどうしても薬品を使用します。
ポストハーベスト農薬と言って、一時話題になったこともありますね。
自分で育てた果樹であれば、農薬はほとんど使用することなく栽培することができます。

メリット3:完熟果実が食べられる

スーパーなどで市販されている果物のほとんどは未熟果で収穫されます。
ときにはまだ青い状態で収穫されることも少なくないです。完熟した果物は日持ちせず、やわらかいので輸送の際の衝撃にも耐えられません。
収穫から店頭に並ぶまでには傷んでしまうでしょう。
輸入されるバナナやオレンジなどはまだ青い状態で輸送されます。
もちろん、追熟と言って倉庫や輸送中に寝かされること糖度は十分に高くなります。
ですが、木になった状態で完熟する方がずっと甘くなるのです。完熟した果物の甘さは果樹を栽培していないと味わえないといえるでしょう。

自宅で果樹を植えるときの注意点3つ!

自宅で果樹を植えるときの注意点3つ!

果樹を植えて美味しい果物を思う存分味わいたいですよね。
ですが、果樹栽培は思っている以上に手間がかかります。
果樹を育てるには、枝の誘引や剪定、病虫害の予防や適切な肥料など確かな知識がないと難しいものもたくさんあります。

<果樹を育てる注意点3つ>
1. 鳥よけ・虫よけ対策は必須!無農薬で収穫する方法!
2. 受粉の性質に要注意!1本では実をつけないものも!!
3. 栽培面積はどのくらい?果樹が育つ最適な広さを知ろう!

注意点1:鳥よけ・虫よけ対策は必須!無農薬で収穫する方法!

美味しい果物が好きなのは人間だけではありません。
虫や鳥も熟した果実は大好物です。
農薬を使わずに虫から果実を守るためには、袋掛けが必要です。
通気性のよい「果樹袋」という袋を膨らみ始めた果実にかけてあげましょう。
果樹袋はホームセンターなどで購入できます。
鳥からの被害を防ぐには、いろいろ方法がありますが一番有効なのはネットをかける方法です。
しかし果樹全体をネットで囲うのでかなり手間がかかります。
CDや目の形の風船などで脅かす方法もありますが、こちらは慣れてしまうと効果が無くなってしまいます。
お庭の状況を見ながら、有効な手を試してみましょう。
鳥からの被害を防ぐためにも鉢植えでの果樹栽培から始めてみるのもいいですよ。

注意点2:受粉の性質に要注意!1本では実をつけないものも!!

果樹によっては、自家受粉では実がつかないものもあります。
自家受粉とは、同じ花についているおしべの花粉がめしべに受粉することでも種を作ることができることを言います。
自家受粉では実ができない植物の場合は1本だけでは実が出来ません
自家受粉では実がつかない性質のことを自家不和合性といいます。
例えばキウイは雌雄別株の植物なので、必ず雄株と雌株を植える必要があります。
また、直不和合性の果樹は花粉を人の手で受粉させる必要があります。
風や虫などで自然に受粉しやすい自家受粉の果樹の方がほったらかしに向いています。

注意点3:栽培に必要な面積はどのくらい?果樹が育つ最適な広さを知ろう!

リンゴやサクランボなど、樹高が高くなるものをお庭に植えると、収穫や管理が大変になります。
剪定や袋掛けのたびに脚立を立てて、と思うだけで大変ですよね。
ご家庭の庭で育てるなら、低木性の果樹を選ぶといいでしょう。
また、地植えにすると背が高くなる果樹であっても、鉢植えで育てると樹勢が弱まり、コンパクトに収まる場合もあります。

ほったらかしで鉢植えでも育つ果樹はある?注意点は?

ほったらかしで鉢植えでも育つ果樹はある?注意点は?

果樹を育てるにはいくつかの注意点があることが分かりました。
鳥や虫、栽培に適した広さなど、注意点のいくつかは鉢植えで栽培することで解決できそうですね。
そこで、ほったらかしでも鉢植えで育つ果樹をご紹介します。
鉢植えで育てるときの注意点もあわせて紹介します。

ラズベリー

ラズベリーはケーキやジャムにも使われる果物ですね。
バラ科キイチゴ属の小低木です。
自家受粉するので1本だけ鉢に植えても実がなるのがうれしいですね。
実は赤や紫などの小さな粒が集まった集合果です。
甘酸っぱく、そのまま食べることができます。
ラズベリーにはトゲのある品種も多いので育てるときは注意が必要です。

ラズベリーを鉢植えで育てるときの注意点

・水やり
鉢植えで育てるときは、土が乾いてきたらたっぷりの水を上げるようにしましょう。
夏は日中ではなく、朝や夕方の涼しい時間帯に水を上げると根腐れしにくいですよ。

・病害虫
基本的に病害虫はつきにくいですが、まれにカイガラムシやハダニが付くことがあります。
これらの虫を見つけたら、すぐに対応しないと枯れてしまうこともあります。
カイガラムシ、ハダニともに有効なのは殺虫剤ですが、果樹では使用したくありませんよね。
そんな時は木酢液を薄めて霧吹きで巻きましょう。

・日当たり
ラズベリーは基本的に日当たりのいいところを好みますが、夏は葉が焼けてしまうことがあります。真夏は日陰に移してあげるといいでしょう。

・植え替え
ラズベリーは地下茎を伸ばして繁殖していくので直植えすると、思わぬところまで伸びてしまいます。
鉢植えなら調整しやすいので、まずは鉢植えで育ててみましょう。
鉢が根や地下茎でいっぱいになったな。と思ったらいつでも植え替えて大丈夫です。

・剪定
ラズベリーは1年に1回だけ実をつける「一季なり性」のものと、2回実をつける「二季なり性」の品種があります。
一季なり性の場合、1年目に伸びたサッカー(地下茎)やシュート(株元から派生する栄養枝)に翌年実をつけます。2年目に実をつけた後は枯れるので、収穫後に剪定してあげましょう。
二季なり性の場合は1年目に伸びたシュートに春と秋に実をつけ、翌年も枯れずに実をつけます。枯れた枝以外は剪定しないように気をつけましょう。

姫リンゴ

普通のリンゴよりも小さな赤い実をつけます。
味は酸味が強い紅玉などに近く、固めのシャキシャキとした食感が美味しですよ。
春に白やピンクのかわいらしい花を咲かせます。
花も実も鑑賞して楽しむことができるのが良いですね。
「アルプス乙女」という品種が自家受粉も可能でおすすめです。

姫リンゴを鉢植えで育てるときの注意点

・水やり
ラズベリーと同じく、土が乾いてきたらたっぷりと水を上げるようにしましょう。
多湿は病気の元ですので上げ過ぎには注意して水はけをよくしてあげてくださいね。

・日当たり
姫リンゴも日当たりのいいところを好みますが、夏は少し日陰になるところにおいてあげるといいでしょう。
湿度に弱いので風通しもよくしてあげましょうね。

・病害虫
姫リンゴにつきやすい病害虫は、うどんこ病、褐斑病、黒星病などです。
いずれも多湿が原因の葉に症状が出る病気です。
見つけたら、感染している葉を取り除き、殺菌剤を噴霧しておいてあげましょう。

レモン

柑橘類の中でも手間が少ないのがレモンです。
レモンは輸入もの多いので、収穫後の防腐剤によるポストハーベスト農薬が気になりますよね。でも、自宅で収穫したものなら安心です。
鉢植えでも十分に育てられますので、チャレンジしてほしいですね。

レモンを鉢植えで育てるときの注意点

・水やり
土が乾いたら、鉢底から水が染み出るほどたっぷり目に水をあげましょう。
レモンは水が切れると実がつきにくくなります。
実が大きくなる夏場は特にしっかり水をあげましょう。

・日当たりと気温
レモンは実は寒さにあまり強くありません
鉢植えで育てる場合は日当たりなどで調整できます。
日当たりがよく、強い風に当たらないところに鉢を置いてあげましょう。
もし、直植えをされる場合は関西より以西の方がいいでしょう。

・用土
一般的な園芸用の土でもいいですが、水はけの良い土を選びましょう。
赤玉土と腐葉土、川砂を混ぜたものがおすすめです。

品種もいろいろあり、「スイートレモネード」という品種なら生食にも向いています。

ウメ

梅干しや梅酒など美味しい食べ方がたくさんあるウメも鉢植えで育てることができます。
ウメはバラ科の落葉高木ですので、春に咲く花もとてもきれいです。
果樹として栽培するのは実梅(ミウメ)と言われ、実が大きく育つ品種を選びましょう。

ウメを鉢植えで育てるときの注意点

・水やり
土の表面が乾いたら、水をたっぷりあげましょう。
鉢植えの場合は、1日2回くらいあげてもいいかもしれません。

・日当たり
ウメは温暖な気候の方がよく育ち、寒さにはあまり強くありません。
霜に当たらないように冬季は室内に移してあげるのもいいでしょう。
そのほかの時期は、直射日光の当たらない明るく風通しが良いところにおいてあげましょう。
寒冷地向けの白加賀や豊後などの品種もありますので、探してみるのもいいですね。

・用土
土は水はけをよくするために底石を敷いてあげるといいでしょう。
赤玉土だけでなく樹皮たい肥などを混ぜてあげるのも効果的です。

・植え替え
鉢植えで育てるときは1~2年に1度植え替えが必要です。
12月から3月の間に一回り大きな鉢に植え替えてあげましょう。

グミ

樹勢が調整しやすく、管理が楽な果樹としておすすめなのがグミの木です。
グミは真っ赤な細長い実がたくさんつきます。味は甘いですが少し酸味があります。熟したものは本当に美味しいのでお子様のおやつにもぴったりです。

グミを鉢植えで育てるときの注意点

・日当たり
グミは日光を好みますので、日当たりがよいところにおいてあげましょう。乾燥にも寒さにも強いのでよほどのことが無ければ枯れないのがうれしいです。

・用土
土はあまり選ばないですが、水はけをよくするために底石を引いてあげるとなおいいですね。

・剪定
繫殖力が強いので、樹勢が強くなりすぎたら冬に剪定をどんどんしてあげましょう
切りすぎかな?と思ってもすぐに枝が伸びてくるので大丈夫です。

・株分け
グミは挿し木でも増やすことができます。
もし、増やしたいなと思ったら剪定で切った枝を水に浸してから鉢に挿して挿し穂にしてあげましょう。
根が出るまでは日陰においてあげるのがポイントです。

活力剤のおすすめ

活力剤のおすすめ

鉢植えで育てていると、根が窮屈になるので樹勢が弱くなりがちです。
鉢植えに根が張ってきたら、植え替えをしてあげましょう。
植え替えや、鉢に苗を植えた時に活力剤を入れてあげるといいですよ。
植物活力剤として「HB-101」がおすすめできます。
天然素材なので果樹に使用しても安心です。
顆粒タイプなら、植え替えのときの土に混ぜて使用することもでき手軽ですね。

天然植物活力液HB-101

まとめ

まとめ

いかがだったでしょうか?
今回はほったらかしでも鉢植えでもよく育つ果樹を5種類紹介しました。
家庭のお庭で手軽に果物が育てられたら、季節の移り変わりが楽しみになってきますね。

果樹を植えるメリットは以下の3つでした。

1. 庭木として防風や花を観賞することができる
2. 無農薬・低農薬のものを食べられる
3. 完熟果実が食べられる

特にお子様がいるご家庭なら、無農薬の果物をおやつにするのはうれしいですよね。

また、果樹を植えるときの注意点として以下のものがありました。

1. 鳥よけ・虫よけ対策は必須!無農薬で収穫する方法!
2. 受粉の性質に要注意!1本では実をつけないものも!!
3. 栽培面積はどのくらい?果樹が育つ最適な広さを知ろう!

これらのことを踏まえて鉢植えでもよく育つ果樹としてこちら5種類をオススメしました。

●ラズベリー
●姫リンゴ
●レモン
●ウメ
●グミ

この中からまず育ててみて、次は食べてみたい果樹を増やしてみるのもいいですよね。
ぜひ挑戦してみてくださいね。

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